うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

天狗岳(赤天狗、青天狗様に会いに)

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今回はいつもの友人と八ヶ岳に行って来ました。
昨年は南八ヶ岳に行って来たので今回は北八ヶ岳に位置する天狗岳に行くことにしました。
二日かけてグルリと周遊する予定だったので前の日の夜中に夜行バスで茅野駅まで行きます。
ここからは渋の湯までバスで行くのがセオリーなのですが少しでも早く登りたい2人はタクシーを利用することにしました。
結構な料金がかかるので決してオススメはしませんが登山口が混み合うことを考えると時間の節約とその日のうちに天狗岳まで行けるので財布と相談して決めてください。
それではコース案内です。
渋の湯についた我々は途中にある神社の入り口の広場で朝ごはんをいただきます。
ところがこれがいけなかった、普通なら神社に参拝して軒先をお借りする非礼をお詫びしてから休憩させていただいている我々がなぜかその日は参拝を端折って朝ごはんを食べてしまいました。
今思えば結構急な階段を上った先に社があったので面倒に感じたのでしょうがこれが神様の逆鱗に触れたのか?
さあ~出発と言う時にまず私がたった3~4段ほどの階段で足を滑らせそうになり友人に「そこ危ない。」と言おうとした瞬間、友人が足を滑らせ踏ん張った時にそれこそグキっという感じで足をひねりました。
まあ、普段から我慢強い友人が苦痛に顔を歪めしばらく動けなかったのでよっぽどだったと思います。
せっかくここまで来ましたが無理して事態が悪化してもいけないので友人に中止を持ちかけます。
しばらく激痛に耐えていた友人が「すまん、落ち着いて来たからゆっくりと行かせてくれへんか?無理なら言うから」と言うのでとりあえず進んでみてダメなら無理せず下山と言う事で進むことにしました。
休憩した場所からすぐに小さな小屋と鉄で出来た橋が堰堤の前にあります。
ここが登山口となり、小屋の前には登山届を提出出来るポストがあるので登山届は必ず出しましょう。
我々はインターネットで提出しているのでそのまま通過します。
ちなみにですがインターネットで提出出来る自治体には出来るだけインターネットで提出した方が良いです。
万が一の時に自治体はまず登山届を回収してコースを選定します。
と言うことはポストまで取りに来る必要がありますが緊急時以外はメジャーな登山道で2~3日に一回、それ以外では下手すると1~2週間に一度程度になるので捜索が遅くなる可能性があります。
インターネットなら遭難したと言う連絡があればすぐに検索して届を確認出来るので初動が早くなります。
コースに戻ります。
橋を渡るとすぐに道標があり、右へ進むと黒百合ヒュッテ方面へ、左へ進むと賽の河原経由で高見石方面となります。
我々は黒百合ヒュッテ経由で天狗岳に行く予定だったので右へ進みます。
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(茅野駅です、ここからバスを待つと1時間半ほど時間を無駄にするのでタクシーで行きました。)
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(この神社の下側で朝食をとったのですがご挨拶をしなかったのが原因か?天罰を受けました。)
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(この小屋に登山届を出すBOXがありますので必ず提出しましょう。)
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(簡易図ではありますが位置関係を掴むのにはいい地図ですので参考にしましょう。)
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(道標に従い黒百合ヒュッテを目指します。)

ここからすぐに急登となり、普通に進んでもキツいですが友人が足をヒネっているのでさらに気を使います。
オマケに八ヶ岳全般に言える事ですが火山地帯なので岩がゴロゴロしており登山道は決して歩きやすい訳ではありません。
普段は滅多に使わないストックを取り出した友人はそれでも歩みを止めないので私もゆっくりサポートしながら進むことに決めました。
後から聞いたのですが足を置く際に左右にひねれないので苦労したそうですがそこは百戦錬磨の友人のこと、そんな苦労などおくびにも出さずに進んで行きます。
道は厳しい部分もありますが基本ほとんど一本道なので安心して進むことが出来ます。
しばらく道なりに進んで行くといきなりひらけた場所に出ます。
