うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(雨の立山)


ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ

またもやご無沙汰になってしまったうめぞーです。
前回のテント泊・・・最後の上級者編、上級者としての心構えや装備の概要を期待していた方、ごめんなさいね。
結構、初級者や中級者編をガッツリ書いたので上級者編も同じように書くべきだったんでしょうし実際私も最初はそう思っていました。
が、もう上級者となっておられる方に今更という気持ちにもなって私のスタイルをお伝えしました。
まあ、需要があれば詳しくお伝えすることにします。

皆さんは自明の理という言葉をご存知ですか?早い話が説明いらないでしょというのが自明の理なんです。
例えば10階建てのビルから墜落したら死ぬよね?そりゃ自明の理だろ。って感じで使います。
何故スタートからこんな話なのか?実はこの前立山でお会いしたいろんな方を見てたらふとこの言葉が頭に浮かんだんで今回はこの言葉を中心に進めようと思います。
9月の三連休・・・どこもかしこも台風の影響で大変でしたね。
我々もそんな中、立山に行ってきました。
ゴリラーマンは基本土曜日は仕事が多いため本当は土曜の夜から出かけるはずだったんですがゴリラーマンの部下が子供の出産の立会で代わってほしいとのことで珍しく土曜の朝から出かけることができました。
行きは雨も降らず「このまま天気もってほしいな~」などと言いながら順調に進み称名滝を見に行くことができました。
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(曇天もようでしたが称名滝を見てきました。落差は日本一の350mです。)

で、いつものようにゴリラーマンが宿を手配してくれてたので見学を終えた我々は一路宿を目指します。
ちなみにですがざっくり岐阜くらいをめどに東はゴリラーマンが西は私が手配を行うことにしています。
なので熊野古道や四国、九州方面は私がアルプス系は友人がそれぞれルートや宿を担当しています。
もちろん山小屋の手配も担当が行うので何の心配もいらないのですが・・・・・
今回の宿・・・・久しぶりの外れ・・・・もうその宿に迷惑がかかるので名前も伏せて写真も掲載しませんが・・・
まず、外観・・・・はっきり言って廃墟一歩手前・・・宿についたとき思わず私が「マジか?・・・・」と言葉を失うほどの外観。
私の性格から多少ボロくてもなかなか文句を言ったりしないのですが文句を言う前に言葉を失いました。
まあ、それでも中が綺麗ならいいかと気を取り直して中へ入ると・・・外観通り・・・L(゚□゚)」オーマイガ!
まあ、女将さんが気のいい人なので少し癒され部屋に入ります。
部屋もなんとなくくすんでいて自称霊感の強い人なら何か言いそうな部屋・・・まあ、我々は気にしない性格なので荷物を片して風呂に向かいます。
先客の親子と一緒に入るともういっぱいの家族ぶろでしたが親子がちょうど出るところだったのでほとんど入れ違い、おまけに貸切とあってゆうゆう風呂に入るはずが・・・・お湯少な!!長方形のタイル張り(横幅3mくらい)の湯船に50cmあるかないかのお湯・・・友人に湯を出すよう督促して待ちますが下手に湯船が大きいのでなかなか溜まらない。
かわいそうに我々の前に入っていた親子が全くお湯のない状態からここまで張ってもう嫌になって出たんでしょうね。
普通ね、お客さんが来るのわかっているんだからお湯くらい張るでしょう?自明の理ですよ。
で、湯が溜まるまで我々も体を洗い待ちます。
やっと溜まったのでなんとか入りほっこりして出るときに次の客が・・・・「あっつい・・・」ごめんなさいね。
部屋で涼んでテレビを見ていたら右手に鋭い痛みが??どうもダニかノミがいるみたいでそういえばよく見ると部屋の壁も穴だらけでそこらじゅう紙が貼りまくり・・・ヾ(・∀・;)オイオイどうなってるの?
まあ、飯食ってビールでも飲んでさっさと寝ようということになり食堂へ降ります。
名前を告げて席に着くと普通はおかずや味噌汁を並べていくはずがここのおばはん(敢えておばはんと呼びます、それくらいの価値しかないおよそ客商売には向かない人なので・・・)おそらく女将さんの兄弟か何か?
でも性格は大違いでぶあいその上にやる気0%・・・私が「味噌汁ないの?」と聞くとめんどくさそうにもってくる始末・・・おまけにご飯も山小屋の方がよっぽどうまい・・・まあ、腹を満たし、ビールも飲んだので部屋に戻ります。
虫に怯えながらなんとか眠り翌朝・・・朝から土砂降りの雨・・・テンションはダダ下がりですがそれでも朝食を食べに食堂へ向かいます。
席に着くなりぶあいそなおばはんが「お兄ちゃん、昨日忘れてたわ、ゴメンな~」と言いながら大きな魚の煮付けを出してきました。
そうなんです、昨日隣の席の方には魚がついていたんですが我々には無く、よくあるのがオプションで頼まれる方もいるので特には気にしていなかったのですが・・・まさか出すのを忘れていたとは・・・
朝食にはつきもののメザシの横にでで~んと昨日の残り物が並ぶ光景・・・なんともはやです。
流石に「朝からキツいやろ~」と私が言うとおばはん曰く「富山では朝から魚は当たり前。」シレっとカマしました。
いや~普通はね、謝るやろ?ここでもまた自明の理がちらつきます。
友人は言葉にこそ出しませんでしたが相当に頭にきていたようで魚には一切手をつけずに宿をあとにしました。
ゆっくりとした口調で私に謝ったあと、「二度と泊まらん。」吐き捨てるように言ったのが印象的でした。

