うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

雪の愛宕山(愛宕神社から月輪寺への参詣)

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私の友人が日曜日夕方から用事あるけどそれまでに行ける山に行きたいと言ってきたので愛宕山に行ってきました。
元々御朱印を集めるきっかけになった友人自身が愛宕神社月輪寺御朱印を貰っていなかった事、私自身が雪山に行きたかった(本当は伊吹山辺に行こうと思っていた。)ことなど利害が一致したため愛宕山に行くことになりました。
(前日に雪が降ったことも決め手になりました。)
当初どちらから登るか迷ったのですが(基本ルートは表と呼ばれる道、裏ルートとして月輪寺方面から上がるルート、また水尾の里から上がるルートもある。)月輪寺の開く時間が9:30からということもあり又帰りしなに空也の滝も友人が見ていないので効率から考えても表から行くことになりました。
ではコース案内です。
JR山陰線(京都駅32・33ホーム)で嵯峨嵐山駅で下車、嵯峨嵐山駅にはバス停が無いので丸太町通まで歩いて出ます。(約100m北に向かえば出られます)
そこのバス停(バス停は京都バスと市バスがありますが乗るのは京都バスの方です。)で嵐山・清滝行きのバスに乗ります。
私はバスが来るまで時間があったため釈迦堂前まで歩きました。(暇つぶしで)
しかし現実的には釈迦堂の方が阪急嵐山経由のバスも来るため本数が多いのも事実です。
バスはどこから乗っても230円ですので面倒な方は京都駅からも出ていますのでそちらから乗ってください。
(到着時間は変わりませんが乗る時間はインターネットで調べてください)
平日と土日祝は時間が違いますので注意してください。
(後、季節によって臨時もあります)
清滝に到着したらバス停のすぐ横にある下り坂(急坂)を下ると赤い橋が見えます。
猿渡橋と言い、橋を渡ると民家が左右に並ぶ緩やかな坂道を上がります。
やがて赤い鳥居が見えてきますのでくぐれば登山道の始まりです。
いきなり急坂からのスタートになりますので事前にストレッチ等で体をほぐしましょう。
左右に看板で「無理をしない、軽装で登るべからず」等警告の看板が出ています。
実際に観光客の方が秋の紅葉や春先の新緑を楽しみに普段着で登られ体調を崩されたり遭難された事例がありますので簡単な格好で登っていると地元の方や山岳会の方から注意を受けます。(当たり前ですが自己責任の前に常識を問われます。)
最低でもトレッキングシューズ(本当は登山靴が良い)水と軽食は持ってください。
雪山状態の時はアイゼン必需品です。(使う使わないは別とし保険です。)
コースに戻ります。
しばらく進むと坂の正面に水が湧き出ています。(お助け水と呼ばれています。)
コップも常備されていますので使用してもいいですが持ち帰らないように!!
そこからしばらくは急坂が続き登り口からここまでアスファルトですので足を痛めないように注意してください。
ちなみに雪が多い日は木々から落雪してきます。
雨のように降り注ぐ分には濡れるだけなので問題はあまり無いですが降雪が多かった次の日は注意が必要です。
いきなり頭の上にまとまった量の雪が落ちてくると怪我をしたり最悪気を失うこともあります。
却って高山の方が森林限界の関係である程度登ってしまえばその心配はなくなるのですが低山の場合、山頂まで森林の中を歩くというのはザラですので注意してください。
実際降雪が頭を直撃してそのまま気を失い凍死したという事例があります。
この日もお助け水を越えた木々の間から雪が雨のように降ってきて「今日はいい天気なのにね。」と友人が言ったので上から落ちてきていることを伝えると気をつけようという話になりました。
階段を登ると左右にお地蔵様があるところぐらいから山道になります。
ちなみにお地蔵さまはここから山頂までいたるところにあり、我々の安全を見守ってくださってます。
また、地元消防団が作成された手作りの看板が山頂まであり、40/40なので数字を追っていくのもひとつの楽しみになります。(丁石もあります)
道は整備されているので歩きやすく道迷いもありません。
ただ、階段(木製)混じりの急登になりますので自分のペースを乱さないように注意してください。
しばらく進むと三合目小屋に到着します。
このあたりから雪の量が増えたため小屋でアイゼンを装着している人がいました。
ちなみに小屋も10人ぐらいなら十分に座れるスペースですので休憩にはもってこいです。
急登は五合目まで続きますので途中途中で休憩を入れながら登ってください。
五合目を過ぎると(ここにも小屋がありますので中休憩にはもってこいです。)大杉社と
呼ばれるお社があります。(大杉を祀ってあります)

