うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(高所登山)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
ご無沙汰しております。うめぞーです。

まず最初に・・・九州地方が大雨で大変なことになっていますね。
どうか乗り越えてください。命を大切にしてください。
雨が一日も早く止むことを祈っております。

さて、今回は原点回帰の意味も込めて健康に登山をするための情報をお届けしたいと思います。
私自身、このブログを立ち上げたきっかけは病気からの脱却でした。
この頃少し本来の趣旨からずれてきているので基本に立ち返ろうと思います。
今回は高山病について特集を組みます。

1、高所登山の注意点

これからの季節は夏場ということもあり高所への登山の機会が増えると思います。
春先は不安であった雪渓もほとんど登山道から姿を消し、高山植物が短い期間咲き乱れるのもこの季節です。
温度や湿度も下界と比べれば快適で過ごしやすく夜なんかは逆に冬場くらいの温度になるので寒いくらいでしょう。
もちろん、山小屋に宿泊することを前提でお話しています。
テント泊になるともう少し過酷なので上級者向けとなります。
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(皆さんご存知の富士山ですね。しかし簡単ではありません。)

この季節は富士山のご来光ツアーなどでいかにも簡単に富士山の山頂に立てるような錯覚を一般人に与えているツアー企画が増えてきました。
もちろん、ツアーガイドもピンキリなので一概にオススメできるものではありません。
私は今から10年ほど前に家内やゴリラーマンの夫婦と友人などと一緒にバスツアーに参加しました。
ところがツアーガイドはあまり登山に詳しくなくむしろ地元の健脚な人がやっているような感じでした。
なので足の遅い人のことはお構いなし、要所要所決められた場所で休憩を取ればいいだろう的な考え方で体調を崩す人が続出しました。
私の家内もそのうちのひとりでなんとか八合目の山小屋までは頑張ったのですが低度の高山病にかかっていました。
山小屋で仮眠をとって午前3時くらいから山頂を目指すのですが普段辛抱強く滅多なことで体調不良を訴えない家内が頭が痛いと言い出し、私に「せっかくだから楽しんできて~私ここで待ってるわ。」と努めて明るく言うのですが私の選んだ選択は我々夫婦はここで離脱、自力下山でした。
もちろんツアーガイドは「奥さんはともかくご主人は元気なんだからもったいないじゃないですか?」と散々引きとめようとします。
その時点で私はこのガイドに不信感を持ちました。
高山病の一番の特効薬はその人にあった高さまで下山するのが一番いいのです。
言い換えれば無理して登ると最悪の場合呼吸不全から意識障害、果ては命を落とすこともありえます。
家内は「私のせいでごめんなさい。」と泣いて謝っていましたがご来光は山頂で見なくてもどこから見ても綺麗だからと慰め、山小屋でお弁当をいただき、ゆっくり下山を開始します。
七合目の公衆トイレの手前ぐらいで家内がいきなり「あれ?頭が痛かったのに治った?」といい聞いていた私は微笑みます。
ちょうどご来光の時間だったので見晴らしの良い場所でご来光を楽しみます。
すっかり元気になった家内はちゃっかりしたものでお腹がすいたというので景色のいい場所でお弁当をいただきました。
後でゴリラーマン達に聞くと山頂は人でごった返しておりとてもじゃないが楽しめる雰囲気では無かったとのこと。
それなら我々夫婦の方が楽しく山を眺めながらゆったりと下山できたので有意義でした。
どうですか?これが高山病なのです。
高山病はその日の体調次第でどんな人でもなる可能性はあります。
イッテQでイモトさんが高山に登っていますがたまに頭が痛いとかお腹の調子が悪いとか言っているでしょ?
あれも高山病です。
まあ、イモトさんの場合は周りにすごいスタッフが揃っているので滅多なことにはなりませんが我々にはそんな方がついてきてくれているわけではないので注意が必要です。
ここで高山病になりやすい方、なった時の注意点、ならないようにするためにはをお届けしましょう。

1、なりやすい人

早い話、太っている方、それに伴い就寝時に無呼吸症候群をお持ちの方はまずなり易いと言えます。
高所というのはただでさえ低酸素状態です。
元々無呼吸症候群とは睡眠時に酸素を十分に取り入れていない人の事を言うので普段から寝不足の状態で登山をすれば別に富士山でなくても高山病にかかりやすいと言えます。

荒い呼吸で登山をする人、これはもう自分のペースを見失っているというか周囲の人に合わさなければ迷惑がかかると思い込んでいる人です。
こんな方の歩き方は荒い呼吸のまま数メートル歩いてヘタリ込みまた歩き出すというリズム感ゼロの歩き方をしているのでよくわかります。
自分の呼吸が乱れないまでスピードを落としてゆっくり上がる方が却って休憩時間が減るため結果的に早く目的地に到達することを知らない方がこういう上り方をします。

