うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

湖南アルプス縦走

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今回は前回計画していて行けなかった湖南アルプスにいつもの友人と行ってきました。
松茸のシーズンも終わったので全てを見て回る予定にしたのですがやっぱりいつものように総距離が増えてしまいました。
登山口へのアプローチから説明します。
京都駅を8:00ちょうどのびわこ線に乗り込み石山駅で降ります。
石山駅から湖南アルプス登山口行きのバスが8:25発で出ていますので乗り込みます。
終点で下車したらまずは帰りのバスの時刻を確かめておきましょう。
時間帯によってはかなり待つことになります。
今回の設定ルートは堂山⇒太神山(不動寺)⇒矢筈ヶ岳を巡って下山するというものでしたが堂山へのアプローチが分からず結局正規ルートからのアプローチとなり、一旦下山して登り返すという荒業が含まれているので気をつけてください。
また、ガイドブックには堂山は単体で紹介されており今回のような全てを巡るルートは初心者の方にはかなりきついこともご承知おきください。
それではコース案内です。
バス停からアスファルトの林道を道標に従い、上っていきます。
しばらく進むと右手に富川道と書かれた看板と分岐があります。
こちらから進むと矢筈ヶ岳方面に行くことができますが看板にも書かれているように枝道が多く道迷いしやすいので上級者向けと言えます。(道も結構急です。)
そのまままっすぐ進むと右手に迎不動様のお堂があります。
トイレもすぐそばにありますのでまずはここを拠点にしましょう。
(トイレは太神山の不動寺とここだけです。堂山には一切ありません。)
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(バスを降りたらまずはアスファルトをひたすら進みます。)
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(道は一本道なので大丈夫ですがまずはこの堰堤を目指しましょう。)
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アスファルト歩きだけでも2~3kmは優にあるので公共交通機関を利用される方は注意してください。)
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(道なりに進むとこの分岐に出くわしますが富川道は上級者向けです。)
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(迎不動様です。ここがある意味拠点となります。隣にトイレもあります。)
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(迎不動様の前にある周辺図ですがざっくり過ぎて役には立たないので地図は持参してください。)

ここから目の前の沢を渡渉すれば堂山方面に、そのまま林道を進めば太神山方面に進むことができます。
我々はまず、堂山を目指して進みます。
沢を渡渉した先から急な登りになるので急がずゆっくり登りましょう。
道幅も狭いので履行する際は沢や滝壺に滑落しないように譲り合いましょう。
しばらく進むと迎堰堤があります。
結構大きな堰堤で綺麗ですので見学するといいでしょう。
そこから滝や綺麗な景色を眺めながら高度を稼いでいきます。
しばらく進むと里山独特の道迷いしやすい地形となりますがこの時期は松茸シーズン直後ということもあり入ってはいけない道や場所にはロープが張られているので少し安心できます。(でも踏み跡やルートは気をつけて進んでください。)
途中、何箇所かには鎧堰堤への道標がありますので従ってください。
しばらく進むと鎧堰堤に到着します。
前回訪れた鶏冠山にもオランダ堰堤もその名のとおり、オランダ人が作成したものですがこの鎧堰堤もオランダ人が作成しています。(説明看板もあります。)
なかなかの景観なので鎧堰堤を楽しんでください。
鎧堰堤を堪能したら道標に従い、堂山を目指します。
広河原と呼ばれる河原を進んでいきます。
ここは水が豊富で小川が何本か流れていますが浅いので気をつければ特に問題はありません。(登山靴は必須です。)
ただ、動物の水場になっているようで鹿や猪の足跡がたくさんあります。
その中でもびっくりしたのはクマの足跡がありました。
自然の豊かな山域ですので当たり前ですが熊鈴はつけておきましょう。
しばらく広河原を進むと左手に道標があり、堂山を示唆していますので従います。
この道標を見つけられないと道を見失いますので注意が必要です。
ここからは樹林帯に入り、道も見失いやすくなりますので踏み跡を確かめながら注意深く進んでください。
途中には道標がありますので見落とさないように進めば尾根筋に出ます。
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(この道標に従い、堂山へ向かいます。よく見ると遭難者の情報があります。この山は簡単ではないです。)
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(この沢を渡渉した先が堂山への登山口となります。増水時は注意して渡ってください。)
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(登山道は狭く岩場もあるので周囲をよく見て足元注意で通行してください。)
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(鎧堰堤です。オランダ人が設計し制作したと説明看板に記載されています。)
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(広河原です。気をつければ歩くのには支障はありませんが道迷いのしやすい場所です。)
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(この道標を見つけられなければ潔く来た道を戻りましょう。)
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(堂山の稜線に出るまではこんな道をひたすら進むので道標をよく見て進んでください。)