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(雪の大杉社です。風情があります。)

ここからしばらくは平坦な道になるので息を整えつつ絶好のビューポイントなので写真を撮るといいでしょう。(ほかの登山者の邪魔にならないよう)
ここから眺める景色が一面の銀世界になっていていつも以上に綺麗でした。
しばらく行くとまた急登になりますが頑張って登れば水尾の別れに到達します。
ここにも休憩小屋がありますので最後の登坂に向けて体力の調整をしましょう。
(このルートを表と呼びますが表はこのように要所要所に休憩小屋がありますので体調と相談しながら有効活用してください。)
ここまでくればあと少しですが愛宕神社に参るためには石段という強敵が待ち受けていますので焦らずに登ってください。
樒小屋を過ぎ、黒門が見えれば神社まであと少し、ここまでちゃんと消防団が作成された
丁看板を見ていた方ならこの辺で38~39になっていることでしょう。
ちなみにこのあたりから今まで山道が見えていたのに完全に雪でうもれていました。
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(黒門です。この辺りまで来ると完全に山道も雪で覆われています。)

 友人とアイゼンを装着するか相談しましたが新雪であったため却ってアイゼンの底部に雪が固まるという判断でトゥキックで進むことに決めました。
やがて神社の入口を思わせる石段と灯篭が見えたあたりで看板は40を迎えます。
「おつかれさま」と書かれた看板に感謝したら境内に入ります。
境内に入ってすぐ左にトイレがありますので行きたい人はここで済ませましょう。
気持ちの良い境内を真っ直ぐに進むとやがて急な石段が見えてきます。
ここが最後の登坂になりますので頑張って登ります。(本殿が最高峰です)
天気が良かったのもありますが一面の銀世界で気分が最高潮でした。
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愛宕神社境内です。新雪の中、抜けるような青空と雪の白さが幻想的な美しさを醸し出しています。)

 石段を上がりきったところに本殿が見えてきます。参拝して必要なら火廼要慎の御札をいただきます。(御朱印もここでいただけます。)
この季節は神社社務所向かいの休憩所にストーブが炊いてありますので濡れた衣服を乾かさせていただくとよいでしょう。
(扉をよく開けっ放しにする人がいます。開けたら必ず閉めましょう。)
参拝を済ませたら石段を下りたところに広場がありここでお昼をいただくとよいでしょう。
自動販売機もありますので温かい飲み物が買えます。
昼休憩が終われば月輪寺(つきのわでらと読みます)へ向かいます。
月輪寺へは石段の横にある小屋の裏手を右方向に進みます。
約150mほど進むと月輪寺方向を示唆する看板がありますので右へ進みます。
直ぐに絶好のビューポイントがありますので写真を撮りましょう。
愛宕山では樹木で遮られあまり展望が良くなかったと思いますがここからは遮るものが無いので京都市内が一望できます。
こちらのルートは表と比べると道も狭く休憩する場所は月輪寺くらいしか無いので愛宕山までで疲れた人は表を引き返す方が賢明です。
雪道の場合、さらに難易度が上がるので注意してください。
ただ、先程も述べましたがアイゼンはケースバイケースです。
アイスバーンなら当然アイゼンの出番ですが新雪の場合はアイゼンの意味がなくなる事がほとんどです。
直ぐに底部に雪が溜まりいちいち取り除くだけで不必要なロスを招くためストレスも溜まります。
それなら登るときはトゥキック、下るときはヒールキックで登山靴を雪に喰い込ませて歩くほうがすべらないので安全だしストレスも溜まりません。
またそういう技術を身に付けるチャンスでもありますのでぜひチャレンジしてみてください。(危ないと思ったら早めに装着してください。)
急坂を約40分ほど下ったところに月輪寺があります。
よくもまあこんな場所に寺院を立てたな~と感銘を受ける月輪寺は春は桜・シャクナゲが綺麗で秋は紅葉を楽しめる素敵な寺院です。雪の日は別格で綺麗ですよ。
休憩もさせていただけるので参拝して休憩してください。(タバコは吸えません、火気厳禁)御朱印も頂けるのですがお寺の方が一人で頑張っておられますので売店にいない場合が多々あります、一応呼び鈴があるのですがトイレ掃除等で聞こえない場合がありますので用事がある方で呼びかけても出てこられない場合は電話をかけましょう。
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月輪寺にある空也上人像です。雪の中、心なしか寒そうです。)

