うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(下り道)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ

すっかりご無沙汰しています。うめぞーです。
お盆休みですね~どこかに行かれましたか?
私は首の寝違えがキツくて肩から首筋を痛めてしまいザックを背負うのが厳しいのでお留守番です。(ヽ´ω`)トホホ・・
まだまだ残暑が厳しいので山に出かけられる方(特に低山)は熱中症対策万全でお出かけください。

さて、今回のタイトルですが先日コメントをいただいて注意喚起をしていただきました。
この方の実体験は大変貴重ですが危険でもあります。
でもね、この方を無謀と責めるのは簡単ですが私はそうは思いません。
意外と皆さん、こんな経験をしているのだけど簡単にクリアできて怖い思いをしていないから記憶にないだけかもしれませんし、危険な思いをしたとしても恥ずかしくて人に言えないだけかもしれません。
私は今回せっかくこんな貴重な体験を寄せていただいたので下り道についてレクチャーしたいと思います。

中高年のハイカーや登山客、観光客に多いのですが例えばケーブルやロープウェイなどであっさりと山頂まで行けるような山によく見られる光景ですが上りはキツいのでケーブルやロープウェイで上って下りは歩いて下りようと思ったり実行したりしたことないですか?
特に観光で訪れた山で少しばかり登山経験があるものだから下りは歩いて下りようなどと家族にあるいは友人に提案して下りてしまって後悔したことないですか?
コメントを寄せていただいた方は道標に4kmと書かれていたので安直に下りてしまったと後悔されています。
私がこの方に好感を持てるのは恥ずかしがらずに皆さんに対して危険を教えてくださっているからです。
また、観光で訪れていたため普通のスニーカーだったそうでそこも反省されています。
実に貴重な実体験でしたがご無事で何よりでした。
ここがポイントなんです。
たかが4kmされど4kmなんです。
皆さんは平地だと4kmは単純に何時間あるいは何分で歩けますか?
普通は1km=10分と考えると4km=40分なのですがこの方は余分目に見て1時間半ほどかかると予測されたようです。(とてもいい計算ですね、たえず余分目を見るということは大切です。)
でもね、山は予測通りにいかないのです。
大きな落とし穴があるのです。
それは上りも同じ道を通っていたら予測は間違えないでしょうが下りだけ、それも初めての道なら予測は不可能です。
ロープウェイやケーブルなら10分程度でも実際に登山となれば優に2~3時間は見ておく必要があります。
しかも山道というのは上り優先の考え方です。
道標なども上るために在るといっても過言ではありません。
なので下るときは道標が見えにくいのです。
道迷いの大半は下り道で起きています。
いかにわかりにくいか?私が過去に通った山道で検証しましょう。
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(このトラロープがあるところまでは明快ですがこの先道はどうなっています?そのまま真っ直ぐだと思ったあなた、ブッブー不正解です。正解は右端によく見れば赤テープが巻いてあります。)

上の写真なんか顕著にわかりますが人間は安直な生き物です。
普通に考えるとそのまま真っ直ぐに進めばいいと思いがちですがこういう時こそ周囲をよく確認しないと道迷いをしてしまいます。
この場合は右端に道が続いています。(赤テープが巻いてあります。)
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(最早獣道ですがこれも立派な山道です。)

上の写真、実はこういう道で道迷いが起こりやすいのです。
山をよく理解しているとわかるのですが立派な林道(林業の方の道)と山道が混在していたら人間は立派な道へ行きがちですが読図をしっかりして自分の現在地が把握できていたらこんな道でも入っていくことができます。
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(この二枚の連続写真ですが何も気にせずぼーっと歩いていると真っ直ぐに下りてしまいますが実は左側にこの道標があるのです。山岳会の方が設置された小さな道標は気をつけていないと見落としてしまいます。)

上の写真は下りの怖さを如実に物語っています。
上りだとこの道標に従い、山道を右へ上がっていけばいいのですが下りの道標のはずが実に見にくい場所にあるため見落としがちです。(おそらくは私有地のため設置場所が限られてくるのでしょう。)
道標はこのように上る方向からは見やすくても下る側からだと木々や草などで遮られて見えにくいことは多々あります。
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(道標は何も看板とは限りません、このようなテープの場合もあります。)

上の写真はやはり私有地のためか?苦肉の策と思われますがテープで進行方向を示唆しています。
でもね、あるだけありがたいことなんです。
大半の里山や低山(私有地が大半)の場合はない方が多いのです。
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(なんじゃこりゃーですがこんな道でも立派な山道です。)

