うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

三郎岳

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今回は三連休でしたがいつもの友人とは日曜日しか日が合わなかったのでまずは一人で三郎岳に行ってきました。
この山は途中に古刹の仏隆寺があり、高城岳から三郎岳へと山歩きが楽しめるということでトライしてきたのですがほんの些細なことから道迷いをしてしまい結局は高城岳をすっ飛ばしてしまうという結果になりました。
ただ、そのおかげで素敵な出会いがあったことと間違えた山域からの景色は結果オーライということができるほど良かったのですが道迷いはやはり危険なので皆さんは正規ルートで楽しんでください。
山頂から後半は完璧ですので関所跡や千本杉を楽しみたい方は参考にしてください。
それではコース案内です。
私の大好きな奈良県の山でこの頃よく拠点にしている近鉄電車の榛原駅が最寄り駅です。
榛原駅からバスが出ているのですがここで最新の情報です。
昔は奈良交通がバスを出していたようですが廃線になったため今は市と県が合同出資したコミュニティバスが走っているのですが何分本数が少ないです。
なので事前に榛原市に問い合わせして時刻は調べておいてください。
私は奈良交通で検索して事前に調べたら該当しなかったので気楽な気持ちで「駅までくればわかるやろ」と来たところ9時台が全くなかったので仕方なくタクシーで高井というバス停まで移動しました。(料金は1400円ほどです)
バスをどうしても利用したい方は10時30分ぐらいまでありませんので注意してください。(8時台は1本ありますが9時台はありません。)
高井バス停についたら帰りの時刻を確認しておきましょう。
念のために私はタクシーの乗務員さんに名刺を頂き、呼べるように用意しておきました。
最終は15時45分なので乗り遅れたらタクシーしかありません。
この日は秋祭りのようで神輿や獅子舞が朝早くから出ていました。
高井バス停からすぐにバスの進行方向に対して左側に山のほうへ上がっていく道があります。
上り口には道標もありますのですぐにわかります。
しばらく進むと仏隆寺への道標がありますので仏隆寺につくまではこの道標を頼りに進むといいでしょう。
頭矢橋を渡ってしばらく進むと分岐があります。
右の上がる道は千本杉や石割峠となっていますがこちらへ進むと逆回りになってしまうので左の仏隆寺方面へ進んでください。
ここからはのどかな山村へと進んでいきます。
途中でお会いした地元の方に朝の挨拶をすると「三郎岳に行くの?」と聞かれ、はいと答えると「直に行くの?」と聞かれたのでとっさに高城岳の名前が出てこず、はいと答えてしまったのですがまさか本当に直に行くことになるとは思いませんでした。
このあたりから仏隆寺までは結構な急坂になっていきます。
地元の方は大変だなあと思いながら上がっていくと左側に藁ぶきの東屋が見えてきます。
ここが仏隆寺の入り口で当然ですが拝見しに仏隆寺の石段を上がります。
獣除けのゲートを抜けてすぐ右側に桜の古木があります。
石段を上がった先が仏隆寺です。
拝観料を入口のさい銭箱に入れたら中に入って散策します。
本堂の右側には白岩神社もありますのでお参りして山行の安全祈願をします。
社務所に立ち寄り御朱印を頂いたら出発です。
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(高井バス停です。)
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(周辺図は全体像を把握するのに撮っておくと便利です。)
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(まずは仏隆寺を目指しましょう。)
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(漢字が違うのはご愛嬌、この辺は高城岳も高城山との表記です、山頂は高城岳になっています。)
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(仏隆寺の桜の古木です。まあ、寺社に興味が無ければこの古木だけでも見ておきましょう。)
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(仏隆寺です、入口の箱に拝観料(300円やったかな?)を入れて境内に入ってください。)
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(高台から仏隆寺を振り返ります。こうして見ると結構上がることがわかります。)
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(仏隆寺から進んでくるとこの分岐に出ますので右へ進んでください。)
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(集落に入ると直ぐにこの丁字路に出るので必ず右へ進みましょう、左は・・・間違いでした(ヽ´ω`)トホホ・・)
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(右へ進んだらこの茅葺きの家がありますので通り過ぎた分岐を左に行けば高城岳方面です。)