 電話の音はどの場所でも聞こえるように工夫されているようで直ぐに出てこられます。
ただ、こちらの都合で呼び出しているわけですから事情を説明して(呼びかけたけど出てこられなかった等)失礼の無いようにお礼とお詫びを言ってください。
ちなみにこの日は食事を取られていたので食事が終わるまで待っていました。
本当に一人で切り盛りしておられるので大変です。そのあたりの事情をよく理解できた方は寄付できますのでお志をしておくのも良いでしょう。(山のトイレは本当にありがたいです)ちなみにお寺の事情を記載した広報みたいなものが売店右横に貼ってあります。
月輪寺の現状がよく理解できますので一読していただき些少でも寄付してあげてください。
友人にも説明したところ「これから毎回登る度に立ち寄り寄付する。」と言ってました。
月輪寺を辞して山道を下りますが結構険しいので足を痛めないように注意してください。
でも、私は表よりこっちのほうが登山としての風情はあると思います。
所々に月輪寺へ行くための昔からの道標がたっており風情があります。
足元は岩場や木の根っこでつまづきやすいですが下ばっかり見ているとルートを踏み外すおそれがありますので注意してください。特に雪道状態では注意が必要です。
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空也の滝です。ここまで来ると雪は残っていませんでした。)

 急な坂は月輪寺登山口まで続きます。登山口まで下りきると道はアスファルトに変わりますがそのまま真っ直ぐに進めば清滝に帰れます。
足がまだ残っている健脚な方は下りたところすぐ右に進むと(道標で空也の滝とあります)
約10分ほどで空也の滝に着きます。なかなかの滝ですので見ておきたいです。
友人が初めてだというので連れて行きましたがここは清流沿いなので凍ってないか心配でしたがこの日は幸いにも凍っていませんでした。
ちなみにどこでも雪道はアイゼンと勘違いしている人がいますがアイゼンはアイスバーンとなった雪道(下は土の道)で真価を発揮するものなのでこういう下がコンクリートで雪もなく凍っているだけの場合はスパイク(軽アイゼンよりさらに簡単なイボイボ状のアイゼン)
の方がよく効きますしアイゼンだと足をちゃんと上げないと却ってコンクリートに引っかかり転倒する可能性がありますので注意が必要です。
清滝のバス停は一時間に一本程度なのであらかじめ帰る時間を決めておき、余裕があれば清滝周辺を散策するのもいいでしょう。
健脚な方はこのルートを逆に回るとなかなかの上りごたえになりますがくれぐれも午後3時以降の入山はしないようにしてください。(登山道いたるところに月輪寺からの警告が出ています。実際に遭難事件があったそうです。)
清滝からバスに乗ったら帰るのもいいですが時間に余裕があり、温泉の好きな方は阪急嵐山駅で下車した目の前に嵐山温泉があります。
温泉で汗を流したあとは阪急嵐山駅からバスで帰るか渡月橋を渡りJR嵯峨嵐山駅まで歩けば
途中のお土産物屋で買い物や食事もできます。
もちろん我々は温泉で汗を流し、風呂上がりのビールを飲んで互いの健闘を讃え合ってから帰路につきました。