お酒やタバコが好きな方、これは私も言えることですがタバコは赤血球の酸素への結合を阻害します。
タバコを吸うと酸素より先に二酸化炭素に赤血球が結合してしまうので酸素不足に陥りやすいのです。
一番いいのは禁煙することなのですが私のように意志が弱い方はそれ以上に筋肉を鍛えましょう。
筋肉を鍛えると僅かな酸素でも十分に取り入れてくれるので高山病にはなりにくくなります。

2、なった時の対処方法

一にも二にも下山、これにつきます。
せっかく休暇を取ったのだから・・・お金を使ってここまで来たのだから・・・ほかのメンバーに迷惑をかけるからなどといろいろ言い訳を考えると思いますが高山病は高度を下げないと症状を悪化させるだけです。
もったいないとか思う前にこれ以上症状を悪化させるほうが周りに迷惑をかけることを強く意識しましょう。
周りの人も(同じパーティの方)無理をさせるのではなく全員で撤退するくらいの優しさを持ってください。
パーティを組むということは自分だけではなく仲間にも責任を持つということです。
間違えてもその方だけを下山させるなど無責任なことはしないでください。
こういう時こそ連帯責任なんだと強く自戒してパーティを組んでください。
ちなみにですがショップで酸素ボンベ(スプレー式のやつ)売ってますよね?
富士登山のお供なんてキャッチフレーズで売っていますがあれは気休め・・・たまの休憩時に少し吸うと「うまいな~」と思うくらいのものでしかありません。
重症時の治療にはボンベが必要です。(スプレーなら軽く10本くらいないと役に立ちません。)
なので症状を悪化させる前に(自力下山が可能な間に)下山するのが最善と言えます。

3、ならないようにするためには

まず痩せること。普段からよく登山をすること。よく寝ること。(登山前日は特に)ストレスを貯めないこと。
ストレスは体調不良全ての引き金になりますのでストレスがきつい時は登山しないほうがいいでしょう。
風邪をひかないこと。(軽い鼻風邪程度でも要注意です。)
大きな呼吸を心がける。
これは少し掘り下げると吸い込む時は大きな口を開けて吸い込み吐き出すときは逆に口をすぼめてゆっくり少しずつ吐き出します。
そうすることによって肺を大きく広げることが出来、酸素の取込量が格段とあがります。
ただし、これもたまにでいいです。
やりすぎると手がしびれます。(手がしびれたらやりすぎです。
ペース配分を守ること。(呼吸が乱れないくらいの上り方に徹底すること。)
パーティの場合、仲良し登山ではなくちゃんとリーダー及びサブリーダーを立てて全員のペース配分と体調に留意して登ること。
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北穂高岳です。今年はここに登って槍を眺めながらコーヒーを飲みます。)

山は逃げませんし我々のチャレンジ精神がある限り、何度でもトライできます。
なので一回しかチャンスがないというのであれば別ですが(エベレストやアコンカグアのような特殊な山)そうでなければまた来年・・くらいの気持ちでトライしてください。
高山病は本当に恐ろしく意識障害まで陥ると自力下山どころか命に関わります。
また、この病気はパーティ全員がかかるのは希で大抵一人くらいがなるので他の人からしたらその方の苦しみがわかりづらいのもこの病気の特徴です。
また、ある程度下降するとそれこそケロって感じで治ってしまうので他のパーティの方からすると「いい加減にしろ~」と思ってしまうほど損な病気とも言えます。
私がゴリラーマンを全面的に信頼し、この人とならどんな状況下でも対応出来ると思えるまでにはそれこそいろいろな経験を何回も二人で乗り越えてきたからこそなんです。
なのでどちらかが仮に高山病になればどちらも迷うことなく下山を選択し相手を責めることなく「まあ、来年また来ようや~」と笑い話で終わらせることができます。
つまりはそれほど信頼できる人や山岳会が主催する高山ならいいでしょうが安直にツアーや仲良しグループでトライすると不協和音が出てくる可能性も否めません。
そうなると人間関係にヒビが入り、下手すると修復不可能になりえます。
誤解の無いようにお願いしますがツアーが悪いと言っているのではありません。
ただ、時間に余裕のない弾丸ツアーにはそれなりのリスクがあるということです。
お友達同士で仲良く行くのもいいでしょうが高山病にかかった人が出た場合はどうするか?は登る前に決めておくともめることなく下山できるでしょう。
人は面白いもので楽しいことの前には無防備で想定しないのが普通です。
誰だって楽しいはずの旅行がバスの事故でおじゃんになるなんて想定しません。
ところが少なくとも山は危険な場所に自ら行くわけですからいくら楽しいからといって必要最低限の想定はしておかないとイザという時に困ります。
これから楽しい季節です。みなさんも高山を存分に楽しんでください。
でわでは~~~