気を取り直した我々は立山へ向かうべくケーブルに乗り込み、バスに乗り継いで室堂へ着きます。
室堂では登山計画書を出すよう促され用意してきた計画書を提出しました。
当初は縦走予定でしたが受付の方から「無理だと思われたら雄山の往復でお願いします。」と言われ天候も悪かったので「そうします。」と返事しました。
やはり計画はあくまでも計画であり押し切ることでもないのでここでも自明の理というキーワードがちらつきます。
雨具に身を固め外に出ると結構荒れています。
とりあえず雄山を目指し歩き出しますが室堂から一ノ越までは石畳の隙間をコンクリートで固めた道でアプローチと言ってもいい道なのですがこの日は雨が強く道のあちこちが滝のようになっており足を滑らせて転倒する方を何人も見かけました。
でもね、雨が降っていて道が滝のようになっていればそれなりの歩き方をしなければ滑るのは自明の理ですよ。
普通の街歩きみたいな歩き方をする人の多いこと多いこと。
確かに傘をさせばかなり楽でしょうが街中でも風がキツイと飛ばされるでしょ?ましてや山でする行為ではありませんよね?
傘をさせるような状況というのは風が無くて平地に近い状況でないといくらアプローチのような道とは言え一応山道なのでそこは本当の意味での自己責任です。
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(一ノ越手前にある祓堂です。よく見るとわかりますが雨が横殴りに降っています。)

祓堂(お地蔵様が祀ってあります。)についた頃には雨風が激しくなってきたので友人と雄山の往復に予定を変更します。
我々の本来の予定は雄山⇒大汝山⇒富士ノ折立⇒真砂岳別山から雷鳥沢を経由して宿泊地に向かう予定(総行程約6時間)だったんですが流石にこれは無理があったので半分の予定(真砂岳から大走り経由で下山するという)も検討していたのですが・・・・まず雄山⇒大汝山ここまでの距離はしれていますが稜線が狭く左右が切り立っているため風でバランスを崩すと滑落の危険もあるので雄山への往復でやめようと決めました。
こういう決断は出来るだけ早く決めて一旦決めたらブレないでおきましょう。
優柔不断な人ほど気を付けないと山での決断は時には命に関わります。
チャンスはいくらでもありますので無理は絶対にしないでおきましょう。
何遍も言っていますが家族や大切な人を悲しませるのは人として摂理に反します。
自分に何かあったら・・・・家族や大切な人が悲しむのは・・・これこそ自明の理ですよ。
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(一ノ越で軽く休憩しているときに撮りました。流石に登山客も少ないです。)

