うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(道迷いを防ぐには)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
ご無沙汰しています。うめぞーです。

今回はタイトルにもありますように道迷いについて掘り下げてみたいと思います。
以前からこの問題について度々取り上げては来たのですが専門的な見解では防げないので初心者の方でもわかりやすく解説していく必要があると痛感しました。
きっかけはこのGWに様々な遭難が相次いだからなのですが明らかに初歩の段階での遭難も見受けられたのでみなさんでも経験されているだろうと思われる事を題材にしてよりわかりやすくしていきたいと考えます。

1、アプローチと登山口の違い。

登山口が明確な場所はいいのですが六甲山系のようにまずは住宅地を抜けて登山口に向かうとか滋賀県ならイン谷口を起点とし、堂満岳や釈迦岳方面に別れたりとかするとご自身が行きたい山域をしっかり事前に下調べしておかないと間違えて違う山に行く可能性があります。
道標に〇〇登山口と書かれているから安直にその道をチョイスしたというのが一番多い失敗です。
確かにその情報は間違いではないのですが途中で分岐している可能性はたくさんあります。
で、ご自身の油断から本来行きたかったはずの山ではない方の山をチョイスすることは実はよくある話なんです。
有名どころの山域ならターミナルにしっかりと行き先が記載されているので滅多なことはないですがローカルな山や私有地が絡むような山域ではしっかりとした道標がない場合もあります。
イメージ 1
音羽山の登山口はこの蝉丸神社本殿右横の細い道を抜けた先へ進みます。)

上の写真は音羽山へ行った際のものですが音羽山へのアプローチは蝉丸神社本殿の右横を通り抜けなければなりません、事前に調べておかないと道標もないので絶対にわかりません。
イメージ 2
(この道標をうっかり見落とすと普通にロックガーデンの方へ行ってしまいます。)

上の写真は六甲の荒地山から蛇谷ヶ峰を経由して有馬温泉へ下山した時のものですが荒地山へはこの一箇所しか登山口へ誘う道標はありません、見落としてしまうと普通にロックガーデンから六甲山へ行ってしまいます。
まあこの場合どちらに行ったとしても笑い話で済むでしょう。(道標がしっかり整備されているから)
先日新潟で遭難した親子は警察の調べで登山届は出しておられるのですが目的地の山域ではなくもう一つ奥の登山口から登山届が発見されたそうです。
おそらくは子供さんに気を取られ登山口を見落としてしまったと思われます。
で、次の登山口を勘違いして「ああ~ここだ。」と思って提出してしまいそのまま登ったんでしょうね。
でも本来登りたかった山は初級者向けの赤安山という低山で正しくハイキングコースだったんですが間違えた山は五頭山(912m)といい明らかに初級者ましてや6歳の子供を連れて登るような山ではありません。
でもね、これって誰にでも経験があることなんです。
お友達と談笑しながら歩いていると上の写真の道標なんか簡単に見落としてしまいます。
ここで直ぐに「あれ?なんか違うぞ?」と気が付けばいいのですが初めて訪れる山で登山口からいきなり急登になったとしても「山に登るんだから最初はキツいよね。」と自分の解釈で登ってしまうことは誰にでもあります。
私は近畿地方だけでもガイドブックを30冊くらい持っていますし行く山域の地図は(山岳地図)必ず買っています。(無い場合は地形図で代用していますがその際は事前によく調べてルートを書き込んでおきます。)
人間は厄介なもので自分は大丈夫というなんの根拠もない自信で構成された生き物なんです。
私も若い頃はそうでしたがゴリラーマンと何回も死にかけたり怖い目にあったので今ではどんな簡単と思われる山域でも結構な装備を持っていきます。
よく山頂なんかで「こんな山なのに重装備ですね~」と笑われたりもしますが遭難して死んでしまうよりも重い荷物を持っている方が安心できます。(要は重い荷物を持って登れるだけの体力を付ければいいだけのことです。)


2、分岐は実は怖い場所。

みなさんも経験がおアリだと思いますが初めて訪れた場所で同じ道を通ってしまい「あれ?この道さっきも通ったよな?」と困惑したことありますよね?
特に住宅地、同じような生活道路が並んでいて尚且つ迷路のように入り組んでいると誰でも迷います。
例えば友人が新居もしくは引越しして新築祝いや引越し祝いを届けようとしたりした時に初めて訪れる場所なのでこのようなことになります。
これって実は怖いことなんです。
街中なら地元の方を捕まえて正しい道を教えていただくことも可能でしょうが山中でしかも他に登山者がいなければどうします?
実は私自身分岐にやられたことはしょっちゅうです。
道標があっても長年の風化で文字が読み取れなかったり向きがズレてしまっているとうっかり間違えることはどんなベテランにでも必ずあります。
イメージ 3
(この看板の向きが悪くて三馬谷滝方面に行きかけてしまいました。)

