うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(山の宿泊)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
今日は雨でヒマな私・・・スイマセンがもう一つお付き合いください。

先ほどリスクマネジメントについて書きましたがまだまだ足りていません。
そこで今回は宿泊について語らせてください。

皆さんは山小屋に宿泊したことはありますか?あるという方・・・どうでした?快適でしたか?
無いという方で今後宿泊してみようという方、是非とも参考にしてください。
山小屋はそれぞれ人気度や宿泊者の多寡で規模の大きい小屋、小さい小屋があります。
大きいところだと有名なところでは槍ヶ岳山荘(収容人数650名、テント30張りほど)がありますしこじんまりしたところで私が好きなのは燕山荘(それでも300人ほどは収容できますが・・・)
他には避難小屋と呼ばれ基本、管理人が居ない無人小屋が遭難防止のため解放されています。(年中)
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槍ヶ岳山荘「俗に言う槍の肩小屋」です。ここの弁当の肉粽はめっちゃうまいです。)

最初は出来るだけ登山ツアーを利用して山小屋というものがどんなものかを学習してからご自身で予約したり下調べをしてから行くのがいいのですが・・・・ツアーになれると怖いのが計画性がなくなるのです。
全てのことに関して山ガイドやツアー主催者が用意してくれるのでご自身が身の回りの物をもって出かけるだけの旅行と化してしまう恐れがあるのです。
これでは本末転倒なので雰囲気に慣れたら次回からはご自身で予約しましょうね。

さて、ここからが本題となります。
前回にも少し語りましたが山小屋は楽しく宿泊したいですがリスクはつきものです。
では、山小屋のあるあるを調べましょう。

1、山小屋までの道のり。

気をつけたいのが到着時間ですが思うように着けるのはツアーガイドが同行してプランを綿密に立てている時か山なれた健脚の方ぐらいで大抵慣れてない一般の登山客はまず、到着が遅れるものと覚えておきましょう。
理由はいろいろありますが大抵皆さんはガイドブックのコースタイムで時間を予測されているのでしょうが・・・
これが一つ目の落とし穴、このコースタイムは休憩が一切入ってません。(ガイドブックにも保険の約款のような小さな字で休憩は含めない旨を記載しています。)
次にこのタイムはそこそこの登山者のタイム(要はガイドブックを書くような人。)なので一般の方に当てはめるのは少々無理があるということ。
なのでガイドブックに山小屋までの時間が5時間と記載されていればX1.5は見ておきましょう。
この場合なら5X1.5なので7時間は見ておきたいところです。

予定は未定とよく言いますが公共機関で登山口に向かうときは遅延ありきで予定を組みましょう。
コースタイムギリギリで予定を組むととんでもない目にあいます。
出来れば朝一のバスに乗り登山口を目指すぐらいの余裕が欲しいものです。
工事中の交通規制や交通事故での規制等は想定内で計画しないとエライ目にあいます。

天候等は大幅な遅延につながります。向かい風や雨などは体力を奪いますのでどうしてもコースタイム通りに進むことができません。
せっかくの連休だからと言って無理やり山行するとこういうシチュエーションに陥ります。

メンバー変更。これは主に主婦層の方につきものですが例えばAさんが用事で急遽行けなくなった場合、代役でBさんを立てるみたいなことを言います。
主婦の方からすればせっかく電車やバスを予約したのに無駄にするのは忍びない・・・わかりますがやめましょう。
まず、うまくいくわけありません。例えば他のメンバーもBさんをよく見知っていたとしても肝心のBさんのスキルまで知っているかというとはっきり言って未知数のはずです。
よく知っているというのは普段からBさんも登山に参加されているからであってそれなら代役ではなくメインになっているはずです。
代役というのは大抵普段は一緒に行かない人になりがちです。
ならばそのBさんが山に不慣れなら?ペースが遅くてブレーキになったら?これまた遅延の理由になります。

体調不良。はっきり言って寝不足や前日の飲み会、残業など社会生活を営んでいれば誰しも陥りがちなことですがこればっかりはどうしようもないので常日頃から体調管理はもちろんのこと、無理なら潔く撤退しましょう。

