うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

乗鞍岳と周辺の仲間たち

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今回はいつもの友人と乗鞍岳に行ってきました。
本当は前日の日曜日から笠ヶ岳に登る予定にしていたのですが雨がきつかったのと私がアクシデントから怪我をしてしまったので日曜日は予定を急遽変更して雨の上高地を探索してきました。
災い転じて福となすと言いますがおかげでいつも定宿にしている宿が雨でキャンセルがあり、温泉と美味しい料理を堪能した我々は翌日にかけます。
元々、私の登山の原点となった乗鞍岳は過去に何回も登っているのですがコロナ観測所がある摩利支天岳は立ち入り禁止の状態が続いていたため今回初めて登頂することができました。
また、以前は乗鞍スカイラインから車で乗り入れできたのですが今はマイカー規制のせいで朴の木平(ほおのきと読みます。)か平湯温泉からバスを利用しないと畳平まで行くことができませんので注意してください。
ちなみに朴の木平バスターミナルの前は登山者用の無料駐車場として解放されていますので利用して肩の小屋あたりで一泊すると有名な星空観察ができます。(約1500台収容)
(好きな人しか知りませんが乗鞍は日本でも有数の星が綺麗に見える場所です。)
それではコース案内です。
畳平についたらまずは深呼吸でもして高山に慣れましょう。
なぜなら朴の木平駐車場で約1234m、畳平2702mとその標高差は1500mもあるのに一気にバスで上がるので下手をするとバスの中で高山病を発症するくらいです。
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(畳平です。まずは高山になれるためしばらくここで滞在するといいでしょう。)

よく高山を登山する人ならともかく滅多に行かない方は要注意です。
また、おそらく日本で一番手軽に3000mの山を体感できる場所ですがなめてかかるとその分のしっぺ返しがきますので観光客のような振る舞いは謹んでください。
どんなにいいお天気でも防寒着は必ず用意してください。
山頂付近は強風が吹き荒れることが多いので飛ばされやすいものは持っていかないでください。
我々は朝食をとっていなかったのでターミナルの横の食堂で食事をとってからまずは剣ヶ峰を目指します。
遊歩道をまずはコロナ観測所方面に進んでいきます。(白く丸いドームがそれです。)
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(遊歩道を少し進むと先程までいた畳平と後ろに魔王岳が聳えます。)
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(駒草がきれいに咲いています。この季節は山々が光って見えます。)
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イワツメクサです。可愛いですね。昔は見向きもしなかった花々が今は愛おしいです。)
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イワヒバリですかね?私は子供の頃から動物に好かれ滅多なことでは逃げて行きません。)

しばらく進むと分岐となり右へ進めばコロナ観測所(摩利支天岳)へまっすぐ進めば肩の小屋方面になるのでまずはまっすぐ進みます。
途中、駒草が咲いていたりとこの季節が一番山が輝いている時期と言えます。
しばらく進むと左手に大雪渓が見えてきます、この時期山スキーを楽しめる数少ない場所なのですが・・・今年は異常な程、暑かったのでしょうね。雪の量が例年より大幅に少なく大雪渓というよりは中雪渓という感じでしたがそれでも多くのスキーヤーが楽しんでおられました。
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(雪渓は例年に比べると小さかったですがスキーを楽しむ方で賑わっていました。)
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(肩の小屋です。知る人ぞ知る星の観測ベースです。)

 微笑ましく見送りながら肩の小屋に到着すると既に大勢の方が休憩をとっておられました。
そしてここからが本格的な登山道となります。
直ぐに急登となるので足慣らしや高山に慣れていない方はしばらく軽いストレッチなどを肩の小屋でしてから登られた方がいいでしょう。
天候にもよりますが荷物は水と食料と防寒具があれば良いのでザックが重いようなら肩の小屋で預かってもらっても問題はありません。
ただし、ちゃんとした登山靴は履いてください、ガレ場とザレ場と岩場が交互に続く道です。
なめてかかると足を痛めますので気をつけてください。
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(剣ヶ峰(乗鞍岳)登山口です。山頂まで50分とありますが健脚の方のみです、普通に上がると1時間30分は見ておきましょう。)


