うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山上ヶ岳・修行の旅

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今回は10月の3連休を利用して大峯奥駆道の一つである山上ヶ岳にいつもの友人と行ってきました。
本当は秋の紅葉を楽しむため御嶽山に行く予定だったのですがどうも天気がすっきりしない予報だったので予定を変更し山上ヶ岳に行くことになりました。
前日から洞川温泉に宿泊し周囲を散策して洞川温泉を満喫した我々は早朝、宿のご主人に見送られて出発します。
ちなみにですが洞川温泉には山上ヶ岳資料館がありますので時間に余裕があれば是非とも見学してください。
ここでは修験者(行者さんと近畿圏では親しみを込めて呼びます。)の方たちの過酷な修行や大峯奥駈道の総ルートを紹介したビデオが上映されています。
これを見てから登るのと見ないで登るのとでは雲泥の差がありますので是非ともご覧になることをオススメします。(大峯奥駈道の良さがよくわかります。)
それではコース案内です。
登山口までのアプローチは洞川温泉から車で清浄大橋まで行き大橋茶屋駐車場に車を停めて行くのと洞川温泉から歩いて行くのと二通りしかありません。
公共交通機関はありませんので注意してください。
ちなみに歩くと温泉街から約1時間半ほどかかるので車のほうが楽です。
早朝の場合、大橋茶屋は誰もいないので店の入口にあるポストに料金をいれてください。
その際、備え付けの封筒に車のナンバーと日帰りか宿泊かを書いてください。
(日帰り1000円、宿泊2000円の駐車料金が必要です。)
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(大橋茶屋さんです。右側の階段のところに封筒とポストがありますので車番と車種、日帰りか宿泊を記載して必要な料金を入れておいてあげてください。)

 用意ができたら茶屋の前をとおり大峯大橋(登山口)を目指します。
途中に登山届BOXがありますので必ず登山届を提出してください。
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(登山を志すのなら当たり前のことですが登山届は必ず提出しましょう。)

 大峯大橋を渡ると一見墓地のように見えますがここは修行場の一環なので石碑が立ち並びます。
その間を抜けるように石畳の道がありますので従い進みます。
すぐに山門が見えてきます。これが有名な女人結界門です。
ここから先は女性の方は入れませんので間違えてこないように注意してください。
女性は稲村ヶ岳に登られるとよいでしょう。(ここもとてもいい山です。)
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(大峰大橋です。一見すると墓地のようですが墓石ではなく石塔が立ち並んでいます。)
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(女人結界門です。女性は残念ですがここから先は入れませんので稲村ヶ岳を目指してください。)

 山門を抜けるといきなり山道になるので事前にストレッチなどで体をほぐしましょう。
気持ちの良い山道をしばらく進むと木の階段を上った先に広場があります。
元々茶屋があったのですが今は何もなく広場になっています。
このあたりで衣服の調整をするのもいいでしょうが我々はそのまま通り過ぎます。
ここからは素敵な山道となりそれほど斜度も無くハイキング感覚で歩ける気楽な道です。
洞辻茶屋まではこんな感じで進むため意外に思う方もいらっしゃると思います。
八経ヶ岳などは登山口にもよりますが最初から厳しい道が続くため初めてこられた方は奥駈け道の割には楽だな~と思いがちになるのですが・・・その分巻いているんです。
八経ヶ岳は直登で峯道まで行きますが山上ヶ岳は巻きながら進むため楽に感じるだけです。
その分距離が増えますので気をつけないとオーバーワークになります。
しばらく進むと一本松茶屋が見えてきます。
ここからすべての茶屋は名前だけではなくちゃんと存在します。
ただ、一般的な茶屋のイメージは登山道を邪魔しないようにひっそりと脇に佇んでいるイメージですがここは登山道の真上に建てられているので茶屋の中を通り抜けるような形になります。(すべての茶屋がこの形状です。)
敷地の問題もあるのでしょうがこれが実にありがたいです。
茶屋が営業しているしていないにかかわらず中で休むこともできますし風雨をしのげます。
使用させて貰うときは汚したりしないようにありがたく使わさせてもらってください。
一本松茶屋を抜けてしばらく進むとお助け水があります。
普段は塩ビのキャップで水を停めてあるのでキャップを外して水をいただきます。
結構な水量ですが最初の10秒くらいは我慢しましょう。(泥などの沈殿物が出ます。)
とてもおいしい水なのでぜひ飲んでみてください。
飲み終えたらキャップを必ずしておいてください。
また、ここには役行者の像が祀ってあったのですが心無い人に盗まれたらしく返して欲しいとの悲しい看板がありました。
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(この橋を渡った先がお助け水です。役行者の御像が祀られていたのですが何者かが盗んだそうです。)
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(道はとても歩きやすく素敵な道が続きます。)

