うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

霊峰・白山

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今回は大好きな白山へ行ってきました。
白山は約15年ほど前に大人数で行ったきりとなってしまいなかなか行くチャンスがなかったのですが今回はいつもの悪友と行くことが出来たので楽しかったです。
白山は日本の三大霊峰の一つとされ(富士山・御嶽山・白山)古来より信仰の厚い山です。
しかし近年は室堂ビジターセンターのおかげで老若男女で賑わう人気の山となりました。
それではコース案内です。
白山へのアクセスはマイカーが一番良いのですが公共交通機関で行かれる方は金沢あたりから直通バスも出ているようですので調べて行かれるのもいいでしょう。
イカーでしたら一ノ瀬まで行くことができます。
今年は7月11日から一ノ瀬⇔別当出合までの区間はマイカー乗り入れ禁止となっており乗合バスでの移動となります。(大人500円片道)
バスは約20分間隔で運行されています。
我々は金曜日仕事が終わってから福井で前泊して一ノ瀬に移動しました。
10時20分発のバスに乗り込み別当出合を目指します。
懐かしい別当出合の風景を楽しみながら準備を整え、いざ出発なのですが何故か違和感が??そうです本来の登山道は鳥居をくぐって左に進み少し進んだところに吊り橋があったはずなのに今は鳥居のすぐ先にあります。
私の記憶違いか?と怪訝な面持ちの私を見た友人が察したようで「ああ、橋な~前の長雨で前の橋が壊れたようでこの位置に変わったらしいわ~。」さすが友人はよく知っています。
ちなみに別当出合に鳥居があるのはここから御神域の始まりだからなのですが一ノ瀬あたりまでが御神域との説もあります。
元々山はどの山でも動植物の保護の観点から植物の持ち帰りはもちろんのこと、傷つけないように注意が必要ですが白山は特に厳しく別当出合やその先には足裏マットが設置されています。
これは他府県の植物の種が入り込まないよう設置されていますので面倒がらずにしっかりと足裏を掃除してから登山していただきますようお願いします。
我々もしっかり掃除してから鳥居の前で一礼して吊り橋を渡ります。
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(鳥居の先にある吊り橋を渡った先からが登山道となります。手前にある足ふきマットで足をよくふいてください。)

 渡った先から本格的な山道が始まります。
しばらく進むと右と左への分岐が???私が前回来た時にはこんな道はなかったのに??
するとまたまた友人が「ああ、この道な~上りと下りに別れたんや、元々この辺道幅狭いやろ?登山者増えたしな~下り側が滑りやすいから上り専用と下り専用に分けたんや。心配せんでも中飯場手前で合流してるわ~。」流石です。
私が出張でなかなか登山ができなかった時期でもこの人は一人で来ていたので大抵の山の現在について精通しています。やっぱり頼りになる兄貴です。
上りはキツくなったし気をつけろよ。との友人の言葉に気を引き締めて上ります。
確かに友人が言うように少し進んだあたりからいきなり石段となり高度がぐんぐん上がりました。
おまけに道幅が狭いため立ち休憩もなかなか取れる場所がありませんので注意してください。
我々は普段からこういう道をガンガン登ってますので普通に上って行きます。
おかげで一度も休憩することなく中飯場につきました。
 中飯場はトイレも完備されており水場もありますので水の補給や休憩に適しています。
実際、この日も急登を切り抜けた人たちがたくさん休憩されていました。
我々はそれを横目に休憩せずそのまま進みます。
飯場から少し上ると平らになっている場所があり、そこには足ふきマットが設置されています。ここでもしっかり足裏の掃除をしておきましょう。
ちなみに白山には白山でしか生息しない固有の植物がたくさんあります。
登山という行為はわれわれ人間側の勝手な都合ですので動植物や自然を保護していきましょう。
白山への登山道は他の登山道とは少し違いほとんど高い樹木がありません。
なので日陰が少なく日射病や熱中症になりやすい道ですのでこまめな水分補給や体温が上がったと感じたら早い目の休憩を取るようにしてください。
特に女性は日焼けを嫌がり長袖を着る傾向が強いので注意が必要です。
実際にばてている方を何人か見かけましたがこのあたりでばてているようでは到底山頂までたどり着けません。(勇気ある撤退も視野に入れておきましょう。)
特に甚之助避難小屋までは結構な急登と距離がありますので気をつけてください。
樹木が低いせいで眺望はなかなかに良いのですが砂防新道の名前の由来通り砂防工事用の道であったため別当覗きまではあんまり風情があるとは言えませんがこの時期、一番安定している登山道ですのでここは我慢です。
8月の最盛期ぐらいまで行けばたいていの道も安定しますが7月では雪渓が深く厳しいためアイゼンなどの装備が必要な道もあります。
特にエコーラインなどは我々が上った日でも要アイゼンになっていました。
別当覗きにたどり着くと目の前に別当大崩れが広がり改めて自然の脅威に身が引き締まります。
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別当覗きからの景色です。雄大な景色に見とれますが手前の大崩れを見ると驚異を感じます。)

