うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

武奈ヶ岳から比良山を巡る

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今回は春になってきたので足慣らし(ボチボチ3000m級の山へ行くため)を兼ねて武奈ヶ岳へ行ってきました。
ただ、滋賀県の山は雪深いということを改めて思い知らされる山行となりました。
それではコース案内です。
京都の出町柳から朽木方面行きのバス(7:45発)に乗り込み坊村で降ります。
ちなみにこのバスは土日限定で期間も3月中旬から12月初旬までの期間限定です。
期間外や平日は堅田から江若バスで坊村に行くことができます。(期間制限もありません)
ただし、このバスは時間も早く人気なので早くから並ばないと座るどころか乗り込むことさえ困難なバスなので注意してください。
出町柳から坊村まで約一時間です。我々は足を鍛えるのが目的なので立ちっぱなしでもなんともないですが普段立ちっぱなしに慣れていない人は登山口に着くまでに疲れてしまうので注意してください。(基本山道なのでバスは揺れます。)
坊村のバス停前には公衆トイレがありますので済ませておきましょう。
ちなみに下山するまでトイレは一切ありません。
事前準備が全て終わったら明王院を目指します。
明王院は本当の名前を北嶺山息障明王院といい比叡山無道寺奥の院として相応和尚が建立された由緒正しい寺院です。
我々は明王院で山行の安全祈願をし、登山口を目指します。
登山口は明王院の入口を更に奥へ通り過ぎた先に「御殿山コースワサビ峠を経て武奈へ」と書かれた道標が立っていますので従って右方向へ進みます。
道標からいきなり急登が始まりますのでペース配分には注意してください。
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(九十九折の急登が最初から始まります。ゆっくり進んでください。)

ちなみにこの急登は約1000mまで続き、一気に高度を稼ぐ難易度の高いコースですので2000m~3000mの登山前に足ならしに来る登山者もいるほど足には厳しい道です。
もちろん我々も本格的な登山シーズンを迎えるにあたり足ならしを兼ねて行きました。
ちなみに皆さんの急登はどれぐらいですか?六甲山系の登山口は大抵街中の急坂を上って行きますが武奈ヶ岳へ上がるこの御殿山コースの急登はこの急坂が延々1時間半ほど続きます。(上がる人の脚力によりますがコースタイムは御殿山まで2時間になっています。)
なので途中で休憩を取る人が続出するのもこの山の特徴です。
そうすると武奈ヶ岳には早くて12時ぐらい、遅いと13時前後の着となりますので我々が今回歩いたコースは夏場でないと日が暮れてしまうので厳しくなります。
もし、我々と同じコースを歩きたいと考えておられる方がいれば暑いですが日照時間の長い初夏から盛夏にチャレンジされることをおすすめします。
急登を勢いよくほかの登山客をごぼう抜きにして進んでいくと約400mぐらいで少しだけ平坦な場所に出ます。
我々はここで服を脱ぎTシャツになって先へ進みます。(止まったのはこの一回だけ所要時間は約5分ほどです。)
ここからも厳しい急登が続き、約高度800mぐらいまではなだらかになることはありません。
約800mぐらいから道は右へ大きく曲がる形をとりそこからはしばらく平坦な道を進むことになりますが道幅が狭いので谷底への滑落には注意してください。
右から左へ大きく巻き返したあたりからまた急登が始まります。
ここから御殿山まで急登は止まりません。
途中に小さな雪の塊(約1m四方ぐらい)があったので友人に「このあたりにはまだ雪が残ってるね。」と言いながら写真を撮り、四月も半ばなのに雪があることに感動しながら進むと・・・とんでもない・・・御殿山に近づくにつれ残雪どころか雪渓が・・・しかもかなりの規模で・・・「しまった・・・アイゼン持ってきてない・・・」と友人に笑いながら言うと友人も「まあ、なんとかなるやろ?」そうです登山道には直接ないので危機感を全く持たず笑いながら進んでいきます。
途中、雪解け水のせいで緩んだ急坂で足を取られ滑って転びそうになりましたが鍛え上げた体幹のおかげで肘を少しだけ汚す程度で済み、友人に「転んでどろどろになったら電車に乗れへんで~」と軽口を叩きながら進みます。
やがてワサビ峠についた我々は絶景にしばし見とれ写真を撮っていましたがハイドレーションから水を飲んでいた私を見て友人が「俺のハイドレーションのパイプを出してくれ。」と依頼してきました。
そうです、この男おそるべしですが上着を脱いだあの場所でパイプ(給水口)を出しておくのを忘れていたためワサビ峠まで無給水で進んできたのでした。
「あんなぁ~そんなことしたらバテるで~~」と言いながら私が友人のザックを開け、給水口を肩口から回してあげたのですが友人は脱いだ服を雨蓋とザックの間に横渡にしていたので「ザックに入れんでいいの?」と聞くと「落ちひんやろ?そのほうが乾き易いやろ?」というので少し不安を感じながらも一応落ないことを確認して先へ進んだのですがこれがのちのち大変なことに・・・・
ワサビ峠を下り、ガレ場のコルに登る途中で倒木があり枝が鬱陶しかったのですがなんとか引っかかりながらもクリアした私は後ろを歩いていた友人に大丈夫か確認したら大丈夫と元気に返してきたのでそのままガレ場をクリアし次のピークを目指します。
このピークあたりから登山道の右側に大きな雪渓が広がり登山者の目を和ませます。
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(アイゼンの練習にはもってこいの雪渓です。登山道はさらに左側なのでアイゼンがなくても大丈夫です。)

