うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(山岳地図)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
うめぞーです。

今回のタイトル、思いついたきっかけは前回の鳥見山で出会った変なオッサンの影響です。
この頃よく地形図地形図と三種の神器のようにのたまう方がたくさんいます。
私のブログでも確かに地図の重要性を散々説いてきました。
が・・・・です。よく読み返してください、私地形図が必要なんてほとんど言っていません。
山岳地図に記載されていない場所で少しややこしそうなところだけあったほうが良いと言っているだけなんです。
別に地形図がダメとか見にくいとか言っているわけではないのです。
少し勘違いされている方が多いのでハッキリ言いますが山岳地図=地形図なんです。
意外に思われる方も多いかもしれませんが山岳地図は地形図を元に実際にGPSを持った方がルートを歩き、地図上に復元したものが山岳地図なのです。
だからコースが明瞭でしょう?
下に私のよく行く愛宕山を例に取ってみましょう。
イメージ 1
(ね、コースはわかりやすくコースタイムやどこに何があるかとか一目瞭然ですよね?)

で、次は同じ愛宕山を地形図で見てみましょう。
イメージ 2
(これが地形図です。コースはどれがどれだか?コースタイムや情報は一切なし。)

わかりますか?よっぽど地図に精通していない限りこの地形図から何が読み取れます?
はっきり言ってこの地形図だけではただ単に地図を持っているというだけなんです。
ないよりましどころか無くても問題がありません。
ならば山岳地図やガイドブックに記載されている地図で十分なんです。(元々が地形図ですから)

私はよくこんな書き方をします。(地図・コンパスはもちろん高度計も必須です。)
地形図が必要な場所は山岳地図やガイドブックに記載されていない山域です。
以前にそんな場所には近づいて欲しくない旨も記載しました。(不必要な道迷いを防ぐためです。)
コンパスと高度計があれば地形図から自分の現在地を算出できますが無ければ地形図はただの紙切れです。
この頃、地形図を持っているという方に見せてもらうと磁北線すら入っていません。
はっきり言って???これでどうするつもりなんだろう?と思います。
地図には当然北が存在し、地図にも記載されていますがその北は正しい北ではないのです。
日本は北から南までを斜めに走っている国です。
当然ながら北にズレが生じています。(北海道は約5°沖縄で約10°関西では約7°となっています。)
なのでまずは地形図に磁北線を引く必要があるのですが・・・実は誰でも簡単に引けるので今からそのテクニックを披露させていただきます。
これが出来ればご自身の山岳地図(原紙はもったいないのでコピーした地図で書き込んでね。)に書き込めば下手な地形図よりよっぽど充実した山岳地図ができるでしょう。
まずは山岳地図と磁北線引いた地形図を比較しましょう。
イメージ 3
(写真は拡大してみてください。等高線についても記載しています。参考にしてください。)

では、実際に線を引いてみましょう。用意するものはものさし(300mmのスチール製が安定します。)と分度器なんですが分度器がないご家庭のために分度器を使わない方法を(関西限定)
イメージ 4
(見にくかったら写真を拡大してね。)

上記の図にあるようにまず地図の北を確認して地図の右端に下から10cmのラインを引きます。
次に10cmの先端から平行に左方向に1.23cmのラインを引きます。
10cmのラインの一番下にものさしを当てて1.23cmのラインと結んだ線が磁北線(7°)です。
後は磁北線にものさしを当ててコピーをどんどん作れば地図上には磁北線がたくさんできます。
これで山岳地図に唯一なかった磁北線の出来上がりです。

コンパスを使用して現在地を算出する方法は次回(これって結構文章が多くなります。)に紹介します。
今回は等高線まで紹介しましょう。
等高線は細いものが10mごとの高さを繋いだもので主曲線といいます。
それより太い線は50m単位となっておりこれを計曲線といいます。
まあ、早い話が高さがわからない場合、この等高線を一本一本読み取れば高さがわかるというもので使い方は高度計があることが必須条件ですが・・・・
例えば目の前に分岐があるとして右は少しずつ上りですが左は下っていっている道とします。
高度計を見ると現在400m、目的地は600m、地図を見てみると目的地へのルート上、下る道はないとした場合、下る道はおかしいとの判断ができます。
面白いので先ほどの愛宕山を3Dマップ(地形図)で見てみましょう。
イメージ 5
(これを見てもわかるように愛宕山は全編上りの平坦な場所が少ない山だとわかります。)