ここから甚之助避難小屋まではすぐです。
小屋はもちろん周辺にも以前の小屋の跡地が広がっており中休憩にはもってこいです。
もちろんここで食事を取られる方も多数いますので食事もいいでしょう。
トイレと水場もありますのでゆっくりできます。
我々もここで中休憩を取って水を補給し行動食を食べてこれからの黒ボコ岩への急登に備えます。
ちなみに我々は大休憩をメインとしていますので中休憩は大体よくとっても20分程度で普段は10分から15分も取ればいい方ですがこの日は気温も高かったこともあり素直に30分程度とっておきました。
まあ、順調に登ってきたこと、コースタイムを大幅に短縮していたこともあり時間に余裕があったからですがあまり休み過ぎると次の行動時に体がついてこれなくなるので注意が必要です。
よく登り始めは体が重いと感じると思いますが酸素が行き渡っていないので当然なのです。
特に高山は顕著に現れますので無理をせずスピードを普段の半分以下に落として調整しながら登ってください。
ここから少し上がると南竜道分岐があります。
右へ進めばエコーラインやとんび岩コース、さらに先には南竜山荘があり別山への拠点となります。
ただし、エコーラインなどは8月まではアイゼンが必要です。
我々は分岐を左に進みその先の黒ボコ岩を目指します。
黒ボコ岩へは12曲がりと呼ばれる急登とその手前にある雪渓を横切るという難所が二つあります。
雪渓は万が一、足を滑らすとかなり下まで滑落する場所にありますので注意してください。
また上り側はいいのですが結構斜度がありますので下り側は要注意です。
雪渓は道幅も狭く当然のことながら履行できませんので基本は上り、下りを交互に交代して進むのですが我々が雪渓に到達したとき丁度下りの方がたくさんいたので道を譲りました。
この時点で我々2名しかいなかったので多い方を優先したのですが・・・
約10名程の方は我々にお礼を述べて下りていかれましたがほんの少し後から2名追加で下りてきたので待っているとカップルのようでしたが女の子が「キャー怖~い。」などと言いながら彼氏にしがみついて下りてきました。
街中なら微笑ましい光景なのでしょうがこんな険しいところでする行為でもなく万が一、足を滑らすと二人共滑落するのでもう少し真剣に進んで欲しかったです。
また、我々が行こうとすると空気を読まずに突っ込んできた単独行者もおり、友人が「マナーという言葉はどこに行ったんやろな~」と嘆いていました。
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(こういう雪渓を渡る際は譲り合いでマナーを守って安全に渡りましょう。滑落すると危険です。)