山小屋とは?
基本、どんな山小屋でも事前予約は必要ですが(食事の関係)当日ドタキャンでも違約金を取られることはほぼないと言えます。(かと言って安直にはしないでください。やむを得ない理由がある場合だけです。)
これは山小屋は街中の旅館やホテルとかとは有り様が違うからなのですが基本予約があろうとなかろうとキャパオーバーでも山小屋にきた人は全て受け入れるのが山小屋です。
なので定員オーバーで宿泊できないということは一切ありません。
これは言い換えれば寝る場所もないほど過密になる恐れがあるということです。
夏山で盆休みあたりに出かけたことがある方は痛い目にあったことがあると思いますが夏の休みが重なる時期に人気の高い山(例えば槍ヶ岳穂高連峰のあたり)に宿泊を求めると0.5畳ほどのスペースに寝かされ、人いきれと暖房のせいで恐ろしく暑く、隣でいびきなどかかれようものなら睡眠不足確定です。
また、朝のトイレ(特に女性)は長蛇の列ですし靴やストックの間違いなどはしょっちゅうです。
ストックは横着せずにザックへ収納し、靴にはタグやロック(ワイヤー式でスキーの板をロックするタイプが便利)
で盗られたり間違えられないように自己責任で管理しましょう。
最近は山小屋もかなり綺麗で食事も美味しくなりましたがそれでもまだまだ行き届いていないのが現状です。
基本、街中のホテルや旅館とは違うのですから当たり前のことなんですがそんなことも知らずに言いたい放題の事を言う輩が未だに多いので辟易します。
こういう方の持論で一番多いのが「だってホテル並みの宿泊費を取ってるんだからそれぐらい当たり前だろ。」ですが山小屋の維持管理(スタッフの給料、設備投資、歩荷さんへの賃金など)は結構かかるので料金が発生するのは当たり前です。
以下に山小屋での心構えを記載しておきますので参考にしてください。

1、食事には文句を言わない。(女性に多く見受けられますがこんなもの食べれないとか言っちゃダメです。)
もちろんですが残すなんて論外です。バイキング形式なら食べられないものは取らない、自分の好きなふりかけや簡単な食材(ソーセージとか漬物とか日持ちのするもの)を持参する。
事前に(山小屋到着後)夕食の献立を聞いて残しそうなものはあらかじめ省いてもらう。
こういう心配りが山小屋では必要です。山小屋で生ゴミは出さないようにしてください。(残飯等)

2、寝床は使い回しが基本、汚いと言わない。
確かに誰かの体臭が臭うような毛布や布団は気持ちの良いものではありませんが山小屋では普通です。
嫌なら枕や布団の口に当たる部位にタオルを敷いたり被せたりして防いでください。
天気の良い日はスタッフ総出で布団や毛布を干しておられますが洗濯なんてできませんし毎日干せるわけでもありません。(過渡期は干している時間すらないのが現状です。)

3、他人のいびきや歯ぎしりは耳栓持参で
山小屋は過密になればとなりとの距離はほぼ0となり寝返りを打つのもままならない状態です。
おまけに赤の他人のいびきや歯軋りほど気になるものはありません。
体力に余裕があればウォークマン等の音楽グッツをヘッドホンで利用するのも手ですが音漏れには注意です。
一番いいのは耳栓(なんたって軽くて安価)を装着するのがいいと思います。
まあ、煩雑時の山小屋は現代社会の縮図と言えます。
自分さえよければ他人(特に単独行を楽しんでいる方が被害に遭われています。)のことなど度外視し、大声はもちろん食事でもトイレでも我先にと言う醜い人間の習性がそこかしこで見ることができます。
山頂にご来光を見る人は寝ている人のことにはお構いなしでヘッドライトを煌々とたき大声を出す。
実に迷惑ですね。
なので出来れば混雑する時期を外して山小屋を楽しまれる方が良いと考えます。
どうしてもの場合は出来るだけ人気の山小屋を避けるだけでもかなり違います。
それでも人気の小屋に泊まりたい方はかなりのストレスを背負い込むことを覚悟の上、泊まってください。
まあ、メンタル部分を強くするのも登山では必要です。(次回のリスクマネジメントで紹介します。)

テント泊について
そんな山小屋に飽きたり冒険したくなったらテント泊をしましょう。
まず最初にテント泊をする条件として
1、最低10kgの荷物を持って登山ができるようになること。(体力をつけること。)
2、基本、食料と水は自己責任なので必ず余分目を持つこと。(余分目は非常食でも良い。)
3、想定外のことを考え、緊急避難先(避難小屋or山小屋)を確保しておくこと。
テント泊をするには最低でも自分のシェラフと食料は持つ必要があります。
経験者が同行するのならコッヘルやガス、テントなどは担いでくれるかもしれませんが基本自分のものは全て自分で持つのがテント泊の条件です。
この頃はテントもシェラフも軽量化され軽くなりましたがそれでもコッヘルやガス、食料などを詰め込みそこへ着替えなどを入れていくとあっという間に10kg近くなります。
テント泊の楽しみ方はまたの機会に紹介しようと思います。(話が長くなるので・・・)
テントを張る場所は山小屋が管理しているのでまずは山小屋で所定の料金を支払い、場所を確認してください。
次に水場の確保ですが山小屋が管理している営場(テント場とも言うテントを張る場所)の近くにあることが多く水は料金が必要な場合と無料の場合に別れますので事前に確認してください。
テントを張る際は地面を均し(石ころなどを取り除きましょう。)出来るだけ水平な場所に設営しましょう。
山は風向きがコロコロ変わる場合の方が多いですが出来るだけ入口に風が吹き込まないように工夫してください。
テントの設営は事前に自宅などで何回も練習して平均10分ぐらいで張れるようにしておきましょう。
よく勘違いしている人がいますがいくら山では互助精神が大事だといってもテントの設営は自分でするのが当たり前です。
こういう時だけ女を前面に出して協力を求める山ガールが増えましたが迷惑です。やめましょう。
また、チンタラ張っていたら風で飛ばされ取りに行くことができない場所まで吹き上げられた人も見ました。
普通のキャンプ場なら笑い話ですが山では命に関わります。
なので不測の事態に備え、山小屋の利用や避難小屋への避難を視野に入れてテント泊を楽しんでください。