上の写真は旗山から油日岳を縦走したときのものですが看板の向きが悪く、実際は看板の下に見えている道が油日岳方面なのに三馬谷滝方面と思ってしまい逆の道へ進んでしまいました。
ただ、私は今までの経験から直ぐにこの分岐へ戻ってきました。
ではなぜこの分岐で間違えたことを気がついたのでしょうか?
この山域はアップダウンが激しくそれこそ山々を降りては登り返すような山域だったので降りていくことに何の躊躇もなかったのですがあまりにも急な下りが見えた時に「おかしいな?」と思ったんです。
(これが大事、少しでも違和感を感じたら立ち止まる癖をつけてください。)
で、ガイドブックの地図(ガイドブックの地図も山岳地図と同じで地形図にルートが記載されているので等高線がちゃんと書かれています。)を見ると今いるところから高度は下がらないことを確認出来ました。
ということは下っちゃいけないということです。
なので分岐まで戻りそこでコンパスを取り出し方向を確認して正しいルートに復帰できたのです。
分岐に道標があること自体大変ありがたいことなんです。
考えても見てください、あなたがほかの方のために重い看板を背負って分岐まで行き設置できますか?
なので道標を馬鹿にしたり詰ったりする前にここにある意味を理解して感謝しましょう。
分岐を見落としたり間違えたりするのはうっかりミスや知識・経験不足なんです。
なので少しでも違和感や躊躇したときは立ち止まり地図を確認しましょう。

最後に遭難を防ぐためと遭難してしまった際の心得を記載します。

1、事前の下調べを怠らないこと。
しょっちゅう登っている山ならともかく初めての山なら最低でもどこに何があるのか?登頂時間やエスケープできる道があるのか等調べておかないと後で訳が分からず泣きを見ることになります。

2、必要なものは必ず持っておくこと。
登頂する日が晴れだとしても万が一、道に迷ってビバークするとして翌日は晴れますか?気温は下がるかも知れないですよね?最低でも雨具は持っておきましょう。
地図は?ルート上の現在地が把握できますか?コンパスがあれば少なくとも方向はわかります。
高度計があれば現在地の高度はわかります。
山は情報が少ないのが当たり前です。少なくとも最低限の情報が把握できるグッズは必要です。

3、焦らないこと。
道迷いをして一番やってはいけないのがパニックに陥ることです。
まずは体から調べましょう。怪我は無いか?体力は残っているか?
次は飲み水と食料を確認し衣服等で体温調節できるか確認しましょう。
こうして一つづつ確認しているうちに落ち着いてくるのでビバークするのか?歩くのかを決めましょう。
ただし、何の根拠もないのに無闇矢鱈に歩くと体力を消耗するだけです。
怖いでしょうが暗いのなら諦めて翌日に賭けましょう。
十分に明るい(まだ午前中とかお昼くらい)のなら出来るだけ上を目指しましょう。
間違えても下ってはいけません。(次の項目で詳細に説明します。)

4、間違えたと気づいたら稜線もしくは上を目指す、わかる場所まで戻ること。
よくやる最低の失敗は何の根拠もないのに下を目指してしまうこと。
これは絶対にやってはいけません。
皆さんは普段よく整備された山道を歩いているだけなんです。
言い換えれば先人たちが苦労してつけてくれた道をたどっているだけなんです。
ということは道を外れれば当然ながらそこには道はないわけです。
道と思われる場所は獣道や杣道(林業の方の道)でどこに行くか?わからないわけです。
では何故わかる道まで戻れというのか?闇雲に歩き回ってなければ来た道を戻ればいいだけのことだからです。
どこかの分岐や脇道を勘違いして迷い込んだのならそこまで戻ればいいだけのことなんです。
勝手にパニクって歩き回るから来た道がわからなくなるのです。
おかしいと思ったそのときがあなたが生還できるかのターニングポイントなんです。
それを横着して上がるより下る方が楽だからと進んだ結果が遭難なんです。
今はデジカメがすごく良くなっているので1000枚くらい写真を撮っても何の問題もありません。
必要ないものは家で消してしまえばいいのです。
なので私は歩きながら少しでも気になる場所は写真を撮っています。
こうすることで復帰が容易にできます。
下ると何が怖いかって・・・・いきなり崖になることがしょっちゅうです。
もともと山って河川の源流になるような場所が大半です。
どんな山でも必ず大なり小なり滝や川、沢をみかけるでしょう?
いきなりその滝の上に立ってたりしたらどうですか?足がすくむどころではありません。
下手したら滑落して終わりです。(よく遭難者が谷底で発見されるのはそういうことです。)

5、携帯の電池は予備を持っておくこと。(充電器でもいい)
携帯は地域によれば入らないことのほうが多いですがそれでも少しのことで入ることもあります。
最悪どうしようもないのであれば真っ先に恥ずかしがらず遭難したことを伝えましょう。
まずは最寄りの警察へどこの山のどのあたりなのか出来るだけ状況を詳細に伝えましょう。
警察や消防が連絡してくるはずなのでそこから動かないこと。
夜間は電源を切っておきましょう。(搜索もできませんので)
家族には警察から連絡してもらうのがいいでしょうが心配かけるのもかわいそうなのでLINEもしくはショートメールで簡単に伝えましょう。
人恋しいから電話で直接話しがしたいのはわかりますがバッテリーを大切にしましょう。

6、気力を失わないこと。
最後は精神力がものをいいます。
自分は絶対に生きて帰るんだ~と強い意志で過ごしましょう。
生きたければ自ずと行動がわかってきます。
無駄な動きは体力を消耗するだけです。
食料も細かく分散して出来るだけ日数を稼げるようにすること。
水は川でなくても葉っぱやこの季節ならイタドリなどの植物から採取できます。(お腹もみたせます。)
最初は大変ですが慣れれば眠れますので出来るだけよく寝ましょう。

最後に今回のGW中に遭難された方々が見つかることを祈って終わりたいと思います。
みなさんも決して他人事と思わずに明日は自分がそうなるかもしれないと考えて行動してください。
少し気をつけるだけで未然に防げることが大半なのが遭難です。
何回も同じことを言っていますが悲しむ人が居ることを忘れずに無理をせず登山を楽しんでください。

でわでは~~( ´・ω・`)ノ~バイバイ