 昨今、第三次登山ブームとなりいろんな方が山に来るようになったことはいいことなのですがマナーの無い方も随分と増えました。悲しいことです。
気を取り直して進むと沢を渡渉するために設けられた石畳上で休む人たちが・・・・
登山道で休むのはもってのほかです。そんな脚力なら来なけりゃいいのに・・・
不快感を顕にしながらそれでも気を取り直し12曲がりを進んでいきます。
このあたりは白山の中でも屈指のお花畑が広がる場所で私の好きな場所でもあります。
黒ボコ岩の手前には延命水と呼ばれる湧水があります。
水量は少なくチョロチョロとしか出ませんので汲むのが一苦労ですがとてもおいしい水なので一度飲んでみてください。
黒ボコ岩についた我々はここで食事をいただくことにしました。
もちろん邪魔にならない場所を選び用意を進めます。
本日は焼肉です。このために私は重い食材を担いできたので食べた時は感無量でした。
ご飯も上手に出来たので友人が「うまいわ~ありがとう。」と礼を述べて一心不乱に食べているのを見て苦労もいっぺんに吹き飛びました。
ここでゆっくり休憩した我々は一路室堂ビジターセンターを目指します。
ここから先は木道歩きが続きますのでストックは片手に持ちましょう。
たま~に先端のキャップをとったままにしている人を見かけますが木道が痛みますので絶対にやめましょう。
このあたりは弥陀ヶ原といい、お花畑が点在しますが基本木道以外は通行も侵入も禁止ですので注意してください。
木道を渡りきると少しばかり岩が点在した道を上りますが上りきった先がビジターセンターですので頑張りましょう。
我々は宿泊の手続きを済ませたら山頂を目指すはず・・・だったのですが受付右横が売店でそこから皆さんが生ビールを運ぶ光景を見ていると・・・たまらん・・・飲みたいという欲望に負けてしまい(まあ、山頂もガスっていたんですけど)荷物を部屋に置くと早速のビールタイムに突入してしまい結局初日はこれで夕食までプラプラして夕景や夜景を満喫してから就寝しました。
二日目、ご来光を見るため早朝より行動している人たちにたたき起こされ起床。
ただし我々も含めご来光を見に行かない人もたくさんいますので静かにしていただきたかったのですがまあ、ここでもマナーのなさが鼻につきます。
不必要なヘッドライトの点灯で部屋は真昼のようになり大声でしゃべりだすやからもいたため品の良い?私も我慢の限界となり鶴の一声で黙らせました。
(どう言ったかは内緒です。関西人の迫力とだけ言っておきます。)
3時頃から登り出すのを尻目に我々は部屋でゆっくりとくつろぎ4時頃から活動し始めます。
実は白山はご来光と呼ばず「お日の出」と呼ばれておりビジターセンター前にある白山比咩神社祈祷殿(ここは祈祷殿であり奥宮は山頂にあります。)から神主さんが山頂へ上がり祈祷してくださいます。(夏の天気の良い日限定)
なので山頂からの日の出は人気ですが人が多く本当に山が好きな人はその時間帯を避けて登頂する方が多いです。
我々はこれをカウンターアタックと勝手に命名して行っているのですがビジターセンターの朝食が朝の5時半からで食事を終えて登り出せば山頂に着いた頃には誰もいないので静かな山頂が楽しめます。(ご来光はビジターセンター周辺からでも十分楽しめます。)
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(白山山頂の御前峰です。日の出さえ気にしなければ誰も居ない静かな山頂を満喫できます。)

 山頂を満喫し奥宮へも参拝を済ませたらいよいよお池めぐりです。
紺屋ヶ池から始まり千蛇ヶ池方面へぐるりと周遊するコースなのですが雪渓がたくさん残っていますので注意が必要です。(アイゼンはお好みでどうぞ)
素晴らしい景色と野鳥の鳴き声に癒されながら大汝峰を目指そうとしたところで私のうっかりミスが・・・お弁当をお願いしていたのですが受け取り時刻の最終が8時でこの時点で7時すぎ・・・登って降りても間に合いそうですがここは大事を取って受け取りに行くことにしました。(山での食料は死活問題です。)
途中の大雪渓で登山靴スキーを楽しみながら室堂に戻り無事にお弁当を受け取りしばらく休憩してから下山開始します。
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(ここは登山靴スキーが楽しめる楽しいスポットです。もちろんアイゼンなんか必要ありません。)

 途中のお花畑で写真を撮りまくりながらゆっくり降りていきます。
しかし結局はお昼前に別当に着いてしまい楽しかった山行も終わりです。
我々はお弁当を別当出合で美味しくいただきその後近場の温泉で汗を流してから帰路につきました。
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(下山途中に見つけた山百合です。とても神々しく見とれてしまいました。)