 基本、どんな登山道でもそうですが休憩できる場所は登山道の邪魔にならない開けた場所が基準となります。
人の迷惑になりますので登山道で座り込まないようにしましょう。(立ち休憩は端で)
一人だけ注意しましたが登山道ではない岩場を人が邪魔だからと通っていた方がいましたが万が一、踏み外したら普通に登山道を歩いている方にぶつかり下手をすると滑落します。
気持ちがわからないでもないのですが自分だけの登山道ではないので譲り合いしましょう。
肩の小屋から山頂まで50分と書いてありますが普通の人は休憩も入れたら1時間30分は見ておいたほうがいいでしょう。
我々は荷物も軽いため軽快に上っていきます。
しばらく進むと尾根に出て目の前に綺麗な権現池が見えます。
この分岐を右へ進めば朝日岳(2975m分岐から10分かかるかかからないかで登れます。)左へ進めば剣ヶ峰なのですが??なんか間に小山が??なんだろうと思って進むと標高道標が立っており蚕玉岳と書いてあります。???昔こんなの無かった?
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朝日岳です。分岐から5~10分ほどで山頂に着きます。)
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(奥にそびえているのが剣が峰ですが手前に人だかりが?なんだろう?と思っているとここも山頂。)

 友人とそう話ししていたのですが昔はただの通過点でしかなかった小山が今は立派な山として存在感を出していることに感動を覚えつつ頂上小屋方面に向かいます。
ちなみに特に規制はないのですが本来のルートは頂上小屋から登頂して鳥居側から降りるのが普通なので出来ればそのようにしていただけると渋滞時の緩和になると思います。
これまたびっくりしたのが頂上小屋がリニューアルされてすごく綺麗になっていました。
ちなみに積雪時はこの小屋の屋根の上を歩いて山頂に向かいます。
山頂には乗鞍神社(結構立派な神社です。)があり、四神が祀られています。
(日の神、山の神、木の神、水の神)
お参りを済ませここでしか手に入らない頂上登拝と書かれた木札に大きな鈴がついたお守りを購入した我々は人が多くなってきたのでさっさと写真を撮って降りようとしたのですがひとりの女性(写真を撮ってくださった方)が「木曽駒ケ岳ってここから見えますか?」と聞かれたので知識をフル動員して教えてあげました。
次に行かれるんですか?とお聞きしたらなんと昨日登って今日はここに来たとのこと、山が好きな素敵な方でした。
山頂を辞した我々は山頂小屋の上の休憩所でコーヒーを満喫してから次の目的地である摩利支天岳を目指します。
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(剣ヶ峰山頂です。いつ来ても素敵な山です。)
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(このお守りが欲しくてこの山に登ったのが登山のきっかけでした。)
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(お守りをしっかり腰につけたらガンガン飛ばして次の山に向かいます。)

 山頂で買った鈴付きのお守りを鳴らしたくて腰につけた私たちは駆け下りるように下山します。
元々、よく知っている山なので登ってくる人や下る人に迷惑をかけないようにスピードを調整しながら駆け下りていたら子供さんに「天狗みたいな人がいる~」と言われたときは苦笑してしまいました。(すみません、先を急いでいました。全て見て回りたかったので。)
結果、上り40分下り20分で剣ヶ峰をクリアした我々は今回初となる摩利支天岳に向かいます。
この山は今までコロナ観測所が活動していたため一般人は立ち入り禁止の場所でした。
約2年ほど前に観測所が閉鎖されたため今は観測所のドームそばまで行くことができます。
この道は普通の林道なので特に気をつけるような場所はありませんがコロナ観測所の建屋などは立ち入り禁止なので入らないようにしてください。
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(コロナ観測所=摩利支天岳を目指してこの林道を進みます。)
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(摩利支天岳から剣が峰を望みます。ちなみに下に見えるのが肩の小屋です。)