山道とは立派な道や整備された道ばかりではありません。
逆にそのほとんどが人が歩かなければ途端に消えてしまうような道が大半です。
ましてや台風や大雨などでルートが切れてしまったり変更されていたりします。
だからこそ事前に下調べが必要なんです。
北や南アルプスのように一部観光地化したような山ならいざ知らず近隣の山は私有地だったりするので手付かずの荒れ放題になっていることも珍しくありません。
(私有地はあくまでも人のものです、その山に入らせて頂けるだけでもありがたいことだと思ってください。)
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(ハイキング感覚で下っていくとこんな急傾斜の下りに出くわすことがあります。)

皆さんは下りだけ登山道という感覚をどう思うのか?わかりませんが少なくとも私は感心しません。
というのは大方の方が下りの方が楽だと勘違いされていると思うのですが下りの方が足を痛めるのです。
筋肉痛の大半は上りより下りで発生します。
ご自身の全体重と持っている荷物の荷重が全てかかった状態でブレーキをかけながら進むのですから当たり前なのですが何故か上りの方がキツイというイメージからか下りだけ登山道をチョイスされる方が多いのです。
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(階段も長い下りだと足が疲れますし、段差が合わないと筋肉痛の原因になります。)

階段は山道では切っても切れない要素ですが段差がキツイ階段だと歩幅が合わず無理をするため筋肉痛やこむら返りの原因となります。
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(雪の季節は階段や急な下りでは慎重に下りていかないと足を滑らせて大怪我をする原因となります。)

冬季は道が凍っている場合があります。
ましてや上の写真のように急で長い下りの階段などでは滑落注意です。
丸太でできた階段が大半を占めるので滑りやすいです。
また、このような場所では必要以上に力が入るので筋肉痛やこむら返りになりやすいです。
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(延々とこんな道が続くと精神的に疲れてきます。また、こんな場所では休憩もできません。)

以前にも紹介しましたがメンタルが弱ると途端に人間は遭難する確率が上がります。
長く延々と続く階段は上るときは「なにくそ、負けるか~」と気合が入るものですが下りの時は疲れも手伝って嫌になってきます。
よくこういう場所でへたっているおじちゃんやおばちゃんがいますが登山道は基本座ることは禁止です。
どうしても体がままならない時は登山道を外れられる場所を見つけましょう。
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(実にわかりにくい道ですよね?でも一歩山に入るということはこういう道を歩くかも知れないという覚悟が必要です。)

山に登るということは未知の領域に入るということです。
普通の道路なら標識や地元の方に教えていただけることでも山ではその全てを自分で選択する必要があります。
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(山で一番怖いのは景色を見慣れるということです。)

山道は稜線でない限り上の写真のように木々に囲まれています。
ということはだんだん見慣れてきて同じように見えるということです。
これが道迷いにつながるのです。

あとがき

私は先程も言いましたが下りだけ登山道という考え方は感心しません。
それなら逆にして欲しいと思います。
山もピストンなら上る道と下る道は同じなので特徴を捉えやすく道迷いの危険も減ります。
ところが初めて訪れる場所で下りだけだと道迷いをしろと言っているようなものです。
いきなり枝道があるのに道標がない山なんて観光地でもたくさんあります。
そもそもロープウェイなどが往復券を優遇しているのは出来るだけ安全にその山に来て欲しいからです。
特に危険な山などは観光客に登山道へ入らないよう注意喚起した看板があるくらいです。
山道は特殊です、距離などで推し量れるものではありません。
魔が差すという言葉があります。
山ではフラッと山道へ誘われる時に使います。
本来の行動計画を無視して違う道に入ってしまい行方不明になってしまった方は観光客に限った事ではありません。
大抵そういう時は軽装備あるいは装備が全くない状態です。
コメントを寄せていただいた方も登るより下る方が楽なので無理から下っていったと報告されています。
人間はそういうものです。
でも、そういう行動をとったことで遭難された方を我々は数多く見てきたはずです。
体の準備が整っていないのに「下りだからたいしたことないだろう。」と勘違いされている方はたくさんいらっしゃいます。
現に私も摩耶山でバスで来ていた観光客に「歩いて下りたらどれくらいかかりますか?」と聞かれたことがあります。
見てみるとスーツ姿のおじさんでしたのであっさりと無理だからおやめなさいと戒めました。
まあ、おじさんも私の格好を見て「やっぱり山はそんな格好でないと無理ですよね。」と聞き分けてくれました。
下りだからと舐めてかかってこむら返りになった方を何人も見てきました。
実際に私から芍薬葛根湯をもらった人もこのブログを見ているかもしれません。
何遍も言いますが上りは体がエラい(関西弁ですね、要は[シンドイ]ヽ[´・ω・`;]ノ[限界]ということです。)だけで済むので山頂などでしっかり休息すれば立ち直りますが下りだけだと翌日必ず筋肉痛になります。
要はそれだけ足腰に負担がかかるということです。
上りがあってこその下りですのでセットで登山を楽しんでください。
皆さんがお盆中も怪我なく登山を楽しまれることを祈念して終了です。
でわでは~~