うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(防災対策)

みなさんお久しぶりです。うめぞーです。

実は辛すぎてこの記事を書くのをためらっていました。
熊本地震の犠牲者の方々、心からご冥福をお祈り申し上げます。
現在、避難生活を余儀なくされている方、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
私自身、阪神淡路大震災で大変な目に遭いましたので心中察するにあまりあります。
今でも地震は怖いですしその時の辛い思い出がまざまざとよみがえります。
大切な友人のお母さんが亡くなったのもこの時でした。
震災が起こったときに友人となかなか連絡が取れず、やっと近況を聞いたときにその余りにも凄惨な状況からいてもたっても居られず他の友人とトラックをチャータして水や食料を2日かけて運びました。
何とか友人に会えた時に喜びよりも無くしたものの大きさに呆然としたことを今でも思い出します。
友人の家は跡形もなく、お母さんはその下敷きとなり帰らぬ人に・・・・
友人と弟は2階で寝ていたため難を逃れ、お父さんはたまたま出張でいらっしゃらなかったのでこれもまた難を逃れたのですが・・・お母さんは1階で寝ていたそうです。
私はとてもお母さんに可愛がっていただいていたので本当に辛かったです。

そこで私の経験と山に登るものとして少しでも役に立つ情報を皆様に知っていただければと今回の記事を書く決心をしました。

登山をされる方、及びアウトドアが好きな方はテントを持っていらっしゃる方が多いと思います。
これ自体はすごく役に立つのですが問題は設営場所です。
自宅の庭がかなり広いのであればいいのですが大抵こういう場合はがれきや土砂等の堆積物、あるいはガラスが散乱していてまともな設営は難しいのが現実なのです。
なので車中泊という苦しい状況で暮らされている方が多いと思うのです。
しかし、人間は足を伸ばして寝ないとエコノミー症候群はもちろんのこと、ストレスが溜まります。
こういう時に役に立つ場所は児童公園などの広場です。
一番いいのは少し屋根がある(東屋ならなおいいが屋根だけでもいい。)場所で屋根の部分にブルーシートをしっかり張ってその下にテントを設営すると雨風が防ぎやすいです。
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(こんな感じの屋根があればテントも雨ざらしになりにくいのでいいです。)

出来れば他の場所より少しでも高くなっている場所(10~15cmほどでいい。)なら雨が降った場合、テントの下から雨水が染み込んでくることが防げます。
コッヘルとかガスなども調理ができるのでもっておきたいアイテムと言えます。
出来れば最低でも一週間家族が過ごせるだけのアルファ米(お湯で戻すだけのご飯)を持っているとかなり重宝します。(アルファ米開封さえしなければ2~3年はゆうに持ちます。)
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アルファ米ってこんなのです。登山用具店などには必ず売っています。)

季節にもよりますが被災するとまず欲しくなるのは暖かい食べ物です。
被災直後は当然ですが物資も行き届かず配給も滞り、冷たいご飯でも下手をすれば2~3時間待たないと手に入りません。
児童公園のメリットは他にもトイレなどがあります。
人間は食事を取れば当然排泄もしたくなります。(自然の摂理です。)
児童公園にはトイレがあるところが多いので助かります。
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(児童公園にはこのようにトイレが常設されている場所も多いのでイザという時は助かります。)

あと、これは非常に限定されますがご近所にキャンプ場があればキャンプ場も役に立ちます。
もちろん山裾や川の近くは危険ですが結構平坦な場所ならテントの設営に適しており、トイレ、うまくいけば水場も利用できるかもしれません。
そのためにも普段からご自宅の玄関や物置、あるいは2階の寝室などにテントやシュラフ、登山用具一式を置いておくととっさの場合持ち出せるのであらかじめ場所を決めておく習慣をつけましょう。

よく、アウトドアを楽しんでおられる方は車に毛布などを積んでおられる方が多いと思います。
車で避難する場合は多少の荷物も苦にならないので避難される場合は出来るだけ物資を積んでおくと後々助かります。
ただし、あくまでも周囲の状況によります。
特に震災直後は道路がどのような状態かわからない場合が多いので無闇矢鱈に車で移動しようとすると二次災害に巻き込まれる可能性があります。
得てしてこういう災害はいきなり起きます。
慌てるなという方に無理があるので家の中で起きた場合はトイレに逃げ込みましょう。
意外と思うかもしれませんがトイレは柱が四隅に設けられていることが多く、意外と頑丈です。
ただし、その際は必ずドアを開けっ放しにしておきましょう。(ドアが歪んで閉じ込められる可能性があります。)
登山用品は震災時にとても役に立ちます。
まず、登山靴これは説明不要かと思いますがガラスが割れていようが悪路であろうが瓦礫の上でも足を痛めることなく歩くことができます。
ヘッドライトは夜間の移動や物を探すとき両手が空けられるので便利です。
バーナー+コッヘル、調理はもちろんバーナーで薪や炭に着火することが可能です。
登山のウエアも必須です。
まず、速乾性の割に防風素材を使っているので冬場は暖かくゴアテックスなら防水も効きますので多少の雨にも耐えることができます。
ストックは骨折した人の添え木やツエルトの設営にも役に立ちます。
ソーラーバッテリーは山での携帯充電に使用されている方も多いと思いますが携帯の充電は震災時に電気が止まるので必須です。(絶えずフル充電にしておきたいです。)
出来れば登山用の簡易トイレがあればトイレのない場所でも最低なんとかなります。