山を登るということは如何にその山の特性を掴み、地形を把握するかということです。
言い換えれば現在地を知るのに一番適したものは山岳地図なのです。(情報量が違います。)
地形図を使用するのは上級者であって初級者の方は上級者指導のもと、十分に理解をするまで地形図だけで山に入るのはやめたほうがいいでしょう。
もちろんですがコンパス・高度計は必須です。(地形図のみの場合)
下手に知ったかぶって素人相手に地形図をひけらかしてはいけません。
まずは山岳地図でよく山になれることです。
地図は常に取り出しやすいところへ入れておき絶えずコース上で現在地を確認するようにすれば道迷いした場合すぐに本線に復帰できるでしょう。
また、ご自身のホームベースとなる山域を決めておき、あらゆるルートから登頂してその山のどこに何があるかまでつぶさに調べておいてから地形図を使用するとより一層理解が深まります。
まずは山岳地図で方角を確かめ、コンパスの使い方を学び、遠くの山々を山座同定することが出来れば地形図に移行していっても問題は無いと思われます。

私は携帯のアプリで(有名なのはYAMAP)自分が歩いたルートを保存できるアプリを使用して山から帰ってきたら自分の地図にルートや情報を書き込んでいます。
そうすることによって例えしばらくぶりにその山域に訪れても大きな道迷いが防げるからです。
地形図が読み取れるからカッコいいとかコンパスが使えるからエライとかじゃないのです。
要はご自身が安全に下山できるためのものなんです。

ちなみにですが私の山ガイドは結構正確なルートですので安心して使用してください。
(初期の頃は面倒くさかったので結構アバウトですが・・・(@^▽^@)すいませんです。)
山岳地図と地形図の最大の違いは山岳地図のルートは実際に登山者がGPSで記録したルートが元になっており、地形図は航空写真が元になっているので実際のルートから若干のズレがある場合があります。
国土地理院の方のために釈明しておきますが、ズレが報告された場合は職員の方が現地に調べに赴かれ実際の地図に沿うように修正されています。(いい加減な作りではないので誤解の無いようにお願いします。)
元々、地形図は山登り用に作成されているわけではなく、日本のすみずみまでを地図に記載されているものなので山岳地図と作りはもちろん目的が違うことをよく理解して使用してください。

この頃は多種多様な山岳関係の書籍が販売され、そのこと自体はとても良いことで歓迎すべきことなのですが生兵法は怪我の元ということわざがあります。
まずは正しい知識を身につけて実践されることを切に望みます。
一番大切なのは体力と脚力、これが身につかないうちからやれ地形図だ~地形図を持っていたらどんな山でも登れるぞ~というような安直な結論はいただけません。
よく、どんなスポーツでも格好から入る人を見かけますが・・・危ないですし滑稽ですよね?
昔、私がスキー初心者だった頃、最新のスキーとファッションで身を固めた方が山頂にいたので邪魔をするのが嫌でその方が滑られるまで待っていたんです。
ところが・・・いつまで待っても滑る気配がないので申し訳なく思いながらヘタなりに滑って降りたんです。
で・・・リフトに乗って山頂に近づくと・・・まだいるんですね。
あれ~?インストラクターの方かな?と思った頃、ようやく滑り出したんですけどものの3m行かないうちに転倒・・・その後も転倒を繰り返しながら降りていかれました。
私は何故かそれを見て笑えず・・・むしろ悲哀を感じました。
なぜ、見栄を張る必要があるのか?下手なら下手でいいじゃない。最初は借り物でいいじゃない。
上手くなってから自分の身の丈に合うものを買えばいいじゃない。と思いました。
山も同じだと思います。
お金にものを言わせて最新のグッズで身を固めたところでゼハ~ゼハ~と息切れしながら登っている横を同世代の方が颯爽と抜いていかれたら・・・悲しくないですか?
下手な知識をひけらかすよりも実践で見せたほうがカッコよくないですか?

だから私は思うのです。
常に身の丈にあった生活をしようと・・・見栄を張らず、山に対していつも謙虚に挑もうと・・・・
山はなにも言いません。文句を言わない代わりに褒めてもくれません。
でも、頑張って頂に立った人だけには素晴らしい景色をご褒美にくれます。
だからもっといろんな山に挑みたくなるのです。
でも、自分がその山に挑めるための条件は整っているのだろうか?いつも自問自答しています。
体力は?脚力は?知識は?用意は?一つ一つを確かめながら登っています。
皆様も素敵な山行を行うために自分を見つめ直してみてください。
そこから先はきっと今よりレベルアップした山行を楽しめるでしょう。
皆様が素敵な山に出会えるよう心から祈念します。
でわでは~~~