 人として絶対にしてはいけないことなので山のものはたとえ草木でも石でも絶対に持ち帰らないでください。(持ち帰っていいのは思い出だけです。)
友人と一緒に憤慨しながら先へ進みます。
しばらく進むと峯道に出ます。
左へ進めば吉野へと続く大峯奥駈道、右はすぐに洞辻茶屋が見えています。
右へ進んだ我々は洞辻茶屋を抜けた先すぐにある大きな不動様に山行の安全を祈願します。
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(峯道に出ました。こちらへ進むと吉野方面となります。)
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(泥辻茶屋です。右にある石碑は皇太子徳仁親王がここまで来た記念碑です。)
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(泥辻茶屋を抜けた先にある、お不動様に山行の安全祈願をします。ちなみに私は仏像の中でも不動明王様が大好きでいろいろな土地にあるお不動様の写真を撮っています。)

ここから何軒かの茶屋を抜けると道が左右に分かれます。
左に進むと鐘掛岩方面ですがここからやっと道が急になるので今まで楽だな~と思っていた人は気を引き締めて登ってください。
わらじはきかえの碑あたりから急な木製の階段が延々と続きます。
階段がやっと終わったかな?と思うと鎖場付きの岩場が始まります。
ここが油こぼし、小鐘掛となりこの岩場を抜けると修験者の像が鐘掛岩を見上げています。
鐘掛岩は途中に展望台がありますのでまずはそこまで行き、景色を堪能します。
よくテレビなどではこの岩を修験者が登っていますがシーズン以外は鎖を外してあるため間違えても登ってはいけません。
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(この看板が見えたくらいから道が急になります。見所を抑えるなら当然左へ進みます。)
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(わらじはきかえの碑から急な階段が待ち受けています。)
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(あぶらこぼしの鎖場ですが鎖は使わなくても大丈夫です。)
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(鐘掛岩がその勇姿を見せてくれました。裏側から岩の上に立てるので無理して正面から登らないでください。)

 鐘掛岩の上には右の巻道から裏手に回り込むとちゃんとした道が設けてありそこからならお子さんでも登れるぐらいのしっかりした道になっているのでそこまで行ってから登りましょう。(でも、鎖場はあるので舐めない様にしてください。)
ちなみにですが5月から9月の23日まで開山されていますがシーズンを過ぎると誰も居ないため行場等に勝手に立ち入らないようにしてください。(命の危険があります。)
あくまでも修行の場所ですので入っても良いところだけ見学させていただくよう気をつけてください。(でないと登山者が入山禁止になります。)
鐘掛岩の上には役行者ともう一体(名前がわからない)の像が祀ってあり、手を合わせてから周囲の景色を楽しみます。
この日はいいお天気に恵まれ遠くの山々までが綺麗でした。
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(鐘掛岩の上に祀られている御像です。右は役行者ですが左は??左も役行者かな?)
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(鐘掛岩から今まで歩いてきた峯道を見下ろします。よく見ると各茶屋が見えます。)
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(遠くに稲村ヶ岳が見えます。ポコッと突き出ているのが大日山でその左側の高い山が稲村ヶ岳です。)

 鐘掛岩を辞し次の目的地である西の覗きを目指します。
途中にあるお亀石を見ながら等覺門をくぐり抜けると右手に進むよう案内が出ます。
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(階段の左側に石碑で囲まれているのがお亀石です。)
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(等覺門です。ここから少し行くと西の覗きへの案内看板があります。)