震災直後は最低5日間は家に入らない方がいいでしょう。
熊本地震の際も最初本震と思われた地震から2日後に本震が起きています。
一回目の地震で持ちこたえた家も二度三度と大きな地震が起きると崩れやすくなります。

しかし、命があった時からサバイバルが始まります。
正直、震災を経験した人でないとわからないことですがテレビなどで取材を受けている方はまだ被害が少ない方(一概には言えないのですが・・・)なので受け答えもできますが・・・普通に考えてください。
家族が目の前で死んで自分の家も崩壊して更に他の身内(親・兄弟)などが行方不明であなたご自身平常な気持ちで居られますか?
まず、正常な判断は難しいと言えます。
最悪なのは人が人ではなくなります。
もっとひどく言えば火事場泥棒は必ず発生します。(被災者とは限らないです。)
人の不幸に付け込むという鬼畜の所業ですがこんな奴はどこにでもいます。
私も震災の時に泥棒している奴を捕まえて警察に叩き出したことがあります。
命があった時から生きるための戦いが始まります。
最初はいいのです。気も張ってますし頑張ろうという気持ちも強く持っています。
ところが仮設住宅などに入ったぐらいからどんどん世間は次の情報に興味を持ち、その頃の被災者に思いを寄せる人は同じ経験をされた方か身内ぐらいしかいません。
相談できる人もおらず悶々と日々を送っている方もたくさんおられます。
こういう時は周りのサポートがとても大切になります。
阪神淡路大震災から早いもので約20年経とうとしていますが未だに心の傷が癒えることがないのが現実です。
確かに現在はそんなことがあったということを忘れるぐらい復旧が進み、20代ぐらいの人は知らない方も多いと思います。
確かに建物や道路など人工物は年数が解決していきますが人の心は何年たっても変わるものではありません。
どうか物資も重要ですが心のケアも気に留めてあげてください。
難しいことでなくていいんです。
お年寄りの話し相手になるぐらいの感じでいいんです。
話を聞いてあげることが大事なんです。
この頃の風潮なのか少しでも役に立てばと思って行動している芸能人の方や実際に被災して現状を発信している方を「偽善」という一言で片付ける輩がいますが例えSNSだけでもフォローしているだけで救われる方もいるのです。
お金を出すのが偉いとか偽善だとかくだらない論議を交わすより自分に出来ることはなんだろう?ということに重きを置いてみてください。
家の中にたくさんあるであろう不必要な衣類でも現地では重宝する場合があります。

最後に現地の状況は直接聞かないようにお願いします。
よくボランティアに参加するため現地の役場に問い合わせる方がいらっしゃいますが・・・出来れば待ってあげてください。
気持ちはわかるのですが受け入れ態勢も整っていないのに問い合わせや直接行かれても迷惑なだけです。
それなら募金をしてあげるとかご自身の居住地の自治体がどのような活動をしているか調べて物資を供給してあげるとかの方がよっぽど役に立ちます。

日本に住んでいる以上、どこの地域でも大型地震に襲われる可能性は否定できません。
ご自身の生活を鑑みて注意点を家族と話し合っておきましょう。
例えば高齢者がいる家庭ならお年寄りをどのように避難させるのか?
子供がまだ小さい家庭なら子供たちをどのように生活させるのか?
いきなり家が奪われた場合、どのように生活していくのか?
考えることはたくさんありますのでご自身の家庭にあった対策を事前に練っておいてください。

熊本の方、大変な環境ですが耐えてください。
私も経験しましたが日数が経つほど物資が行き届くようになります。
それより怖いのが病気です。例え風邪でも通常時に引くのと非常時に引くのとではメンタルに響きます。
恐ろしくて食事も喉に通らないと思いますが頑張って食べてください。
体力がないと乗り越えていくのが辛いものとなります。
一日も早く被災された方の生活が安定することを祈念し、今回は終わりたいと思います。
早く明るく笑える日が来ることを切に望みます。
失礼します。