うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

御嶽山(継子岳・お池めぐり)後編

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御嶽山の後編をお届けします。
朝、日の出を見るべく早起きして清々しい空気の中、昨日に決めていた場所に陣取ります。
辺りが少しずつ明るくなっていく中、今日は良い天気になる事を実感します。
遠くに富士山が見えてとても嬉しくなります。
やがて待望の朝日が昇って辺りを赤く染めていき、モルゲンロートを見る事が出来ました。
感動して写真を撮りまくっていました。
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(朝、夜明け前に起きてあらかじめ決めておいた場所に向かいます。)
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(幸いなことに穏やかないいお天気に恵まれたので富士山が遠望できました。)
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(朝日が山の間から現れました、とても綺麗でした。)
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(たなびく雲が金色に輝き、まるで龍のようです、2枚に続きますので見てください。)
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(この龍のような雲を見ていた私の頭の中でまんが日本昔ばなしのオープニングが流れました。)
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御嶽山もモルゲンロートに輝いていきます。)

朝食が6時からだったのでそれまでの時間を堪能した我々は朝食をいただきました。
用意を済ませてザックを小屋に置かせていただき軽装になった我々は御池めぐりに出発します。
先ずは小屋の左側から裏側に回り込み、飛騨頂上にある社に参拝します。
良いお天気にしてくださった事とこれからの安全祈願を感謝とお願いして稜線沿いを進みます。
まず目指すのは継子岳です。
右側はコマクサの群生地なのですがシーズンが終わった為、そのほとんどが枯れています。
少し寂しいですがここはお気に入りの山域なのでまた今度シーズン中に訪れることにします。
少し進めば左側に天照大神が祀られています。
この辺から高天原となり、幻想的な風景になっていきます。
鉄平石と呼ばれる石の大群が左側を占領しているのでただ通り過ぎるのではなくてゆっくり観察して見ましょう。
火山で形成された鉄平石はそのほとんどが板状の石で知っている人は少ないかもしれませんが玄関先のタイルなどの建築資材として長野県の特産品でもあります。
ここではそんなことより不思議な石がたくさんあるので観察して欲しいのです。
まず、そのほとんどが直立しており色々な形がありますが石像と見間違うくらいのクオリティのものもあります。
実際我々も石像が祀られていると勘違いした石がありました。
右側はハイマツ地帯なのですが雷鳥の鳴き声がしたので静かにして待ちます。
最初は警戒していたのでしょう、オスの親鳥がチラチラ見えるくらいでしたが我々が聞いたのは子供の鳴き声だったので更に気配を消して待ちます。
すると嬉しいことにハイマツの隙間から子供がヒョコッと顔を出してくれたので写真に収めました。
気分良く進むと継子岳に到着します。
標高は2859mですがそもそも五の池小屋で2800mあるので多少のアップダウンがあるくらいでのんびり歩いても簡単に頂上に立つ事が出来ます。
頂上で360°のパノラマを楽しみながらコーヒーをいただきます。
我々の他には単独の女性と男子3人組がいるくらいで静かな山頂でした。
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(荷物を小屋で預かってもらいお池めぐりに出かけます。)
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御嶽山が爽やかに輝いています。)
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(このあたりで雷鳥の鳴き声が聞こえました、耳ざとい我々はその中で子供の声を聞き逃しません。)
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(いました子供です、大体7月くらいにヒナだったらこの季節はこれくらいに成長します。)
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(鉄平石のエリアです、これだけ鉄平石が集結している場所は珍しいです。)
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(継子岳山頂です、小屋からはほぼ水平で来ることができるので散歩にはもってこいです。)
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(山頂からコーヒーを飲みながら乗鞍や槍ヶ岳を眺めます、正しく至福のひとときです。)