ここからの乗鞍岳方面は圧巻の眺めですので是非登られることをオススメします。
しばらく景色を楽しんだ我々は次の富士見岳を目指します。
ここは摩利支天岳から分岐まで戻ったすぐ先に登山口があるので帰り道に立ち寄り易い山ですがこのあたりの山から一般の観光客も来られるのでマナーにうるさい方(私もですが)はイライラしないように心穏やかに登ってください。
まあ、普通に考えたら標高2817mを誇るすごい山なんですが畳平が2702mもあるため、一般の方でも直ぐに上れてしまいます。
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(富士見岳のケルン越しに摩利支天だけを望みます。観光客が多いので早々と撤退します。)

この日もマナーもへったくれも無い方が多くいたのですがビックリしたのがいくら登りやすいとは言え背広に革靴のおじさんが数名いたのが驚きでした。
ほっとくとどんどん集まってきそうなのでさっさと写真だけ撮って次の大黒岳を目指します。
大黒岳には富士見岳からバスターミナル方面に下り、県境の道を渡った先から登山口があるのでそこから登ります。
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(大黒岳登山口です。この日は天気が良かったので山道が空に突き抜けるようです。)
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(大黒岳山頂です。意外ですが我々以外誰もいませんでした。)
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(大黒岳から望む乗鞍岳です。こうして見るとやはり高山にきたな~と実感します。)

ここも観光客が多そうな雰囲気ですが意外とこちらへは来ないので穴場と言えます。
またこの大黒岳は横から見ると台形でカステラのような形であるため人気がないのかもしれません。(鋭角ではないですから)
ただ、この山は乗鞍岳烏帽子岳などが一望できるとても素敵な山ですし上には避難小屋に匹敵するほどしっかりとした休憩所もあるため意外と重宝する山です。
方位盤もあるので山座同定も楽しめます。
降り口は反対側にもありますがかなりアスファルトの道を戻ることになるためオススメはできません。
我々は来た道を引き返し畳平のお土産物屋さんまで戻り一旦休憩します。
そこのお土産物屋さんの看板おばあさんがいい人で我々に自家製の漬物を振舞ってくださいました。
美味しい漬物をいただき元気が出た我々は最後に魔王岳を目指します。
おそらくこの山が一番バスターミナルから近いため観光客が一番多い山となります。
ただ、結構な距離と階段が続くのでなめてかかるとえらい目にあいます。
しかも階段を上がってすぐ左側に山頂のような雰囲気で標高道標もたっていますがここは山頂ではありませんので注意してください。(道標には魔王園地と書いてあります。)
山頂へは階段を上がって右側へ進むと行くことができます。
少しの岩場を登ると標高道標があり、ちゃんと魔王岳2763mと記載されています。
そこから少し進むとこの先行き止まりとありますが緑のロープを越えないように気をつけて進めば恵比寿岳のすぐ近くまで行くことができるので興味のある方は行ってみてください。
ただし、絶対に緑のロープを越えないようにしてください。
乗鞍岳周辺はすっかり観光地となってしまいましたがこのあたりは自然の宝庫です。
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(魔王岳登山中に先程までいた大黒岳を撮ります。まるでカステラのような可愛い山です。)
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(目の前の山が恵比寿岳ですが崩落が進んでしまい今は登頂できません。残念です。)
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(緑のロープを越えないように気をつければこんなに恵比寿岳の近くまで近寄れます。)
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カモシカはこの崖を飛ぶように下って行きました。)
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カモシカは残念でしたがイワヒバリが慰めるようにそばまで来てくれました。ありがとう。)

 当然高山植物もたくさん自生していますがすごく弱いのです。
なので人が踏み荒らしてしまうと一発で枯れてしまいます。
この辺りまで来ると流石に観光客は来ないのでゆっくり自然を満喫することができます。
私は例によって嬉しくなってどんどん進んでいったのですが・・・・稜線に出た瞬間、ニホンカモシカと出会い頭になり(距離は約5m)お互いにその場を動けず、私がゆっくりカメラを取り出そうとしたのですがその気配でニホンカモシカが崖へ飛び降りてしまい写真に収めることができず残念な思いをしました。
しばらくその場で双眼鏡を駆使して探しましたがちらっと下っていく姿を見ただけでその後は見ることができませんでした。
その後、ターミナルに戻りバスに乗り込み朴の木平まで戻った我々は駐車場前の温泉で汗を流して帰路につきました。