 従って右へ進むと西の覗きという石でできた碑と石像が出迎えてくれます。
西の覗きはこの石像の裏手にありますがかなり危険な場所なので身を乗り出したりしないよう安全を確保してから見学してください。
テレビでご覧になった方もいらっしゃるかとは思いますが捨身行という荒行の舞台ですので万が一、足を滑らせたりしたら確実に死ぬような場所です。
カメラ等も落とさないようストラップ等で保護しながら撮影してください。
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(西の覗きにつきました。)
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(こんな崖なので落ちないように気をつけて見学してください。)
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(シーズン中はこの岩から身を乗り出して修行します。)

 西の覗きを堪能した我々はいよいよ山頂を目指します。
途中にある宿坊に泊まりたいね~などと言いながら宿坊を後にしてまずは大峯山寺を目指します。
大峯山寺もシーズンが過ぎたため本堂の全てが雨戸で塞がれていますが趣はあります。
この本堂の裏手も修行の場所ですが先達(行者さんで案内してくださる方)が不在なので決して立ち入らないようにしてください。
どうしても行ってみたい方はシーズン中に訪れましょう。
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(素敵な宿坊です。是非ともシーズン中に訪れ、縦走の拠点にしたいです。
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大峯山寺へ向かう道は素敵な道です。)
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大峯山寺の山門です。)
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大峯山寺です。シーズンオフは閉鎖されていますがそれでも趣があります。)

 我々は境内から少し外れた場所でコーヒータイムにします。
この時点でまだ9:45くらいだったので稲村ヶ岳に行こうか?と相談しましたが次の日が仕事だったのと稲村ヶ岳に行くともう一度山上ヶ岳に戻らないと車が置いてある場所からかなり遠いところに下山してしまうのでそこから温泉に入って帰るとなると時間がかかるため今回は往復にして次回縦走することにしました。
そうなると急ぐ必要もなくなるためゆっくりと秋色に染まって行く景色を楽しんでから山頂を目指します。
大峯山寺から少し上がると広場になっており左手に熊笹を分けながら上がっていくと立派な石碑に守られた湧出岩が祀られており一等三角点はその前にあります。
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(山頂へはこの看板の右側の小径を進みます。)
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(湧出岩が祀られています。聖域ですので決して汚さないようにしましょう。)
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(見落としがちですが湧出岩の手前には一等三角点があります。)

 湧出岩を拝見し、三角点を写真に収めた我々は日本岩に向かいます。
途中、稲村ヶ岳への分岐を見送り進むと大きな棚状の岩があります。
これが日本岩で人が2~30人くらい乗れそうな大きな岩です。
しばらく雄大な景色を眺めていたら友人が少し早いけどお昼にしようと言ってきたので同意し雄大な景色を眺めながらお昼をいただきました。
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(日本岩です。結構大きいので大休憩にはもってこいです。)
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(柳屋さんで作っていただいたお昼ご飯をいただきます。雄大な景色を眺めながらの食事は最高です。)

ゆっくり休憩した我々は来た道を戻り、西の覗き、鐘掛岩をもう一度拝見してから下山しました。
途中、峰道の分岐手前でお会いした登山者の方から吉野への道でクマを見かけた人がいるという情報を得たので気を引き締めます。
不思議なのがこういう人の少ない山では鈴をつけない私が山頂で何故か鈴をつけなければいけない気持ちになってザックに鈴をつけて鳴らしながら下山していた事です。
友人が「山の神様が注意してくださったんや。」と言ったのでそばに祀られていたお不動様に感謝と下山の道中の安全祈願をお願いします。
ホッコリしながら下りて行くとお助け水を過ぎた辺りで行者さんと行き会います。
「ようお参り」と声をかけていただいたので「ようお参り…です。」とまあマヌケな返しをしてしまいました。
私は常日頃から行者さんを尊敬しているので「ようお参り」だけだと上から目線のような気がしてとっさに出た言葉ですがなんだかマヌケですね。(笑)
帰り道、本来なら洞川温泉でお風呂に入りたかったのですがこの日はいいお天気ということもあり観光客がすごくいたので混雑を避けるため帰路途中の下市温泉でお風呂を堪能してから帰路につきました。