 我々もしばらく見とれていましたがあと少しで山頂ということもあり友人が少し肌寒くなったので上を着ると言いだしたのですが・・・・雨蓋とザックの間に挟んでいた服がありません。
思い当たるのはワサビ峠を下った先の倒木のところで枝に引っ掛けたのでは?ということで友人は「お前先に上っといて~俺ちょっと拾ってくるわ~」と言い残し来た道を戻り始めました。
私は友人に言われたとおり山頂を目指しますが気になって仕方がないので振り返り振り返りしながら山頂へつきました。
この時点でコースタイムの半分の時間で着いていたので友人が落し物をしていなければおそらく1時間ちょっとで上ったことになります。
結局一度も休憩を取らなかったことと急登もなんのそので進んだおかげなのですが一番圧巻だったのはワサビ峠手前まで戻った友人が途中ですれ違った登山客に服を見かけなかったか聞いたところ案の定、ワサビ峠を下りきったところあたりで見たとの返事。
礼を述べた友人は服を拾ってそこからスパートをかけてその教えてくれた登山客を山頂手前で追い抜き、追い抜きざまに「ありました。ありがとうございました。」と礼を述べて涼しげな顔で私の目の前に立ったことです。
私と別れてから僅か30分で行って戻ってきた友人のすざましい健脚ぶりに圧倒されながらも山頂で記念撮影をし、お昼ご飯をいただいた我々はゆっくりと休憩しましたがそれでも12時30分頃には出発できました。
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(山頂での記念撮影です。このゴリラーマンは恐ろしいコースタイムで戻ってきました。)

 我々の計画は山頂からコヤマノ分岐を目指しここから八雲ヶ原へ抜け、北比良峠経由でダケ道を通りイン谷口へ下山するというコースタイム約3時間のコースを選択したのですが・・・・まず山頂からコヤマノ分岐までが雪渓で覆われ滑りやすく慎重にくだらざるを得ない状態で分岐から先も雪渓が続き足を取られながらなんとか雪渓を抜けたと思ったら雪解け水で登山道がヌルヌルぐちゃぐちゃでこれまた足を取られる始末。
結局この状態が八雲ヶ原まで続き、改めて滋賀県の山の雪深さに驚かされた次第です。
なのでこの時期に行かれる方はアイゼンこそ必要ありませんが気をつけて通行してください。
八雲ヶ原は元、比良山スキー場の跡地で今は広大な自然公園になっています。
ここへたどり着く少し前に知り合った登山者三人組にこの池で山椒魚の子供らしいものを見たと聞いていたのでワクワクしながら池を観察していると居ましたそれらしいのが・・・ただ、よくよく見るとイモリでした。(お腹が赤かったのでそれと分かりました。)
少しがっかりしながらそれでも自然を満喫できたので良しとして北比良峠を目指します。
ここは気持ちのいい展望が開けるので比良山系でも人気の場所です。
我々はここで軽く休憩を取ってからカモシカ台(ダケ道)方面へ下って行きます。
この道はとても清々しいいい道で道中には巨石や可愛い花が我々を迎えてくれます。
九十九折の急坂ですがそんなことを気にさせないぐらいバリエーションに富んだ道を下っていくと川のせせらぎが・・・そうです楽しかった山行も終焉を迎えます。
この川を渡った先がイン谷口です。
我々はイン谷口にある桜や寒椿を愛でながら道を下って行きます。
途中にある山岳救助隊の詰所前で最後の休憩をとった時点で午後2時すぎであったことから約2時間で下山しました。
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(山岳救助隊の詰所です。比良山系は遭難も多い場所ですので安直な気持ちで上るとえらい目にあいます。)

 下山は結構休憩をとったのですが意外と早く降りることが出来、びっくりしながら温泉地である比良トピアを目指した我々は温泉を満喫し帰りにいつもの居酒屋で打ち上げをしたあと帰路につきました。