ここは結構な広場になっているので休憩に適しているのですが足を痛めた友人にとって休憩すると次動き出すのが不安だと言うので分岐を左へ進みます。(道標があるので従って進んでください。)
ちなみに右はパノラマコースと呼ばれるコースで唐沢鉱泉経由で天狗岳に行くことが出来ます。
左へ進むとすぐに少し下りになり小さな沢を渡るとまた道標があり左へ上って行きます。
この辺りから岩の上を歩く道となり平地はほぼほぼ無くなります。
また似通った地形なので人の踏み跡や地形を確認しながら進まないと道迷いの危険性もある場所です。
そこから少し進んだ先に手製の木で出来た看板に迂回路と書かれた道があるので迂回路を進みます。
迂回路の方が岩が少なく少しでも友人の負担が少なくて済むのならと選んだのですが、確かに岩は少なく平地が多いのですがそのぶん雪渓が残っていました。
道を覆い尽くすくらいの雪渓に神経を使いながら進んで行くと少しづつ視界が開けて行きます。
友人に景色がひらけて来たことを教えると友人も辺りを見回してもう少しだと自身を励まします。
しばらく道なりに進むと木道が多くなって来たなと言うくらいで木々の間から黒百合ヒュッテが見えて来ます。
友人に着いたことを教えて黒百合ヒュッテに到着します。
早速友人に足の調子を聞くと思っていたより快調だと言うのでこのまま軽く休憩を取った後、予定通り天狗岳を目指すことにします。
ちなみに普段の倍以上時間をかけて上ったので結構時間が押しているのではないか?と思っていたのですがビックリしたのが黒百合ヒュッテに到着したのが10時30分で渋の湯を出たのが8時ごろなのでコースタイム通りだったんです。
2人で普段どんだけ早く歩いているんや~と笑いながら天狗岳に登るための腹ごしらえをします。
黒百合ヒュッテで大好物のカレーを食べて元気が出た2人は11時過ぎくらいに黒百合ヒュッテを後にします。
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(足を痛めた友人にとって過酷な道が始まります。)
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(道自体元々火山帯のせいで岩がゴロゴロしていて歩きにくいです。)
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(道標の間隔が結構あるので道迷いをしないように注意しましょう。)
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(雪渓や岩に行く手を阻まれながらも友人は気力でクリアしていきます。まったく大した男です。)
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(黒百合ヒュッテです。お宿としてもとても快適ですしご飯がとても美味しいです。)
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(私とゴリラーマンの大好物であるカレーですが黒百合ヒュッテさんのは1,2を争うほど美味いです。)

黒百合ヒュッテの前にあるキャンプ場を越えた先から素敵な木道が整備されています。
木道を進んで行くと目の前に岩場が見えて来ます。
ここが中山峠で各方面からのターミナルとなっています。
木道から来たら中山峠を右へ進みます。すると目の前に赤天狗岳が見えて来ます。
まあ、正確に言うと赤天狗岳の前にある天狗岩が見えるんですけどね。
私から言わせると天狗岩の辺りは青々としているのでこっちが青天狗と言ってもいいと思いますし、実際知らない人はこっちが青天狗だと思って勘違いしている方もいらっしゃると思います。
中山峠からすぐに少し岩場があり、友人にはキツい場所となります。
そこから先は長い上りとなり結構キツいのですがいつもの半分以下で登っている私は普段汗かきなのにこの日はほとんど汗もかかず疲れもせず軽快に進みます。
また、ゆっくり進むと普段見過ごしやすい小さな花やコケなどがよく目につくのでとても有意義な登山になりました。
普段健脚でコースタイムの半分以下で登るような方はたまにこんな感じでゆっくり進むと有意義な登山を楽しめるので是非ともオススメします。
もちろん友人は登る事で精一杯なので今回の写真は私がガンバってたくさん撮って友人にあげる事にします。
しばらく道なりに進むと天狗の奥庭への分岐があります。
ここからは気をつけて進まないと石車に乗って転けたり滑落する恐れがあります。
そこから少し進むと右側にまるで人が立っているような岩があります。
ここから先は稜線の西側(登る時は右側)にトラバースするように進んでください。
