うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(アイゼンについて)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
ご無沙汰しています。うめぞーです。

今回はこの季節に登山をされている皆さんにアイゼンについてご紹介をしたいと思います。
ご存知のように冬山登山をされる方必須のアイテムなんですが・・・この頃少し違うなと多々感じています。
なので正しい知識をつけていただき、安全に冬山を楽しんでいただきたいと考えます。

実はこの投稿のきっかけは先日ゴリラーマンと高見山に行ってきたからなんですがこの山は霧氷が有名でこの季節はそれこそ氷の花が咲き乱れたように樹木についています。
とても綺麗なので是非見に行っていただきたいのですが・・・アイゼンがねえ~(;´Д`)ヒドイ。
何故12枚歯が必要なんだか?意味がないし危険だし・・・と思ったのでアイゼンの特集を組んでみました。
まずはアイゼンの種類を見てみましょう。
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(アイゼンといってもさっくりですがこんな感じで種類があります。)

アイゼンは上の写真のように4~12本の歯に分かれていて普通皆さんが履いておられる靴は登山靴の分類で言うとトレッキングなんです。
もちろんトレッキングで十分ですしいい靴も出ています。
(上の写真の10本とチェーンタイプの靴はどちらもトレッキングタイプです。)
上の写真で言う10本歯まではトレッキングの靴で対応しているので何の問題もないです。
私が問題にしているのは12本歯なんです。
これは安物でない限り、トレッキングの靴には不向きです。
皆さんはアルパインという靴(名前ではない、種類のことです。)をご存知ですか?
この靴は冬山専用のガッチガチの靴です。
つま先は鉄板でも入ってるの?というくらい固く、紐の部位をチャックで隠し、雪などが入らないようにした3000m級の冬山に挑むための靴なんです。
12本歯はその靴専用に開発されたといっても過言ではないのです。
言い換えれば氷で厚く閉ざされた壁をつま先で蹴り込み登っていくためのアイテムなんです。
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アルパインタイプの靴に装着した12本歯のアイゼンです、見た目にもガチガチなのがわかりますね。)

いくら雪山とは言え高見山は標高1200mほどの山です。
こんなガッチガチの装備で歩けば疲れます。(トレーニングされている方は別です。)
確かに普段から雪山に行く方(3000m級)がトレーニングや新しい装備のならしでつけているのなら問題はありませんが・・・道具に振り回されている方を多々見受けました。
この頃はちょっとした書籍でいいものが紹介されていると後先考えずに購入されている方が増えましたがちょっと待ってください。
前にも紹介しましたが装備が山を登るんじゃないんです。
皆さんご自身が登られるんです。
高見山でもへばっている方をたくさん見かけました、中にはほっといて大丈夫かな?と心配になる方も見ました。
アルパインタイプを使用するのなら当然ピッケルの使い方もマスターして冬の西穂高や富士山を攻めるくらいでないと宝の持ち腐れになります。
今回私が持っていったアイテムを紹介しましょう。
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モンベルさんが出しているスパイクです、私とゴリラーマンは「イボイボ君」と呼んで愛用しています)
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(一応、念の為にチェーンアイゼンも持って行っていましたが使用していません。)
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(ゴリラーマンが私にくれたのとほぼ同じスパイクです、今回はこれを履き慣らすため使用しました。)

私は上の写真とほぼ同型のスパイクのみで高見山に行ってきましたが何の問題もありませんでした。
むしろアイゼンより快適で軽いので全く苦になりません。
アイゼンの利点は氷をしっかり捉えすべらないことです、言い換えれば新雪などでフカフカの場合、直ぐに土踏まずの部分に雪が溜まってストックなどでいちいち払い落とさないと歩くことすらままなりません。
こういうことに慣れていないと疲れに行くようなもんです。
イボイボくんの利点は圧雪された雪や氷には強いのですがゆるゆるの雪だと滑ります。
なので下の方では二人共外しました。(直ぐに外せるのもイボイボくんの利点と言えます。)
ちょっと高見山がどんな感じかお見せしましょう。
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(積雪は約20~30cmよく踏み固められているのでイボイボくんで十分通用します。)
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(山頂ですが積雪量は変わりません。イボイボくんで十分です。)
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(稜線ですがこんな場所でもイボイボくんで十分です。)

この山ははっきり言って富士山のように小砂利の山道ではありません。
当然、普通の山で標高が1200m程度だというだけですから木の根がたくさんあります。
アイゼンをはめて歩くということは足を少しがに股にして気持ちいつもより高めに足をあげて歩かないと木の根に引っかかったり自分のズボンやスパッツ(ゲイター)を破いたり最悪足を怪我します。
当然ですが行きも帰りも同じ感覚で歩かないといけないのですが・・・疲れてくるからかアイゼンをつけているのにも関わらず転倒したり躓いたりしておられる方をたくさん見かけました。
生兵法は怪我の元といいます、まずは雪になれましょう。
いきなり道具をつける必要はないんです。
足元がかなり危険な場所ならともかく普通の滑落の危険性が無いような山道ならまずは登山靴で歩いてみて足の裏に神経を集中させて滑りそうなタイミングや角度を確認しましょう。(これは人それぞれです。)
普段から体幹を鍛えているような方なら少々ではコケたりしないでしょう。
逆に普段何もしていない方なら少しの斜度で歩きにくさを痛感するでしょう。
そんな時にどのあたりで装着するのか?平地なら楽に装着できるものが少しの斜度でも難しくなります。
ご自身がどれくらいで必要とするのか?をよく見極めましょう。
人が装着するから自分もというのが日本人の一番悪い特徴と言えます。
人は人です、ご自身の体力及び脚力とよく相談して道具も購入してください。

アイゼンは例えば白山や涸沢なら夏でも持っていくべきですし当然ピッケルもあったほうがいいでしょう。
それはなぜかというと滑落の危険がある場所に行くからなんです。
言い換えれば崖もなく山道も道迷い以外の危険性のない山で必要かと言われれば普通の4本で十分です。
この日、学生さんの団体とスレ違いましたが皆さんが手に持っていたのは4本でした。
店員さんに勧められたとかかっこいいとか購入される動機や根拠は問いません。
ただね、正直それで颯爽と登っておられたら見てるこちらも憧れるし尊敬もします。
道具に振り回されて青息吐息で挙句には登山道でへばっている方々をたくさん見かけました。
そんな人たちの横をパッと見、何もつけていないような我々に抜かれていくと悔しくないですか?
ちなみにスパイクはパッと見つけているように見えません。
まずは冬山だろうが1200mだろうが普通に歩けるだけの体力と脚力を身につけましょう。
その上でこれからチャレンジしていく山に合わせた道具を揃えていきましょう。
2万円もするアイゼンを買うくらいならいい靴買いましょう。(チェーンアイゼンなら4千円くらいでいいのがありますよ。)
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(霧氷の花が咲き乱れています、是非ともこの季節限定の景色を見に行ってください。)

アイゼンに限らず、道具は使い方でとても助けてくれますが特に登山用具は使う人を選びます。
決して安価なものではないのでご自身の用途に合わせてチョイスしてください。
あと、よく見かけましたが片足のアイゼンが外れたのか壊れたのか?片足は装着して片足は何もなしという方を結構見かけましたが・・・むちゃくちゃ危ないですよ。
スケートリンクでスケート靴を片方だけ装着してスケートリンクを歩いているようなもんです。
まして、下りで見かけたのでもうびっくりです。
どっちか(装着するか外すか)にしましょう。
皆さんが楽しく冬山を満喫されることを祈りながら今回は終了です。
でわでは~~