うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

八ヶ岳(横岳・硫黄岳・赤岩の頭)後編

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前日に赤岳天望荘さんにお世話になったのですが晩ご飯の時に入口に置いてあるパソコンを見ていた人が「あ~明日雨か~~」と嘆いていたのでそちらを見ると山小屋のご主人も来て「う~~ん、残念ですけど明日は昼から本格的に降るみたいなので早い目に下山された方がいいですね~特に地蔵尾根は滑りますしね~」とアドバイスをされているのを見て普通なら不安になるところですがアホな我々は「今日、神様のお子さんを山頂までお連れしたから明日は大丈夫やろ。」となんともはや根拠のない理由から何の心配もせずぐっすり寝ました。
それではコース案内です。(後編の始まりです。)
朝、5時に起きた我々は早速窓の外を見るとどうでしょう。どピカンです。
友人は「ほ~ら、やっぱり山の神様がお礼をくれはったやろ?」と得意満面です。
私も同意して食事の順番を待ちます。
5時45分からでしたが早まって5時30分には食べることができたのでたくさん食べます。(基本、山行の時は結構食べます。)
もちろん、美味しかったのもありますので改めて赤岳天望荘さんには感謝です。
食事をとり終わって用意も済ませた我々は6:30頃に赤岳天望荘さんを出発します。
振り返ると赤岳天望荘さんの後ろに赤岳が朝日に照らされ聳えています。
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(赤岳天望荘さんから望む赤岳です。雄々しく聳えています。)

 嬉しくなった我々は意気揚々と進みます。
地蔵の頭はすぐそこなのですが写真を撮りまくっていたのでなかなか着きません。
普通に歩けば5分程度で着きます。
お地蔵さまにご挨拶して写真に収めたら二十三夜峰へ向かいます。

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(地蔵尾根の由来でもあるお地蔵さまにこれからの山行の無事を祈ります。)

ちなみにこの地蔵の頭から下山するルートが地蔵尾根と呼ばれ行者小屋に直結するのですが結構足場が悪く危険地帯も多いので上りよりも下りは慎重に進んでください。
二十三夜峰までは鎖場やはしごがあり、こちらも危険なエリアです。(特に雨の日)
朝から雨が降った場合、泊まった場所にもよりますが出来れば文三郎尾根から行者小屋に下るのが一番無難と言えます。(美濃戸口方面に行きたい方のみ)
おそらく各山小屋のご主人たちも地蔵尾根や奥の院越えはやめるように言うと思います。
それほど足場が悪いので簡単な気持ちでは入らないようにしましょう。
実際に行った方はご存知だと思いますが滑落で亡くなられた方の供養碑や神様の石などたくさんあります。気をつけましょうね。
二十三夜峰を無事に越えた我々は日ノ岳、鉾岳、石尊峰と順調に進んでいきます。
ちなみに横岳という山はありません。(一応最高峰が山頂扱いになっていますが。)
横岳は上に書いた各山々の総称です。(八ヶ岳と同じ意味です。)
各山には何も記載されていないので鎖場を越えたピークを順番に上に書いた順番で覚えておくと行った時に「ああ~この辺が鉾岳あたりかな?」などと位置関係が分かって楽しいです。
登山する人が(我々もですが)奥の院と呼んでいるところが横岳の主峰となり標高は2829mとなります。(標高看板も横岳山頂の看板もあるのでわかりやすいです。)
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(目の前が奥の院(横岳)ですがご覧のとおりはしごがあります。ここまでにも鎖場やはしごがたくさんあります。)
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(横岳山頂です。ご覧のとおり狭い岩場ですので景色を楽しんだらさっさと通過しましょう。)
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奥の院最大の難所、カニの横ばいです。鎖に頼りすぎず足元を確保しながら進みましょう。)

ここの山頂から赤岳や阿弥陀岳が綺麗に見えるので絶好の写真スポットですが山頂はそんなに広くないので人が多いときは譲り合いをしましょう。
間違えてもお弁当を広げてはいけません。(迷惑です。)
特に横岳で気を抜くとその先には最大の難所であるカニの横ばいが待っています。
高所恐怖症の方には大変つらい足元がほとんど足がかりのない場所を横に張られた鎖一本を頼りに越えていきます。(鎖に頼り過ぎないように。)
ここさえ越えてしまえば岩稜地帯とも別れを告げますので気は楽になりますが意外とこのあたりで転倒事故が多いので気は抜かないようにしましょう。
台座の頭と呼ばれる岩稜地帯を右手に見送ると下り坂となり、足元がザレ場になってくるので足が疲れた方は台座の頭あたりで小休憩を取るのもいいでしょう。(そこそこ広いです。)
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奥の院を越えれば途端に道は歩きやすくなりますが意外とこんなところで転倒事故が多発しています。)
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(台座の頭です。結構広いので疲れた方は休憩するといいでしょう。)
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(台座の頭から奥の院を振り返ります。ちなみに硫黄岳から赤岳を目指す方が難易度は高いです。)
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(硫黄岳と硫黄岳山荘が見えてきましたがこのあたりからザレ場なので足を滑らさないように。)
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(硫黄岳山荘の敷地内には駒草神社がありますので参拝しておきましょう。)
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(硫黄岳山荘さんです。ここのご主人はとても良い人で話が弾みました。)