岩場をサクサク進んでいると間違えて危険な場所に出てしまいます。
他に登山者が居れば大体のルートがわかるのでしょうが意外と上りの方が迷い込みやすいので注意してください。
ここから少し進むと目の前に天狗の鼻(天狗岩)が見えて来ます。
もうここまで来れば東天狗岳はすぐそこです。
天狗岳の山頂は三角点も無く道標があるだけの殺風景な場所ですが景色は360°の大パノラマが広がります。
遠くには赤岳、中岳、阿弥陀岳が見えて、手前には硫黄岳がその勇姿を見せてくれます。
ただし、ここは結構風がキツいので休憩にはあまり適しているとは言えない場所です。
しばらく待ってると友人が到着したので2人で景色を堪能します。
私はもちろん西天狗岳に行く気満々ですが友人の足の調子が気になります。
そんな私の気持ちを察したのか?友人が心配しなくても必ず後から追いつくから先に行けと言うのでゆっくりと先へ進みます。
天狗岳から西天狗岳へは一旦、鞍部へ下りる事になるので友人の足への負担が気になりますが振り返るとゆっくりですが着実に進んでいる友人を見て安心します。
ちなみに東天狗岳から西天狗岳へは20分もあれば行くことが出来ますが唐沢鉱泉方面へ下山しないのであればもう一度東天狗岳に登り返す必要があるので御自身の体調や足の具合で決めてください。
西天狗は別名青天狗と呼ばれているのですがハイマツが生い茂っているので遠くから見ると青々として青く見えることからだそうです。
ちなみに東天狗岳は2640m、西天狗岳は2645.8mでほとんど標高が変わらないので双耳峰としても綺麗な曲線を描く素敵な山です。
私はもちろん全く疲れていないのでサクサク登ります。
西天狗岳の山頂は結構広く二等三角点もあります。
また、石仏も祀られているのでここまで無事に来れたことを感謝してこれから先の山行の安全祈願もします。
友人の為に景色を写真に収めていると友人が追いついたので一緒に三角点で写真を撮ります。
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(黒百合ヒュッテからはこのような遊歩道が中山分岐まで続きます。)
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(中山峠(分岐)はターミナルとなっており賑わっています。)
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(赤天狗手前にある天狗の鼻です、遠目から見るとこちらが青天狗に見えます。)
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(真正面の岩、面白いでしょう?まるで人が居るように見えますのでびっくりしますよ。)
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(東天狗(赤天狗)山頂です、向こうに見えているのが西天狗(青天狗)です。)
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(遠くに見えているのが赤岳、手前の崩壊跡が見えるのが硫黄岳、目の前が根石岳です。)
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(さあ、青天狗に行きましょう。)
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(青天狗山頂から赤天狗を望みます。)
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(西天狗(青天狗)山頂です。)
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(ゴリラーマンが追いついたので三角点を触ります。)
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(東天狗(赤天狗)から根石岳への痩せ尾根を眺めます、危険な道なので気をつけて行きましょう。)

友人に休憩を取るか聞くと歩いている方が楽だと言うので天狗の奥庭を目指すことにします。
西天狗から降りて行き東天狗岳を見上げながら進むと雨が降って来ました。
そんなに強くは無いのですがただでさえ滑りやすい登山道がさらに滑りやすくなりそうなのと足の具合が悪い友人が心配になります。
天狗岳の山頂で友人を待ち、上だけでも雨具を着用してザックカバーをつけようと提案します。
のちのちこれがいい結果を生み出します。
友人がゆっくり進むので心配しなくても必ず後から追いつくからお前は普通に降りろと言うので逆らわずにゆっくり進みます。
