うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(リスクマネジメント)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
ご無沙汰しています。うめぞーです。

桜が満開になってきましたね。あと少しで山桜も綺麗に咲き乱れるこの季節、登山に適したいい季節です。
さて、そんな中で今回のタイトルですが登山の季節だからこそ安全に登山をするために見直しませんか?自分のこと、まわりのこと、山のこと。
リスクマネジメントって堅い言い方をしていますが要は危機管理です。
危機管理といっても早い話が気の持ちようなんですね。山で起きる大半の出来事はご自身に起因することが大半で少しばかり気配りや目配り、装備などを見直せば防げることばかりなんです。
でも人間って弱くて思い込みの激しい生き物なんです。
なのでみなさんもこんな経験をしたことないですか?

1、決めつけてしまう。
例えば今NHKなんかのBSで山紹介の番組たま~に見ますが女性のそれもトレーニングには無縁のタレントさんが「きついですね~」なんて言いながら3000m級の山を上っているのを見て「あんな子でも上がれるんやったら楽勝上がれるな~」って勝手な思い込みしてませんか?
テレビ番組ってね、見えないところで大人がたくさん動いているんです。
それこそ登山のプロが同行して指導して上がっているからこそ問題が起きないのです。
だって考えても見てください。問題が起きたら放送できないじゃないですか?
だから万全な体制で挑んでいるんです。
ところが我々は色眼鏡で見てしまう・・・・(古いな~今はフィルター越しに見る・・・でしたね。)
だから舐めてかかり結果、危険な目にあったり時間内に到着できず「こんなはずでは・・・」ってなるんです。

2、みんながやってる。
昔、ツービート(たけしさんときよしさん)さんのギャグで「赤信号みんなで渡れば怖くない。」というのがありましたけど・・・人間の心理ってそんなもんなんです。
少々悪いことと分かっていても「みんながやっているから」と責任転嫁してやってしまうんです。
これを例えば天候に置き換えると・・・せっかく決めた山行、当日はあいにく小雨がぱらついています。
本来なら山行を中止するところですが登山口に着くと結構たくさんの方が雨具もつけず登り始めています。
ところがあなたたちは天気予報では晴れると言っていたので雨具は持っていません。
やめようという友人にあなたは「大丈夫、みんな雨具つけてないやん、天気持つって。」となんの根拠もなく登り始めますが・・・やっぱり雨が本格的に降り出しました。
ほかの登山客はさっさと雨具を装着する中、あなたと友人はずぶ濡れになって凍えながら上ります。
なんとか無事に下山できましたが風邪をひいてしまい友人から怒られ「こんなはずでは・・・」となります。

3、まだ行ける。(楽天的発想)
自分の脚力や体力を理解せず上高地から涸沢へ向かうあなた、天気がよく横尾までは平坦ということもあり本来なら横尾で一泊する予定を急遽変更し、涸沢まで足を伸ばすことに・・・
ところが順調だったのも束の間、横尾から道が急になることを知らなかったあなたは四苦八苦・・・挙句には辺りが暗くなり気が動転してしまいなんでもないところでつまづき捻挫をする始末・・・「こんなはずでは・・・」と思いながらなんとか小屋にはつきますが連絡を横尾にも涸沢にも入れていなかったあなたは大目玉をくらいます。

どうですか?意外と大なり小なりこんな経験をみなさんお持ちじゃないですか?
こうして見ると大抵の事故や道迷いなどは心の問題であると言えます。
じゃあ、どうしていきましょう?これから考えてみましょう。

皆さんはPDCAって聞いたことありますか?会社勤めをされている方は知っている方もいると思いますが・・・
イメージ 1
(これがPDCAサイクルと呼ばれるものです。)

山でのPDCAを考えてみましょう。

P=プラン 登山計画やトレーニングの立案の事を言います。
D=実行  登山の準備や山行のことです。
C=チェック 反省と点検ですね。
A=アクト 改善です。

登山計画というのは漠然としたものでは自分より周りに迷惑がかかります。
例えば日曜日、天気がいいので急に山へ行きたくなったあなたは家族に山へ行くことを告げます。
「どこの山へ行くの?」そう家族に聞かれたあなたは「う~ん、六甲方面かな?」・・・・これでいいですか?
万が一、足をグねったりしてその日中に帰宅できない場合、家族が心配するのは目に見えています。
レーニングもそう・・・うめぞーさんがブログで健康に登山するにはまずは体力をつけましょう。
「エエ事言いよるなあ~よ~し、頑張ろう。」と決意したあなた・・・ところが何をどれだけするのかメニューも時間も決めていないためだんだん三日坊主に・・・そのうち「ま、エエか。」と自己完結でやめちゃった。
どうですか?山行にしてもトレーニングにしてもこんな感じじゃないですか?
ここで計画を見直しましょう。
まずは登山計画。
1、ルート確認(総距離、高度、難易度etc・・・)
2、持ち物(山岳地図or地形図、コンパス、雨具、非常食etc・・・)
3、気候(我々が暮らす街中と山頂との温度差でウェアを選定)
別にストイックに計画を立てる必要はないのです。要は安全に山行を楽しむために必要最低限の下調べと準備が必要なのです。
特に登山をしない家族にとって登山は未知の領域です。
送り出す方は結構不安を抱えています。軽減してあげるためにもどこの山をどんなルートで登るのかなどを教えてあげましょう。(登山計画書を書くと練習にもなるので一石二鳥です。)
次はトレーニング。
1、自分の基礎体力はどれぐらいか?(よくある腕立てや段差昇降が何回できるかである程度わかります。)
2、毎日続けられるのは?(町内を最初は1km歩くなど無理のない運動。)
3、ステップアップはどう見極める?(同じことを繰り返すと体はなれます、少しずつ負荷を増やしましょう。)