一ノ越で軽く休憩して急ぐ必要もなくなった我々はゆっくり登ることを心がけます。
雨が降ると雨具を着用しますがこれが曲者、経験がある人にはわかると思いますが汗がこもると体が冷えて山頂付近では凍えることになります。
もちろんガンガン登っているときはいいんです。体温も上昇していますし暑いくらいでしょう。
問題は山頂で休憩した時です。
着替えを持っているのなら躊躇しないで着替えましょう。(女性はトイレ等を活用しましょう。)
問題は雨風をしのぐことが出来ない場所(山頂に何も施設がない場合。)です。
もちろん雨が降っているのに休憩もしないでしょうが問題はそこから下るということです。
上りと違い下りは体温が上昇しにくいのです。
言い換えればドンドン体が冷えていくのです。
これが低体温症を引き起こすのです。
山での遭難は何も滑落や道迷いだけではありません。低体温症で年間に亡くなっている方は意外と多いのです。
なので雨の日には雨の日なりの上り方があります。
急ぐ必要がないのであれば出来るだけ汗をかかないように心がけゆっくり登りましょう。
もちろんウェアの性能もありますのでここはケチらずいいものを買いましょう。
ゴアテックスで通気性が良く、軽くて強い素材のものが重宝します。
それでも健脚な我々は途中、カップルを追い抜いて山頂に着きます。
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(山頂にある三角点です。もちろんこのあとそっと足を掛けさせていただきました。)

山頂を満喫した我々は雄山神社に参拝します。
ここは晴れた日なら山頂の社で神主さんに祝詞をあげて頂けるのですが今回は大雨だったので山頂にある社務所の中であげていただきました。(祈祷代金500円神社参拝料含む。)
お土産を買い、カップヌードル(お湯込みで500円)を美味しく頂いた我々はゆっくり休憩を取ってから来た道を引き返します。
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(雨もやの中、先を進むのはわが友、ゴリラーマンです。こんな日に参拝するのは我々くらいです。)
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雄山神社です。無事に登頂できたことを山の神様に感謝します。)

ゆっくりと雄山を楽しみ周辺の景色も楽しみながら降りて行き本日の宿泊地であるロッジ立山連峰さんを目指します。
途中、雷鳥荘さんを越えたあたりで「ゲコゲコ」と声が聞こえたので周囲を見渡すと・・・
居ました・・雷鳥です。
ここ最近、生息数が減ったのか昔は乗鞍岳でもよく見かけたのに前回は見ることができず寂しかったのですが流石立山雷鳥がたくさんいて安心しました。
ちなみに知らない方もいらっしゃるので雷鳥の鳴き声をお教えするとまさしくガマガエルです。
可憐な姿からは想像もつきませんがカエルです。
私も登山を始めた当初は分からず、冬山なのに何故カエルの声がするのか不思議でした。
その時声のする方を見ると雷鳥がいたのでびっくりした思い出があります。
雷鳥を驚かさないよう友人としばらく観察しているとどうもその辺に巣を構えているようでした。
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(このあたりで雷鳥を見かけました。巣を設けているようであちこちに居ました。)

雷鳥に癒され宿についた我々は素敵な温泉に浸かり生ビールをいただきました。
ほっこりしていたらロッジのスタッフに緊張感が・・・・どうも無理な計画で登った方が雄山神社でへたってしまい結局、雄山神社で一泊するとのこと・・・
ちなみに雄山神社(山頂の社務所)は宿泊施設ではなく神主さんと氏子さんが寝泊まりして我々のような登山者のお世話をしてくださっています。
なので迷惑になるため絶対に社務所で宿泊しないでください。
またそのような無謀な計画で登らないことです。自明の理ですよ。
確かに普通のコースタイムなら室堂から雄山まで2時間程度ですがあくまでも参考程度で考えてください。
天候や体調・・ましてやいきなり2400m位からの登山スタートになるため高山病も発症しやすいです。
低体温症も視野に入れなければなりません。
友人が「人に迷惑をかけるというのは聞いているだけでムカムカしてくるな~。」と言っていたのですが私もその通りだと思います。
全く防げないような事柄(例えば2014年の御嶽山の噴火のように)なら仕方がないのですが登山計画はありとあらゆることを想定して立てるものなので計画が甘かったとしか言いようがありません。