天狗の奥庭への分岐で一旦友人が来るのを待ち、どうするか?確認します。
中山峠方面へ下山すると来た道を戻ることになり、楽しくはないかも知れませんが足場は安定していますが天狗の奥庭方面は岩場だらけで足に不安を抱える友人に負担の少ない方を選んで貰おうと思ったのですが友人は迷うことなく天狗の奥庭を目指すと言うので天狗の奥庭へ進みます。
分岐からいきなり急な下りになり、石車に乗っかりやすいので注意して進みます。
やっと急な下りが終わった辺りから岩場だらけの道が始まります。
またこの日は普段よりもかなり厳しい強風が吹き荒れ、体が飛ばされそうになります。
ただでさえ足に不安がある友人が心配ですが振り返ると私自身が飛ばされてしまうので注意してゆっくり進みます。
天狗の奥庭に着いた辺りから風が一段とキツくなり、もはや暴風です。
雨はとっくに上がっているのですが暴風のせいで私ですらまともに前に進めない状態です。
岩の間を通り抜けた先に一段と大きな岩場があります。
ここは風がかなりマシになるのでここで友人が来るのを待ちます。
さすがに暴風のせいでなかなか来ませんでしたがそれでも何とか辿り着いた友人に休憩を取るか?聞きますが友人がゆっくり歩いている方がいいと言うので先へ進みます。
ここから先は少し下ってすりばち池を右に見ながら平坦な道を進みます。
すりばち池の縁を回るように進むと少しづつ上りとなり、上りきった先に道標があります。
またここには黒百合ヒュッテから見ると鷲の頭に見える岩があります。
もうここまで来れば眼下に黒百合ヒュッテが見えて来ます。
ただし、ここから黒百合ヒュッテまでの道が岩場だらけの厳しい道なので注意してください。
私は下りきり黒百合ヒュッテのベンチから友人が来るのを待ちます。
ところが想定していた時間になっても友人の姿が見えないので心配になった私はもう一度岩場を登り返します。
ちょうど黒百合ヒュッテを見下ろせる辺りまで登ると友人が来たのでせめてザックでも持ってやろうと思い声をかけますが友人がありがたいけど断ると言います。
友人から言わせると人に持ってもらったり迷惑をかけるくらいなら最初に足をひねった段階で潔く撤退すると言います。
自分が行けると信じたからこそゆっくりでもここまで来ることが出来た、なのでワガママかもしれないけど最後まで完結させて欲しいと言うので逆らわずに従います。
確かに普通の人を連れて来ているのならまず今日の計画は白紙にしている事でしょう。
私が登ると踏み切ったのは相手が友人だからなので友人を信頼してここまで無事に来れたのだから最後まで邪魔はしません。
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(天狗の奥庭ですが暴風が吹き荒れて立っているのがやっとこさでした。)
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(一番風の影響が少ない場所で友人を待ちながらすり鉢池を眺めますが風で水が飛ばされています。)
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(天気が良ければすり鉢池のそばまで行きたかったのですがこの写真を撮るので精一杯でした。)
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(青天狗、赤天狗を振り返ります、こうして見ると立派な双耳峰だということがよくわかります。)
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(この岩がヒュッテから見ると鷲の頭のように見えます。)
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(一旦ヒュッテまで降りてから友人が心配でここまで迎えに来ましたが友人はひとりで完結しました。)
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(疲れた時は甘いものと言いますがここのおはぎは本当に美味しかったです。)

無事に降り切った我々は黒百合ヒュッテのおはぎとお茶で癒されます。
元々、本日の宿泊先だったので部屋に通してもらいます。
ちなみに数は少ないですが黒百合ヒュッテにも個室があります。
料金は+千円なので絶対個室がオススメです。(鍵はかかりませんが広いです。)
私は常日頃から計画する時にある程度の怪我も想定しているので医薬品の塗り薬と痛み止め(整骨院で頂けます)を持ち歩いているので早速友人に塗り薬を渡して塗らせます。
黒百合ヒュッテで美味しい夕食を食べて痛み止めを飲ませてあとは明日起きて様子を見る事にした我々は早々に就寝します。
明日からの山行は後編でお届けします。