うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

八ヶ岳(阿弥陀岳、中岳、赤岳)前編

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今回はいつもの友人と約1カ月前から計画して八ヶ岳に行ってきました。
八ヶ岳は総称なので山慣れた人なら「八ヶ岳の何処に行ったの?」と必ず聞いてくるので山名は言えるようにしておきましょう。
我々の計画は美濃戸口から行者小屋を経由して阿弥陀岳に登り、そこから中岳、赤岳と登る予定です。
二日目は後編でお届けします。
前日の10日、京都駅を午後23時発の夜行高速バスで茅野駅に向かいます。
夜行バスでの移動は一見楽な感じがしますが実はあまり眠れず、しかも足が浮腫むので対策が必要です。
普通なら靴を脱いでくつろぐのでしょうが、登山の事を考えると登山靴の靴ヒモは緩めず靴も脱がずそのまま眠れなくても目を閉じて過ごすのがいいでしょう。
足が浮腫むと翌日は靴が履けないか、履けてもかなり痛くとてもじゃないですが歩くのがツラくなります。
ところが靴を履いたままで過ごせばそれ以上浮腫まないので少し慣らしてあげるとすぐに歩けます。
目を閉じていれば眠れなくても体は休まりますしウトウトは出来るのでかなり楽になります。
登山の最大の敵は寝不足なので出来るだけリラックスしておきましょう。
それではコース案内です。
茅野駅に6:30に着いた我々は身体をほぐしトイレに行ってからタクシーに乗り込みます。
途中でコンビニに寄ってもらい朝ごはんを買います。
美濃戸口バス停までの時間は約30分くらいで料金は5500円前後ですが茅野駅から美濃戸口バス停までのバスは始発が8:45なので駅で2時間ほど待たなければいけません。
人数にもよりますがバス利用でも1人あたり930円かかるので4人くらいいれば1人あたり1500円もあればおつりが来ます。
少しでも安くあげたいのならオススメしませんが美濃戸口バス停に着くのがバス利用なら9:20頃になるので初日が赤岳鉱泉か行者小屋泊まりになるため行動範囲が狭まります。
タクシー利用なら遅くても7:30くらいには美濃戸口を出発出来るのでオススメです。
我々は八ヶ岳山荘前で朝食を食べ、登山届を提出してから出発しました。
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(登山届は必ず出しましょう。自分のためにも、家族のためにも)

 八ヶ岳山荘の左側の道を進むのですが真っ直ぐと左の道に分かれるので左の道を進みます。
ここからは林道歩きとなり、約一時間ほど続きます。
一旦、下って柳川を渡りそこから登り返すと長々とした林道がやまの子山荘まで続きます。
この間は林道とはいえ結構車が往来するので引っ掛けられないように気をつけてください。
やまの子山荘から少し進むと赤岳山荘があり、その先から車止めとなりやっと車が来なくなります。
少し進むと左側に美濃戸山荘があり、水場(美味しい水です。)があるので水を補給しておきましょう。
冷たくて美味しい水を飲んだら山荘の目の前にある案内看板に従い、南沢に進みます。
ここからが本当の登山口になり、山道となるので足元も悪くなります。
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(美濃戸山荘さんの前に登山口があります。)

でも、苔生した清々しい山道なので楽しく登れます。
道迷いを防ぐのと侵入防止のため緑色のロープで山道を明示してあるので従い、登ります。
しばらく進むと少しずつ、しかし確実に傾斜がキツくなっていくのでペース配分を考えながら登りましょう。
ちなみに美濃戸山荘から行者小屋まで地図上のコースタイムは2時間になっているので普通の脚力なら2.5時間ほど見ておくといいでしょう。
ジグザグに急坂を登って行くと右側に沢が見え隠れするくらいで左側にお不動様が祀られています。
これからの山行の無事を祈願して先へと進みます。
そこからしばらく進むと河原に出て目の前に山が見えて来ます。大同心から横岳あたりを見ながらすぐに山道に戻りますがこの辺りから平坦になってくるので気軽に歩けます。
友人と良い天気なことを喜んでいると目の前を突然シカが横切りました。
ビックリしましたが可愛いかったので目で後を追うとわずか10mほど先でこちらを珍しそうに振り返ってくれたので写真に収めました。(可愛い雌鹿でした。)
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(いきなり鹿が現れました。まだ子供なのでしょう、好奇心からこちらをずっと見ていました。)

そこから少し進むとまた河原に出ますが今度は赤岳や阿弥陀岳が目の前に聳えます。
ここまで来れば行者小屋はすぐそこです。
10時くらいに行者小屋に着いた我々はお腹も空いたのでカレーを食べました。
ちなみに赤岳や阿弥陀岳を目指して歩くなら各小屋を有効活用すれば食糧は非常食だけ持てばいいので楽ちんです。(もちろんテント泊は別ですが。)
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(行者小屋からみる大同心と奥の院です。今からワクワクします。)