 下りきった鞍部には硫黄岳山荘がありますし駒草神社もあるので休憩はそこまで我慢するのも手です。(トイレは水洗ですよ。)
駒草神社で難所を無事に越えられたことといいお天気にしてくださったことを山の神様に感謝してから硫黄岳山荘に立ち寄ります。
ここのご主人はとてもいい方なので硫黄岳方面に行かれる方はここの山荘を拠点にするといいでしょう。
我々はここでジュースを飲み、ゆったりと休憩します。(本当はペースが早すぎて時間調整していただけなんですが・・・)
ご主人といろいろお話をさせていただき有意義な時間を過ごした我々はいよいよ本日のメインである硫黄岳を目指します。
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(このケルンは濃霧時の道しるべとなります。ケルンを追うように進めば山頂に到達します。)
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(ケルンの上にイワヒバリが居ました。ちなみに不思議と私は動物に好かれ見かけてもあまり逃げません。)
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(硫黄岳山頂です。奥に見えるのは昔の避難小屋です。もちろん緊急時は使用しても構いません。)
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(これが超有名な爆裂火口壁です。自然の驚異が目の前に広がり圧巻です。)

この硫黄岳は我々の登山の原点とも言っていいくらいの山でまだ何も知識がなかった頃に年柄年中入れる露天風呂の中で最高の地点にある温泉(本沢温泉)があると友人が言い出し何の予備知識もなくここまできたのが本格的な登山の始まりでした。
若かったこともあり、あまりにもあっさりと硫黄岳に立てたことで天狗になった我々は西穂高で恐ろしい目にあい、そこから真剣に登山に取り組むようになったといういきさつがあります。
友人とそんな思い出を語らいながらここでコーヒータイムを取ります。
しばらく山頂で写真を撮りまくったり喋ったりしながら改めて山の魅力を満喫した我々はようやく重い腰を上げて下山を開始します。
避難小屋の左前(赤岳側)に一際大きなケルンがありそのケルンに道標がはめ込まれており、赤岩の頭方面を示唆しているので従い、下りていきます。
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(このケルンに従い、赤岩の頭を目指します。)
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(赤岩の頭手前のケルンから通ってきた山々を望みます。このケルンの上の岩は一見、お地蔵さまに見えます。)

 直ぐに岩稜地帯となり鎖もあるような場所なので慎重に下りていきます。
ここを下りきると白い砂地のザレ場が赤岩の頭まで続くので足を滑らさないように下りていきます。
鞍部手前に大きなケルンがあるのですが一番上に乗っているのはただの岩ですがなぜかお地蔵さまのように見えます。
また、このケルン越しに赤岳などを眺めると山に来た~と思わせてくれるような絶好の写真スポットです。(登山道は開けて写真を撮りましょう。)
そこから少し下りたところが鞍部となり分岐にもなっています。
オーレン小屋経由で夏沢鉱泉に行かれる方はこの分岐に従ってください。
ほかの方々はここでそれぞれのルートに分かれていきますがなぜか赤岩の頭山頂へは行かない方ばかりでした。
我々はほんの少し上れば行けることもあり赤岩の頭山頂に行きました。
といっても道標の柱に「赤岩の頭山頂」と記されているぐらいで三角点はおろか標高看板もありませんがここからだと峰の松目という山が見れますし赤岳も綺麗に見えるのでこのピークに立つことをオススメします。
ちなみにここから峰の松目を経由してオーレン小屋に行けますのでこういうプランで山行計画を立てるのも面白いと思います。
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(赤岩の頭にある分岐です。オーレン小屋方面、赤岳鉱泉方面へ行けますが少し奥に見える小高い丘陵が赤岩の頭山頂なので是非とも行ってみてください。)