ゆっくり景色を楽しんだ我々は御池めぐりを再開します。
山頂から少し下りたところにある石がお不動様に見えて思わず拝みました。
ここから左右はコマクサの群生地で左右にはロープが張られているので足を踏み入れ無いようにしてください。
少し上った先はピークとなっており祠が祀られています。
ここまではほとんどアップダウンが無い緩やかな稜線沿いでしたがここから先は結構な斜度のアップダウンが待っているので足が心配な方は継子岳の往復にとどめておきましょう。
実際我々以外は先ほどの単独の女性くらいしかいなかったです。
この辺のハイマツ地帯にも雷鳥が生息しているので大声は禁物です。
静かに進めば結構間近で雷鳥が飛んでいるのが観察出来ます。
ここからはガレ場の急な斜面を下っていくので足下注意です。
慎重に下った先は四の池の最下部になり、ここからの景色は最高です。
四の池といいながら池ではなく湿地帯になっており、高山植物や野生動物の宝庫になっているのでロープから先へは入らないようにしましょう。
綺麗な小川を渡りますが橋などは無いので渡渉ルートは慎重に選んでください。
しばらく雄大な景色を眺めていると星ガラスが側まで来てくれたので写真に収めます。
ここからは今まで下りてきた距離を上り返します。
2800mから2600m(四の池)まで下りてまた2800mまで上るので結構な斜度があります。
登り返した先は分岐になっているので御自身が行きたい方向をチョイスしてください。
ちなみに道標に向かい左側へ進めば五の池小屋へ、四の池の反対側は三の池方面となります。
女性はここで五の池小屋へ戻られました。
我々は御池めぐりなので迷う事なく三の池方面に向かいます。
三の池を右側に見下ろしながら進めばやがて前方に三の池避難小屋が見えてきます。
ここは分岐になっており、女人堂を経由してロープウェイの駅に向かう黒沢口コースがあります。
ちなみに開田口コースは先ほどの五の池小屋への分岐にありますがここからでも少し遠回りですが戻れるので三の池を見学してから戻るのも良いでしょう。
三の池避難小屋は農機具小屋みたいな小屋ですがトイレも完備されており、気にしない人なら快適に過ごせる小屋ですがせっかくここまで来たのなら五の池小屋に宿泊する方が絶対にオススメです。
三の池は知る人ぞ知る有名なお汲み取りの行事を修験者が行う場所です。
すごいのはこんな高山で他に水のルートが無いのに水量は絶えず一定で水が腐ることもなく綺麗な水をたたえていることでしょう。
ちなみにこの水は御神水なので汚さないように注意してください。
ここでもゆっくり景色を眺めて満喫します。
一通り堪能したら五の池小屋に戻るため急登の道を上がって行きます。
見る見るうちに三の池が小さくなって行きます。
ある程度上がると道が左右に分岐しています。
右へ進めば五の池小屋へ左へ進めば御嶽山方面ですが今は進まない方がいいでしょう。
入山規制の範囲に抵触します。
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(珍しい岩その1です、おそらく誰かが乗せたのでしょうがまるで鳥が岩にとまっているようなとてもいい角度の岩です、これを乗せた人はかなりのセンスです。(さやかさんかな?)
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(四ノ池ですが池と名前が付きますが湿地帯なので水が溜まることはほぼありません。)
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(四ノ池はその特性から様々な生物の宝庫です。立ち入り禁止なので中には入れません。)
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(四ノ池周辺には雷鳥はもちろんのこと、星ガラスのような珍しい鳥も生息しています。)
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(2600mの標高とは思えないほどの水量をたたえた清流が流れているのも御嶽山の魅力です。)
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(三ノ池です、ここも不思議なのです、夏場どんなに暑くてもここの水が枯れることも腐ることもありません。)
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(三ノ池は御神域となるので決して汚したりせず静かに見学しましょう、運がよければ行者さんに会えます。)
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(おそらく雪解け水なのでしょうがそれにしても不思議です、とても澄み切った水で神秘的です。)
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(楽しかったお池めぐりも終盤です、三ノ池を上から見下ろします。)
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(不思議な岩その2です、アルマジロのようですね・・・というふうに見える方は私と同じ感性、そうか~?と思う方はごめんなさい・・・この写真は無視してください。)
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(楽しかったお池めぐりも終わりました、ありがとう五ノ池小屋、ありがとう五ノ池小屋スタッフの皆さん。)

五の池小屋に戻った我々はお腹が空いたので軽食をいただき、スタッフの皆さんと別れを惜しみながら下山開始です。
御嶽山が早く入山規制を解かれて、以前の賑わいを取り戻すことを祈りながら今回の旅も終了です。
無事に下山した我々は五の池小屋でもらったチケットを利用して温泉を半額で楽しみました。
(通常1000円の入浴料が500円で飲み物付きです。)
御嶽山は凄惨な事故がありましたがとても良いところです。
プランにもよりますが日帰りでも十分に楽しめる山です。
最後になりますが未だ見つかっていない5名の方が早く見つかることと1日も早い御嶽山の復旧を祈念して今回の山行を終了します。 


あとがき

私が登攀したコースは濁河温泉からでしたが今現在は通行できません。
今回の西日本豪雨の影響は広範囲に及んでしまい岐阜県や高山でも甚大な被害が出ています。
上の写真の五の池小屋もかなりの被害を受けられました。
テラスなどが破壊されてしまい一時は大変だったようですが現在はかなり復旧されました。
登山道も直してくださっていますがまだ通行できないルートがありますのでお出かけの前にルートの確認をお願いします。
御嶽山自体はまだ登攀できませんが摩利支天山や継子岳は問題ありません。
特に継子岳へ登頂するルートは上りごたえもありますしそのまま五の池小屋に行くことができます。
山は自然災害の影響をモロに受けてしまう場所でもありますがそれでも皆さんを暖かく受け入れるため必死で山小屋の皆さんは努力されています。
どうか優しく暖かく接してあげてください。
山と山に携わる方たちがいてこそ我々は安全に快適に山へ行けることを忘れてはなりません。
自然は時に獰猛な一面も見せますが怖がらず山へ出かけましょう。
そこには素敵な景色と優しいスタッフが皆さんを待っていてくれます。
笑顔と感謝の気持ちを忘れなければきっと素晴らしい山行が楽しめるでしょう。