一旦、かやぶき屋根の東屋に戻ったら右へ進みます。
ここにも道標があるので従い進みます。
しばらく進むと左へ上がる道と右の集落へ進む道がありますが左は室生寺方面なので右へ進みます。
道なりに進むと丁字路がありますので右へ進んでください。
私はここでガイドブックを深読みしたのと肝心なこんな場所に道標がないため間違えました。(まあ、集落なので道標を設けるのは難しいかもしれませんがここは必要です。)
正規ルートは丁字路を右で右側にかやぶき屋根の民家が見えるのでその先の丁字路を左に進めば登山口へ行くことができます。
(児玉稲荷の石碑があればその道が正解です。)
私は最初の分岐を左に進み次の分岐を右へ進みました。
ここで山に入っていく道が無ければおかしいな?と思うのでしょうがまたややこしいことに綺麗な林道が(コンクリートの道)ずっと山頂のほうへ続いているんです。
最初は何も疑わず進んでいきます。
ところがこんな素敵な道なのに道標が一切ありません。
まあ、私有地などは道標が設けられないことが多々ありますので気にせず進んだのですが完全におかしいと思ったのは高度計で高度を確認するともう高城岳の標高近くにいたんです。
当然ぼちぼち高城岳の雰囲気になってくるはずなのにそんな気配はありません。
ここで完全に間違えていることに気が付いたわけですがGPSで確認すると三郎岳の近所にいることが分かったのでルートを模索するついでにせっかくだからこの林道がどこまで続いているのかも確認しようと上がってみることにしました。
(皆さんは決してマネしないでくださいね。体力と装備があればこそです。)
すると名も無き山頂付近は素晴らしい景色を楽しむことができて大満足できたのですがGPSで確認するとかなりずれていることがわかりました。
軌道修正するため一旦先ほどGPSで一番三郎岳に近かった場所まで戻り、そこからはGPSを頼りに道を進みます。
思えば山林伐採用の林道が縦横に巡っているなかなか近頃では珍しいくらいの山域なんですがあちこちに立派な山道がありました。
その中の一つをチョイスしてGPSを確認しながら進むと目の前の小高い稜線に人影が見えました。
「ああ~あれが本線か?やっと正規ルートに戻れるな。」と思ったのですがここで困ったことが・・・・
林道から稜線への道が無いのです。
まあ、伐採用の道と山道が混じってしまうと道迷いする人が激増するのでワザと分けているのかもしれませんが・・・仕方がないので杣道を迂回しながらそれでも急登を何とか登り切り稜線に出ます。
驚いたのが稜線は人一人通るのがやっとという感じで逆に今まで歩いてきた道が懐かしくなるほどの道でした。
高城岳を見に行くか悩んだのですがかなりのロスタイムだったのとおなかが空いてきていたので三郎岳を目指します。
稜線からすぐに足首がひん曲がるほどの急登が始まります。
もともとこの辺りは火山地帯だったらしくなめてかかると結構な急登が待ち受けているので注意してください。
途中の大きな木を通り過ぎようとしたらいきなり「こんにちわ~」と声を掛けられびっくりします。
どうやら先ほど見かけた方があまりの急登でキツくなって休んでおられたようです。
挨拶を返してそのまま勢いよく進んでいくとようやく目的地である三郎岳山頂に到着しました。
景色もそこそこにお昼ご飯を食べていると先ほどの方がようやく到着されて「いや~キツいですね~。なのに足早いですね~」と笑いかけられたのでおなかが空いていたといいながら歓談しました。
私が道に迷っていたことを話すと「大変でしたね。」とねぎらってくださり正確な道も教えていただきました。(その節はありがとうございました。)
私は足が遅いのでと先に行かれたのでそこからしばらく一人で食後のコーヒーと景色を楽しんでいると本日二人目の方が山頂に来られました。
挨拶を交わして少しするとこの方も下りられたので私も荷物を片付けて下山開始します。
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(私は先ほどの茅葺き屋根の家を越えたところまでは行ったのですが道標がなかったので住民の生活道路だと思い込んで丁字路まで戻って左に進んでしまいました。)
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(山へ向かう道がなければ引き返せたのですが立派な山道があったもんだから迷わず進みました。)
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(このあたりで高城岳の標高に近かったのでGPSで確認するとなんと三郎岳の近所です、ですがこの綺麗な山道がどこまで続いているのか?興味があったので進んでみることにしました。)
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(全く名も無き山ですが素敵な道なのでそのまま行ってみました。)
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(すると山頂付近からはこんな素敵な景色が堪能できたので満足して本線に復帰します。)
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(本線はこんな道です、急登なのでゆっくり取り組んでください。)
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(三郎岳山頂です、高城岳をすっとばしてしまいましたがいい景色を見ることが出来たので良しとします。)
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(三郎岳からも素敵な景色が堪能できます。)