 八ヶ岳周辺は山小屋が豊富にあるので水場や食糧、急な宿泊にも対応してくれるので助かります。
でも、無理な計画は自分だけではなく周りにも迷惑をかけるので綿密な計画で挑みましょう。
ゆっくりと行者小屋で休憩を取った我々は阿弥陀岳を目指します。
行者小屋の前にあるテント場を通り過ぎて緩やかな山道を上って行くと文三郎尾根との分岐に出ますが今回は阿弥陀岳に向かうので右へ進みます。
最初の方こそ緩やかな山道ですがすぐに急登となるので足が弱い人はゆっくりと登ってください。
道幅が狭いので休憩をするような場所はあまりありませんがところどころに少し広くなった場所はあるのでそこまではガマンしてください。
急登をクリアすると山肌を左に巻くような傾斜が少し緩やかになった道に変わるので息を整えながら登りましょう。
もう、この辺りから2000mは越えているので空気が薄くなって来ます。
普段あまり運動していない人は早ければ中岳のコルあたりで高山病にかかる可能性があります。
意識してゆっくりと登ってください。
中岳のコルが見えて来たあたりにこのルート最大の難所である鎖場が現れます。
斜度も結構キツく足元が滑りやすいので注意してください。
そこから少し進むと中岳のコルに着きます。
ここで軽く休憩を取って体制を整えたら荷物を登山道の邪魔にならない場所に置いて身軽になって阿弥陀岳を目指しましょう。
阿弥陀岳はいきなりハシゴや岩場が連続するタイトな登りですので慎重に進みます。
特に足元が滑りやすいので天気がいい日でも油断しないでください。
ガンバって登った先には360°のパノラマが広がる……はずなのですが……辺りいちめんガスに覆われ視界はわずか3m程度……こんなはずでは……おそらくみなさん同じ思いだったのでしょう。
諦めてサッサと下りる人、口惜しそうに佇む人、私はもともとここに祀られているお地蔵様の写真に惹かれてここに来たので先ずはお地蔵様の写真を撮ってから一生懸命祈りました。
周り人はそんな私に同情したりしながらドンドン下りて行きます。
まあ、風も吹いていないのでそんな簡単に晴れるはずも無いのですが……祈りが通じたのか?
風も無いのに徐々にガスが晴れていくではありませんか?最初は笑って見ていた友人も慌てて祈りだし、周囲の人も右へならえをして祈りだしました。
おかげでわずか10分くらいですっかりガスもなくなり景色を堪能することが出来ました。
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(中岳のコルから阿弥陀岳を見上げます。)
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阿弥陀岳の途中にはハシゴ場もあります。慎重に進みましょう。)
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(せっかく山頂に到達したのにあたり一面のガス・・・このお地蔵さまに晴らしてくださいと祈ります。)
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(するとわずか10分ほどで風もないのに見事に晴れてくれました。感謝です。)

 奇跡ってあるもんやな〜〜と友人と語らいながら阿弥陀岳を後にした我々は荷物を回収して中岳を目指します。
中岳は赤岳と阿弥陀岳に挟まれた小さなピークですがしっかりと山頂がある山です。
中岳山頂からこれから登る赤岳を眺め、阿弥陀岳を振り返り景色を堪能します。
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(中岳山頂から赤岳を望みます。結構な斜度と道のりがありますので無理をしないようにしてください。)

 元気よく中岳の斜面を下り、平坦になったところにあるケルンを越えた瞬間でした……⁉️いきなり荷物が重くなり、しかもそれが我々2人同時だったので思わず声に出してしまいました。
友人もお前もか?と聞きますし私も訳が分からず戸惑いますが仕方がないのでそのまま登ります。
ここから赤岳山頂までは結構な斜度と岩場、鎖場、ハシゴが待ち受けているのでこんな感じではバテるんじゃ無いか?と不安になりますがゆっくりと登って行きます。
やがて本日最大の難所である鎖場、岩場の連続する場所に来ると我々の先を歩いていた方がかなり苦しそうだったのでゆっくりと登ってくださいと伝えたのですが後ろに人がいるとプレッシャーなのでしょうね。
なんとか先を譲ろうとされるのですがこんな狭い岩場では危険なので待ってるからゆっくりと登ってくださいと伝え、後ろの方に目配せしてその場で立ち止まりました。(後ろの方、ありがとうございました。)
後ろの方が良い方だったので良かったですがこんな狭い岩場では危険なので絶対に急かせてはいけません。
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(結構な急登を登ってきた先にはこのような鎖場が待ち構えています。ここから先は要注意です。)

なんとか登って山頂に着いた途端、急に荷物が軽くなりました。
思わず友人の方を見ると友人も同じだったようで軽くなった〜〜〜と言いました。
ビックリした我々はお互いの顔を見合わせ笑いだします。
横で休憩を取っていた山ガールがどうしたんですか?と聞いて来たので軽く説明すると感動しておられました。
素敵な山ガールの方とお話出来た我々は元気になり、南峰の三角点を踏み、写真を撮ってから北峰に向かいます。
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(南峰から北峰を望みます、まだまだ気を抜いてはいけません。)
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(北峰から本日の宿泊先である赤岳展望荘さんを見下ろします。近いようですが結構あります。)

 北峰でコーヒータイムにした我々はゆっくりと時間を満喫してから本日の宿である赤岳天望荘に向かいます。
北峰から赤岳天望荘までは約30分くらいですが足元がザレ場で滑りやすいので注意して下りて行きます。
予定通り午後3時半に着いた我々は部屋に荷物を置いてから生ビールを買って山々を眺めながら乾杯します。
途中で知りあった男性がお風呂があることを教えてくださったので早速お風呂に入ります。
五右衛門風呂ですがゆうに5人は入れるのでゆったりとお風呂を満喫しました。
疲れを癒して美味しい晩御飯をいただいた我々は6時半には就寝します。
途中、9時半くらいに一回トイレで起きた以外は朝までグッスリ眠れました。
明日は奥の院、横岳を経由して硫黄岳に向かいます。お疲れ様でした。