 我々は今回、茅野駅から高速バスを予約していた関係でどうしても美濃戸口方面へ下らなければならなかったのですがもっとうまく計画を立てていたら自由に散策できたなと次の課題を友人と語らいました。
山頂を満喫した我々はいよいよ本当に八ヶ岳に別れを告げて下山します。
先ほどの分岐まで戻り、赤岳鉱泉方面へ下山していきます。
ドンドン標高が下がっていき、あっという間に樹林帯へ入っていきます。
もう山を眺めながら歩くということもできないのでひたすら下山に集中します。
このあたりは大小さまざまな岩がゴロゴロしており下手に乗っかってしまうと足をぐねる可能性がありますので出来るだけ平坦なところを選んで歩きましょう。
また、それなりに斜度があるので足が疲れてきている方は広い場所(あまりないですが)で小休憩を取りながらゆっくり下りましょう。
途中でお話しだしたご婦人と下山しているとすぐ近くで鳥のさえずりが聞こえます。
友人と「どこから聞こえる?」とあたりを見回しているとご婦人が見つけてくださったのでしばらく眺めてました。(可愛い鳥でしたが名前がわからない・・・残念。)
たわいもない会話をしながら楽しく下りていくとやがて沢と合流しそこに道標があります。
ここまでくれば赤岳鉱泉はすぐそこです。
赤岳鉱泉についた我々はご飯を食べるか悩みましたがまだ10時半だったこともあり、小休憩だけに止め、下山します。
ちなみにこの赤岳鉱泉は冬季には小屋の前にアイスキャンディーと呼ばれる巨大な氷の壁があります。(毎日水をかけて徐々に大きくしていく赤岳鉱泉名物のアイスクライミング練習用の氷の壁です。)今は気温も上がり、見る影もないほど小さくなっていました。
小屋の右端から下山していきます。
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(赤岳鉱泉です。結構山小屋らしからぬ料理が有名です。ステーキもありますよ。)
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(赤岳鉱泉名物アイスキャンデーも季節が進むと見る影もありません。)
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(沢を渡渉する橋の上から大同心を眺めます。)
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(こんな素敵な道を進みます。木製の橋が続くのでストックはしまいましょう。)

ここからは何回も沢を渡渉していくのですが全て木製の橋を渡るので実際に沢に入ることはありません。(増水時は左側の高巻き用の道を進んでください。)
沢を渡る橋から赤岳方面を振り返るとちょうど大同心が綺麗に見える場所が何箇所かありますので人が来ないことを確認して写真に収めます。
途中で元気よく下山してきた歩荷さんに抜かされますが歩荷さんもこれから暑くなっていくので大変だと思います。(背負子も風を通しませんしね。)
綺麗で楽しい沢沿いの道も堰堤で終了を迎えます。
この堰堤の先を右に渡ればそこからは林道になります。
もちろん足元は土なのですがなぜか人工的な感じがして一気に山から下界に下りた感じが否めません。
そこからしばらく行くと少しずつ周りが幻想的となり(ジブリの世界観といえば伝わるかな?)左側の大きな夫婦杉の間に小さな祠が祀られています。
ここが山の神様を祀っている祠で山岳地図にも載っています。
我々は無事に下山できたことを感謝して祠を後にします。
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よく気をつけていないと見過ごしますが山の神様が祀られています。山行の無事を感謝します。)
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(この道を進めば林道をショートカットできますが地図とコンパスは必須です。)
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(ショートカットをしない場合はこの林道をひたすら下ります。)
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(長かった林道もこの左カーブを曲がれば馴染みのある景色に出ます。)
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(美濃戸山荘さんが見えてきました。我々の楽しかった山行もフィナーレが近づきました。)

 祠から少し行くと右側に山へ入っていく道(特に道標はないので自信のない方やコンパスを持っていない、読図ができない方は入らない方がいいでしょう。)があり、この道を利用すると林道歩きを約10分ほどショートカット出来ます。
距離で言えば1km以上は短縮できます。
一応、入口は写真にアップしておきましたが入る際は自己責任でお願いします。
山道は当たり前ですがちゃんとした道(入っても良い道。)なので踏み入れるのは何も問題はありません。(ガイドブックや山岳地図にも載っています。)
我々はショートカットがしたかったわけではなく林道歩きに飽きてきていたので迷わず山道を選びました。(やっぱり山道の方が楽しいです。)
林道と合流すれば美濃戸山荘まですぐです。
最後に大きく左へ曲がると美濃戸山荘が見えてきます。
ここでも休憩するか迷いましたがお風呂に入りたかった我々は水だけ頂き、スルーします。
ここからは林道をひたすら歩き、赤岳山荘、やまのこ村を越えて八ヶ岳山荘へ向かいます。
行きはわからなかったのですが途中で何箇所か山道に入り、結構ショートカットできるような道があるのですが地形図がないとどのあたりに出るのかわからないので素直に林道を歩きます。(このあたりから結構車が往来するので気をつけてください。)
午後1時に八ヶ岳山荘についた我々はお風呂に入り、美味しい食事と生ビールを堪能して帰路につきました。