ここからは完璧なので参考にしてください。
逆にここまでの道のりは危ないので正規ルートできてください。
下山口はすぐにわかります。(石割峠方面となります。)
最初は鎖場が連続するようなタイトな下りとなりますので気を抜かず慎重に下りましょう。
鎖場がなくなったくらいで石仏の分岐がありますので石仏を見に行きます。
本線からすぐのところにありますので見ておくことをお勧めします。
本線に戻りしばらく下っていくと明開寺奥の院宿坊跡があり、道標もあるので従い右のほうへ下りていきます。
ここからは杉の植林地となり赤テープのみが道を示すので見落とし注意です。
ここで先ほどお会いした二人目の方が上り返してきます。
聞けば赤テープが見当たらないのでわかる場所まで引き返すとのこと。
これはとても大事なことです。
自分が理解できる道まで戻るのは大変ですがここで横着をするから事故が(道迷い)起こるのです。
私の場合は来た道のほとんどを写真に収めているため間違えれば元来た道から下山できますが記録をとっていないとどっちから来たかわからなくなります。
特にメジャーではない山は道標すらない場合が多いので「地図・コンパス・高度計」は必ず持ち歩いていますし最悪の場合を想定して私は必ず2泊できるほどの装備を持ち歩いています。
当然重量はかさみますがトレーニングと思えば苦になりません。
逆に軽装で歩くほうが怖くて気が重くなります。
ルートに戻ります。
その方と情報を交換し、私は自分が納得するまで下りてみることにして慎重にあたりを見ながら下りていきます。
するとおそらくこれを見落としたのだろうと思われるところに赤テープがあり、安心して進んでいきます。(基本、この道は小さな沢沿いを下りて行けば問題ありません。)
しばらく進むと石割峠の分岐に出るので諸木野・高井バス停方面と書かれた道標に従い、高井バス停方面へ進みます。
立派な林道を進むと朝、道迷いした苦い思い出がよみがえりますがここは間違えていないので安心して進みます。
途中に愛宕神社が左手にありその先には集落が見えてきます。
東屋がある小さな公園にはトイレがありますので済ませておきましょう。
ここを逃すと正規ルートから外れた場合、榛原駅までトイレはありません。
ここからはとても道がややこしいです。
まず、左の方角は道がとてもきれいですが普通の車道を延々と高井バス停まで行くだけなので無視してください。先ほどの方はここで間違えて残念なことをしたとおっしゃってました。
仏隆寺や高城岳の分岐も無視してまっすぐに進みます。
しばらくするとY字路に出くわすので左へ進みます。
民家の庭に向かうようなので躊躇しますがここは道なので進むことができます。
諸木野弥三郎がこの地を通ったという趣旨の石碑があります。
民家の軒先を通らせていただくとすぐに山道に入ります。
これで一安心です。
ここからは素敵な山道を進みます。
途中にはすずみの水と呼ばれる小さな滝があり、その先を進んでいくと諸木野関所跡があります。
疲れた方はここで休憩してもいいでしょう。(結構広い場所です。)
この道は伊勢本街道となるため歴史街道の道標がたくさんありますので道標に従い進めば全く問題なく進めます。
山道が終わると集落に出ますが基本この道も伊勢本街道になるので道標もあります。
集落を抜けていくときれいな公衆トイレが左側にあります。
これが最後のトイレです。
しばらく進むと赤埴甲区集会所がありますので左折します。
ここからは道なりに進んでいきます。
千本杉の案内があるので従い、千本杉を拝見します。
とても立派な杉で一つの幹から約16本ほどの枝が出ており主幹は約5~600年、枝幹は2~300年ほどだそうで圧巻の景色です。
是非とも見られることをお勧めします。
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(下りは急斜面なので気をつけて下りましょう。)
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(鎖場を抜けたすぐにこの道標があるので石仏を拝見しに行きましょう。)
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(道標からこの道を2~30mほど進んだ先に石仏はあります。)
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(こうして見るとそばまで行けそうにありませんが右側から回り込む道がちゃんとあるのでそばまで行けます。)
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(明開寺奥の院宿坊跡です、道標もあるので従い進みましょう。)
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(こんな感じの味のある道標が皆さんを誘ってくれます。)
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(ただし、道迷いしやすい場所がありますので油断は禁物です。)
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(林道に出ました、ここからは伊勢本街道の道標に従うのですが見落としやすい場所にあるので注意です。)
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愛宕神社です、ここまでくればもう安心です。)
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(集落の入口にあるトイレです、ここを逃すと道を間違えた場合、榛原駅までトイレはありません。)
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(ここからは非常にややこしく入り組んでいるのでまずはこの場所では真っ直ぐに進んでください。)
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(さり気なくある伊勢本街道の道標は見失わないように注意しましょう。)
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(この道標が一番曲者です、なにげに従うと諸木弥三郎の墓経由で仏隆寺に戻ってしまいます。)
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(先ほどの道標に従えば右ですがここは左に行くのが正解です。民家の軒先に出るので躊躇しがちですが熊野古道を歩いた方にはよくわかると思いますがこういう場所は田舎では普通なのです。)
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(民家の軒先を真っ直ぐに進んで森の中へ入っていきます。)
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(すると直ぐにこの涼みの水が流れています。)
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熊野古道を彷彿するようなとても素敵な道です。)
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(諸木関所跡です。この対面が広場ですので休憩適所です。関所は遺跡ですので拝見だけにとどめましょう。)
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伊勢本街道を進むと集落に出たあとこのトイレがあります。)
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(先程までいた三郎岳を眺めながら進むことが出来るとてもいい道です。)
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(千本杉の道標に従って拝見しに行きましょう。)
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(千本杉です、圧巻です、ヤマタノオロチのようです。)