休憩を終えた我々は乾燥室に干した靴などの様子を見に行きます。
ここでも最低な人たちが・・・・中国の方です。
だいたいこの国の人は大半がドラえもんに出てくるジャイアンみたいな物の考え方(自分のものは自分のもの、人のものは自分のもの)をする人が多いのですが・・・・ストーブの周りに置いてあったほかの方の靴を押しのけ自分の靴を干す・・・・服や手袋などを干してある位置を少しでも自分に有利になるよう配置替えを勝手にしていました。
でも、一番すごいと思ったのはずっと乾燥室に閉じこもって乾かしていたこと(のぼせますよ。)
まあ、私も仕事柄中国へよく行きましたがこういう人たちに何を言っても無駄なので説教はしません。
が、恐ろしいまでの殺気のこもった目で無言で我々の荷物に手を出さないよう圧力をかけます。
おかげで次の日、我々の荷物は一切動かされていませんでしたがかわいそうにほかの登山客は「靴の中敷が無い」とか「タオルが無い」とか騒いでいました。
日本人は性善説を勝手に自己解釈しすぎですが昨今これだけ外国人が来るようになり、ましてや病院のように性善説が確定しなければならないような場所でも殺人が起きるような時代です。
自分の身はもちろん、持ち物の管理も自己責任です。
以前にも山小屋の紹介時に言いましたが靴は基本ロックを掛けないと盗られる可能性があります。
もちろん中敷も盗られないよう工夫しましょう。(よく拭いて部屋で干すなど小物は危険です。)
山小屋は旅館やホテルとは異なり、基本どこでも出入り自由ですし相部屋なら無造作に荷物を置いていくことになります。
貴重品は肌身離さず、金銭的に余裕があるのなら個室(山小屋にも個室はあります。)を予約しましょう。
個室は基本鍵がかかりますし相部屋よりは安心です。(お風呂にお財布持っていくのもねえ。)
朝起きてふと見たら自分の財布が無いなんて笑えません。
得てして人間はこういう自然に触れ合える場所では開放的になりますが警戒心はまんべんなく持っておきましょう。(よく海外で邦人が殺害されるのは大抵無防備な人。)
どんな人か分からないのに無防備についていくのは海外では日本人くらいなものです。
別に全ての人を疑えとか言っているわけではないのです。
もちろん山で素敵な出会いをすることは多々ありますし見知らぬ他人と仲良くなるのも山ならではの醍醐味と言えます。
ただ、注意力を鍛えて欲しいのです。
よく見れば電車の中でもデパートの中でも挙動不審な輩は結構います。
大抵、万引きしたりチカンで捕まったりする奴はそんな挙動をしているものです。
山でもそうです、なんか変だと思ったら注意するだけでかなり防げます。
別に声を掛ける必要もありませんのでよく見ることです。
ただ、気をつけて欲しいのは自分の勝手な思い込みで無実の方を犯罪者にしないこと。
変だなと思ったら同行者にどう思うか相談しましょう。(単独者は距離をおきましょう。)
今回は自明の理というキーワードでお話しましたが分かっていても不注意からあるいは無謀な計画からもしくは過信から色々な不幸に遭遇することもあります。
でも、ほんの少し考え方を柔軟にしたり気をつけたりすれば結構防げたりなんとかなるものです。
今回の立山は雨で残念でしたがそれでも雨具のチェックと思えば、また雨の日の上り方を練習したと思えば山の楽しみ方を損なうことはありません。
来週の三連休、ゴリラーマン担当で御嶽山に行く予定にしています。
次は晴れて欲しいな~と願いながら今回は終了です。
みなさんも三連休山に行く予定の方は気をつけて行ってくださいね~~
ではでわ~~