実行は実際に山行しましょう。そこでみえてくるものがあるはずです。
例えば今回選んだ山は・・・A,思っていたより楽だった。B,思っていたよりキツかった。
思っていたより楽だった場合、慢心せずに要素を考えましょう。

1、気の合う友人と一緒で疲れを感じなかった。
2、天候がよく、気分的に高揚していた。
3、体調が良かった。(前日グッスリ眠れたetc・・・)

逆に思っていたよりキツかった場合、要因を追求することでリベンジできます。

1、出かける前に家族と喧嘩をし、むしゃくしゃして楽しめなかった。
2、天候が急変し気温が下がり、体力を奪われた。
3、元々、体調があまり良くなかった(風邪気味、寝不足など。)

こういうことを出来るだけ簡素に日記にまとめてみたりブログに書き残したりすれば次の山行の際、反省を踏まえて持っていくものや用意、ルートの確認などを怠らなくなります。

チェックは主に登る前に点検したいものです。(出来れば前日から始めましょう。)

1、持ち物チェック(忘れ物などが無いかですが意外と小物を忘れがちです。例えばカメラやコンパス、携帯の予備バッテリーなど忘れるといざという時困ります。)
2、グッズチェック(登山靴のソールは剥がれていないか?ウェアは破れていないか?防水は?)
3、身体チェック(体調不良は無いか?前日よく睡眠が取れたか?痛みを感じる部位は無いか?)
ここに前回の反省を踏まえて必要なものを持っていくように心がけると完璧です。

最後は改善です。
例えば前回の山行で水バテやシャリバテに陥ってしまったのなら食料を増やす、水を増やす。
毎回、下山中に膝が痛くなってくる⇨筋肉を鍛える、ストックを使用する、サポーターを装着する。
思っていたより登頂時間or下山時間がかかった⇨ルートの見直し、エスケープルートは考えているか?
などなどたくさんあります。

要は危機管理はどれだけ皆さんが意識するかで変わります。
漠然と山へ行き帰ってくるだけでは進歩がありません。
リスクマネジメントと言うとお堅いイメージで大げさに思うかもしれません。
しかしこれを私たちの心身に置き換えてみると途端に身近な言葉に変わります。

いい例をあげるとあなたのお腹周りのぜい肉・・・どうします?
解決手段を外部に求めますか?(ダイエット食品、フィットネスクラブetc・・・)
でも結局長続きしませんよね?それって他人に依存したり代替え用品に頼っているからですよね?
それならカロリーに気を遣い食事をする。今までバスに乗っていた区間を歩くようにする。
どうです?これなら主導はご自身です。受動は他人に押し付けられた感が拭えないので長続きしませんが主導ならご自身が決めたことなので意外と長続きするのです。
だってこれって自分の中から改善するということですよね?
これがマネジメント=管理するということなのです。

山もそうです。自分自身がどういうふうに取り組むかを考えないとただの武勇伝に終わり下手すりゃ事故につながります。
よく居酒屋で「道迷いしたけど俺が正規ルート見つけたから無事に帰って来れた。」とか「足滑らせたけどなんとか踏ん張って下まで滑落しなかった。」などと自慢している方を見受けますが・・・これって武勇伝?
一歩間違えたら笑って酒なんか飲んでられませんよね?
こうした些細(滑落は些細ではないですが。)な出来事を笑い話で終わらすのは簡単なことですがこれを良い経験と捉え、再発防止策を講じれば次の登山に活かせるというものです。

これだけ頑張ってリスクを考えてみても山では思い通りに行かないことが多々あります。
なので「予定半分・偶然半分」と考え、どうすれば予定通りに遂行できるかを工夫してみましょう。
よくいろんな方が言っておられることですが「登る力 三分の一、下りる力 三分の一、余力 三分の一」と言い全力を使うのでは無く余裕を残しておけと言う意味なのですが計画も同じように必ず目的地や下山ルートを完遂するのではなくもしもの場合、最悪は撤退orエスケープルートを考えておくと心身ともに余裕が生まれます。

リスクマネジメントは一気に語れないのでこれからの季節に必要な情報を次回に届けます。
これから季節が良くなってくるので山小屋やテント、ビバーク(これは出来るだけ避けたいですが・・・・)などについて次回は語りたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
でわでは~~