そこからしばらく進めばいきなり視界が開けて目の前に堂山が見えます。
ここからの道はまさしくアルプスという形容詞がぴったりの素晴らしい景色が広がり一気にテンションがあがります。
砂礫の道を一旦下って上り返すと一番景色のいい大岩のあるピークに到達します。
大岩の上は上がれますが滑落には注意して景色を堪能してください。
景色を堪能したら堂山を目指します。
少しのアップダウンを繰り返し、最後の急登を登れば堂山山頂です。
標高看板と地点票はありますが三角点はありません。
また、景色だけで言えば先ほどのピークの方が眺めはいいです。
ここでバスの中で一緒だった団体さんと出会います。
この方たちは我々が当初計画していた登山口から登られたみたいなので情報を交換します。
我々はこの方たちがこられたルートから太神山を目指すとムダがないことから登山口を探したのですが結局わからず正規ルートから登ったのですが・・・わからなかった理由は後ほど解説します。
団体さんと楽しく語らっているとその中のひとりが「走って上ってこられたのですか?」と聞いてこられたので「いや?普通に上がってきましたけど?」と答えるとこの辺の道をよく知っておられるようで「え~めちゃくちゃ早いですね~」と感心しておられました。
すっかり仲良くなった団体さんと別れを告げて我々は教えてもらったルートから一旦下山してもう一度登りなおすことに決めました。
正直、同じ道を引き返すのがつまらないということと登山口を確かめたかったのが目的ですがオススメできません。
脇道が多く、道迷いしやすいです。(実際このあたりで行方不明の方がいらっしゃいます。)
また、道も細く露岩の道も多いので気をつけて進まなければなりません。
しかもやっと下まで降りてもどこから林道に戻るのかわかりにくいです。
(目の前が沢になっており下手な所からは渡渉できません。)
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(湖南アルプスです。目の前の山が堂山です。)
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(登山道はこのように岩場と砂礫でできているため足を滑らさないように注意してください。)
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(堂山の山頂は樹木に覆われているので手前の大岩から景色を堪能するといいでしょう。)
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(堂山付近から来た道を振り返ります。)
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(堂山から教えていただいた登山口を目指している途中の景色です。)
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(こんな感じの道なので堂山から引き返すことをオススメします。かなり危険です。)
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(おそらく遭難された方は地図もなくこういう道から枝道に迷い込んだものと思われます。)

なるほど~これは登山口を設けないね~と友人と語らいながら進みなんとか無事に林道へ復帰します。
ここはかなりバス停よりの下山口なので疲れた方はもうここでバスに乗ってもいいでしょう。(太神山へはかなりあります。)
我々は太神山を目指します。
分岐(富川道)を越えて迎不動様を越えて林道を進むと車止めのガードがあります。
ちなみに太神山のピストンならマイカーでこのゲート前まで来ることができます。
(何台か駐車する空き地がありますが利用して良いかは自治体に確認をしてください。)
ゲートを越えてしばらく進むと右手に道標があり、その先に待望の山道があります。
ここが太神山の登山口となり、ここからは山道です。
最初はなだらかな道が続きますがそのうち徐々に急な坂道が現れます。
ただ、先ほどの堂山とは違い熊野古道を彷彿するような落ち着いた山道となるので情緒があります。
しばらく進むと左手に立派な地蔵堂があるので安全を祈願します。
そこから少し進んだ先にも岩が御神体なのか?何かを祀られた祠があります。
ただ、すごく感動したのは迎不動様、地蔵堂、この祠とすべての地面が掃き清められていて足を踏み入れて良いものか悩むほど掃除が行き届いています。
おそらく地元の信仰心厚い方々がお掃除にこられているのだと思いますがこんな山奥まで大変だと思いますのでみなさんも登られる際は汚さないように注意してください。
友人と感心しながら進むと右手にありました。
私が今回密かにお会いしたかった泣き不動様です。
そのお名前も不思議ですが謂れは京都の清浄華院という古刹の泣き不動縁起絵巻と関係があるのかもしれません。
ご尊顔を拝見し、その場を辞した我々はサクサク進みます。
途中に矢筈ヶ岳の分岐がありますが土木事務所の看板で「本願谷付近土砂崩れのため通行できません」とあります。
行けないのか~残念と思ってよく見るとその看板に地元山岳会の方が矢筈ヶ岳方面は問題なく行ける旨を記載されていたので安心します。
この分岐を越えてしばらく進むと荘厳な趣のある二尊門が我々を出迎えてくれました。
ここに祀られている二像はお不動様の従者で制多迦童子(せいたかどうじ)と矜羯羅童子(こんがらどうじ)とおっしゃいます。
高野山に運慶作のお像がありますがまた違った描写になっています。
お二方にお山に入ることの感謝とお礼を述べてから山門を後にします。
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(太神山の登山口です。堂山経由で来ると結構な距離になるので別々で来る方がいいでしょう。)
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(道は結構キツいのでゆっくり進んでください。)
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(私がお会いしたかった泣き不動様です。)
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(矢筈ヶ岳の分岐です、行けるので安心してください。)
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(荘厳な趣のある二尊門です。ただ、ここからまだまだ先なのでゆっくり進んでください。)