避難小屋とは?
避難小屋はその名のとおり緊急避難する場所です。
例えば天気が急変して予定していた山小屋まで行けそうにないとかメンバーの誰かがバテてしまい動けなくなったとか要はそこで一泊するしかないような状況下で使用するのですが・・・
この頃は宿泊費を浮かせるために利用する方も大勢います。
正直本来の使い方とは違いますがこういう人たちは熟練者でマナーも良い方が多いので私はいいと思います。
ただし、当然ですがそこにはただ小屋があるだけで毛布や布団がある小屋は珍しく雨風が防げる程度に考えてください。(当然ですが暖房器具などはないですしコンロ以外の火気は厳禁です。)
基本、テント泊と同じ装備が必要です。
あと、使用したら掃除をしましょう。(感謝の気持ちを次の登山者につなげることが大切です。)
掃除用具は部屋の四隅のどこかにあるはずです。
避難小屋には先客がいたり、後から来る方もいたりするので基本鍵があったとしても(普通はないですが)入口の鍵は開けておいてください。
避難小屋の利用は緊急時を除いて山小屋⇒テント泊と段階を踏んで場慣れしてから挑みましょう。
なぜなら・・・・単独行なら特にですが・・・・相当怖いです。
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(これがある意味有名な滝谷避難小屋と呼ばれる槍ヶ岳に向かう途中にある小屋です。)

上記の写真、滝谷避難小屋というのですが・・・登山者の間では超有名な出るという噂の小屋です。
まあ、この小屋の歴史は古く遭難者(おろくになった方たち)を一時保管した小屋なのでそう言う噂が立つようになりました。
私も何回か前は通ってますがここって泊まるには中途半端な場所なので泊まったことはないです。
ただ、外観とは違い中は綺麗なので気にしない方は泊まってもいいと思います。
まあ、私は幽霊を見ても殴りかかるような人間なので出てこないと思いますし、出てきたらきたで同じ登山仲間なので取り憑きさえしなければ無下にはしないつもりですが・・・・
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(部屋の中です。奥がトイレなのですが・・・・メチャメチャ臭います。でも避難小屋には珍しい屋内トイレです。)

まあ、避難小屋に泊まりたいという物好きは本当の山男で普通の人はメッタに泊まりませんのでこういう施設が山にはあるよということと何かあった時に最終手段として登山計画に織り込んだほうがいいよということです。

ビバークについて

正直、単独行を好むというかよく行く人(私も含め)肝が据わっていないとできるもんじゃないです。
クマに遭遇したことありますか?一人で道に迷ったことは?ビバークした事は?という山で途方に暮れる三大要因の一角を担うぐらいつらいことです。
なぜ辛いか?まず予定していた宿泊ではないということ。
次に装備が無いと寒さに凍え、空腹に耐えかね、暗闇に怯えとおちおち寝てられないのです。
で、そこへ付けて要因が・・・道迷いから仕方なく、怪我で動けず、天候が激変したからとこれまた不幸の塊のような原因で余儀なくされることが多いからです。
だからこそ必要最低限の荷物はどんな山でも私は持っていきます。
ツェルト・ヘッドライト・食料・水etc・・・最低でもこれらのものを持っていれば快適とは言い難いですがひと晩ぐらいなら何とでもなります。
私も何回かビバークの経験がありますが(すごい濃霧で1m先が見えなかった。)こういう時は仕方がないので体力を温存する方向で物事を考えましょう。
はっきり言います。山で物音がしても大半は自然の奏でる音です。
例えばツェルトやテントにサラサラと何かが撫で付けるような音は霧です。(水の粒の音です。)
遠くや近くでパキパキ枝が折れる音がしますが別に獣ではありません。(水分が乾燥して自然に折れた音です。)
そんなことに気力を減らすよりさっさと寝ることに神経を使いましょう。
早い話、クマが出ようが幽霊が出ようが次の朝に目が覚めれば生きているということですし目が覚め無ければ永久に気づかないだけなので気にしなければいいのです。

山での宿泊は下界と違い不便なことが多いかもしれませんが自然に向き合うことで自分の弱点や良いところを客観的に見ることが出来る場所でもあります。
また、迷惑な登山客を見て社会の縮図を感じ、自分はああはなりたくないと戒められる場所です。
それよりも何よりも山に宿泊できればより遠くの山へ行くことができます。
自分の知らない素晴らしい世界がその先に広がっています。
どうか山を恐れないでトライしてください。
正しく山行出来れば山は素晴らしい景色を皆さんに与えてくれます。

皆さんが楽しく山行できるよう心から祈念します。
でわでは~~