ここからは道なりに下っていき高井バス停に戻ります。
この時点で15時になるかならないかだったのでタクシーを呼ぶか迷ったのですが先ほどの方がバス停にいらっしゃったので早いですねえと声をかけると先ほどのややこしい集落で道を間違えたため早く着いたとのこと。
私がすべて見て回ったことを伝えるととても残念がっておられました。
そこからお互いに色々山の話で盛り上がったので結局15時45分のバスで榛原駅まで戻りその方と駅で別れ、京都駅まで戻った私はいつもの温泉と居酒屋で疲れをいやしてから帰路につきました。


あとがき
このルート、前半は間違えて進んだため高城岳をすっとばしてしまいました。
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(一応、高城岳へのルート図も載せておきます。)

私はいつでも遭難を覚悟して山に行っているので装備は充実していますがそれでも道迷いを推奨するものではありません。
ただ、間違えてもパニックになったりせずにむしろ楽しむ位の気持ちを持つことが出来れば実際に遭難は起きにくいと考えます。
そのためには普段から体を鍛えて装備を充実させて山行することを心がけています。
以前にも記載しましたが少しでもおかしいと思ったら地図をよく見ましょう。
また写真(携帯はダメ、バッテリーを大切にしましょう。)をたくさん取りましょう。
今はデジカメですのでいらないデータは消してしまえばいいだけです。
これだけでもかなり道迷いは防げます。
基本、どんな里山でも道標はあります。(メチャメチャ少ない山もありますが・・・・)
見落としたり探そうという気持ちが少ないと途端に山は魔性の一面を見せてきます。
どんな低山でも距離が短い山でも一歩踏み込めば未知の領域です。
謙虚な気持ちで挑みましょう。
これからは紅葉の季節です、皆さんが秋の山を満喫されることを祈念致します。