ただ、ここからまだまだ不動寺まで距離がありますので気持ちを切らさないようにしてください。
そこからしばらく進むと不動寺累代の墓地が左手にあり、さらに進むと三筋滝方面への分岐があります。(下山もできますがほぼアスファルトの道なので風情はありません。)
分岐を見送りさらに進むとようやく田上不動寺に到着します。
ここの境内は広く社務所(誰もいらっしゃいませんが)の前には休憩所とトイレがあります。
境内を奥へ進むとお不動様の立像が中心に祀られた広場があり、右手に進むと階段があります。
この階段を上った先に太神山の山頂と不動寺本堂があります。
不動寺は後回しにしてまずは山頂を目指します。
階段(かなり急で段数も結構あります。)を上がりきると山道になりしばらく進むと左手に小さなお堂があり、その先に三角点と書かれた看板があります。
従い、少し踏み入ると三角点と標高看板があります。
ここが太神山山頂です。
面白いのは標高看板が3個あるのですが一つは599・6m残り二つは599.7mになっていること、ガイドブックには600mになっています。
私の高度計は599.7mを指していたので599.7mが正しいのでしょう。
そこから少し先に進んだ場所が奥の院です。
社がありますのでここまで無事に来られたことを感謝し不動寺まで戻ります。
途中にある大岩は中を潜ることができますのでくぐり抜けて堪能します。
不動寺に参詣して崖の上に建立された立派なお堂を拝見します。
十分に不動寺を堪能した我々は一旦、休憩所まで戻りお昼をいただきました。
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不動寺と山頂へは右端の階段をひたすらあがります。)
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(こんな急角度の階段なので慎重にゆっくり進んでください。)
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(階段を上がりきったらまずは山頂を目指しましょう。不動寺は下山途中でゆっくり見学してください。)
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(三角点は親切にも看板があります。)
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(太神山山頂です。眺望はありません。)
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不動寺です。こんな険しいところによく建立したな~と感動しますので是非とも見学してください。)

コーヒーも楽しみトイレも済ませ用意が整ったので矢筈ヶ岳を目指して出発します。
先ほどの分岐を左に進むと途端に道が不明瞭になってきます。
ここまでの道と同じと思ったら大きな間違いなので初心者の方は上級者同行で進んでください。(ここからは地図・コンパス・高度計は必須です。)
途中に何箇所も脇道があり、ご丁寧にそちらにも赤テープが巻いてあるので道迷いしやすい道と言えます。
矢筈ヶ岳への道標は二箇所ほどしかなく、しかもここに欲しい(分岐にはない。)という場所にはないので注意深く進まないととんでもない方向に誘われます。
また、寄り道となるため結構な距離もあります。
疲れた方は無理をせず来た道をもどる方がいいでしょう。
道なき道を進んでいくとやっと出合峠につきました。
出合峠といってもガイドブックにそう書いてあるだけで実際は分岐になっているだけのなんの変哲もない場所です。(注意深く観察すると木製の小さな看板が木にくくりつけてあり、枝(バス停方面のこと)への方向が示唆されています。)
ナイロン製でできた「矢筈ヶ岳⇒」という看板に従い急登を登ります。
ここ、本当に急登なので足には注意してください。(足首がひん曲がるくらいです。)
しばらく急登を進むとこれまた何の変哲もない場所にぽつんと「矢筈ヶ岳山頂」と書かれた看板があります。(三角点も標高看板もありません。)
展望もありませんので軽く休憩したら下山を開始します。
この山は我々のように山が大好きでいろんな山の山頂を極めたいと思っている人以外はオススメできません。(道迷いの危険性や急登を考えると太神山のピストンでもいいと思います。)
ここからの下山路も道迷いしやすい箇所が何箇所もあります。
ただ、御仏河原あたりは綺麗なのでそこを目指すのもいいでしょう。
その代わりこのあたりは露岩だらけで足場も悪く気を付けないと怪我をするような場所でもありますのでここに入るときは本当に自己責任となります。
御仏河原からひたすら岩だらけの道を下っていくとやがて最初に見た富川道と林道の分岐に出ます。
ここからは安心してアスファルトの道をバス停まで向かいます。
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(矢筈ヶ岳への道ですがこの道は道標も無いに等しいので自己責任でお願いします。)
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(矢筈ヶ岳山頂です。特筆するものは何もありません。)
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(山頂からはこれくらいしか景色は見えません。)
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(写真ではわかりにくいですがかなりの急勾配なので上り下りは気をつけてください。)
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(バス停に戻る道は結構厳しいので矢筈ヶ岳に行きたい方は下調べを十分にしてからにしてください。)
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(バスの時刻表です。計画を立てる際の参考にしてください。ちなみに帰る時の時刻です。)

ちなみにですがこのバス時間厳守ですぐの発車ですので時間には余裕をもって行動してください。
我々は16時8分発のバスに無事乗れたので(バス停に着いたのが16時ちょうどくらい。)バスに乗り、京都駅のいつもの温泉に入り、近くの居酒屋で打ち上げをしてから帰宅しました。