うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(夏山の危険について)

どもども、うめぞーです。ご無沙汰しています。

いやぁブログと言いながら不定期にしか書かない不精者なのに読んでくださる方がいらっしゃるのが嬉しいやら申し訳ないやらですが今回も少しの間お付き合いください。

さて今回のタイトルにもあるように夏山には色々なリスクというか危険があります。
元々登山はリスクとの戦いです。
天候に左右されその日の体調に左右され時間に追われと言いだしたらキリがないのですが全ての条件を満たした時に素晴らしい景色と感動を山からおすそ分けしてもらえるのです。
そんな登山という行為は今頃(8月~10月)最盛期を迎えます。
この季節、高山なら山頂付近は天然クーラーのように涼しいのですが当然ながら高山は距離も長いので途中で色々なリスクを背負うことになります。
今回はそんなリスクをピックアップしながら回避方法を考察します。

1、熱中症及び熱射病

皆さんは熱中症と熱射病の区別はつきますか?実は熱中症重篤なものが熱射病です。
熱中症はどんなに体を鍛えた人でもわずかなきっかけでなりますしましてや登山というハイリスクな行為は夏場では一番危険な行為とも言えます。

ではその辺を踏まえて熱中症及び熱射病をもう少し掘り下げてみましょう。
熱中症は初期症状として熱けいれんと呼ばれる症状があらわれます。
これは登山と深く関わるのですが大量の汗をかいているにも関わらず水分のみを補給したり水分自体が少なかったりすると発症します。
主な症状は急にこむら返りを起こしたり足がつったりします。(つりそうになるのも含みます。)
よく登山をする人や運動を良くしている人はいきなりつったりこむら返りになったりすることは希ですがそれでも前兆としてつりそうになったり足が痙攣する一歩手前まで行くことがあります。
これは大量の発汗による塩分の流出が原因ですので水分だけ補給しても改善しません。
塩分を含む食べ物(塩飴や柿の種などがいい。ピーナッツやアーモンド系の豆類もいいです。)と水を一緒にとり木陰で体温を下げるとなお良いでしょう。
ここで押さえておけば無理のない範囲で自力下山が可能になります。

次にこのまま放置していると中症状の熱疲労に移行します。
熱疲労まで行くと頭痛、めまい、吐き気に襲われひどい時は意識障害を引き起こします。
これは入院して治療が必要なレベルですので緊急性が高いと言えます。
迷わず救助要請してください。
間違えても自分でなんとかしようと思わないこと。パーティの場合救助要請はもちろんのこと出来るだけ被害を抑えるため患者を木陰に移し体温が上昇しないようあおいであげたり水を飲ませたりと介抱をしてあげてください。
極端な脱水症状のレベルですので症状を緩和するには少しずつしかし出来るだけ絶え間なく水を与え、ロキソニン系の鎮痛剤を飲ませればある程度症状を緩和することができますが程度によりますので絶対に救助が来るまで木陰から動かさないこと。
本人が大丈夫といっても歩かせたりするのはもってのほかです。(最悪のケース死に至ります。)

これより進むと熱射病になり致死率が一気に跳ね上がります。
よくニュースで熱中症により死亡と出ていることがありますがほとんどが熱射病に移行した上での死亡です。
熱射病とは体の深部体温が40°を超えた状態をいいます。
たとえ助かっても急性腎不全になる確率が90%を超えるとされており体へのダメージは相当なものです。
こうなったら救助を待っている間にも死亡するリスクが高まります。
なので熱射病にだけは移行しないよう無理をしてはいけません。
よくあるのが単独行なら自分のペースで歩けますがパーティの場合、自分のせいで行程が遅れているとか足が遅いから迷惑をかけているとか思い込みの激しい人がこのケースに陥りやすいです。
後は山を舐めてかかり低山だから大丈夫と水や非常食を持たずに上った結果、発症することが多いです。
出来れば水の他にスポーツ飲料を持っていくのがベストですが重量が増えますので水に溶かして飲むタイプのスポーツ飲料をザックの中に入れておくといいでしょう。
今流行りの塩飴をたえず舐めながら適度な水分補給を心がけると効果的です。
また山行も出来るだけ木陰の多いところを選びましょう。
得てしてこういう場合、連休を利用して、もしくは夏休みを利用して連泊で山へ出かける方が多いと思いますがほとんどの高山は森林限界ぐらいから木陰は全くないですし下手をすると山麓から木陰の少ない山道を余儀なくされることもあります。
自分の体調、体力、装備とよく相談し無理のない計画で登りましょう。

次に夏山で多いのが雷です。
よく夕立三日と言いますがこれは一回夕立があると大体同じ時刻に3日続けて夕立が降ることが多いことから言われてきたことですが山では雷三日といい、大体同じ山域で雷が3日続くことから言われています。
基本、登山は早立ち、早着きが基本で朝の5時や6時から出発し、夕方遅くても4時までに山小屋に着くのが基本とされています。
これは前述した熱中症予防にも効果的ですが(涼しい時間帯に出来るだけ進んでおくということ。)夕立はその名のとおり午後(俗に言う夕方)から起きることが大半なので出来るだけ早い時間に山小屋に到着することで危機を回避することができます。
また、事前に下調べをしておき避難小屋の有無を知っているだけでもリスクは少なくなります。
それでも回避できなかった場合はどうするか?考えていきましょう。
まず雷は予兆があります。
最初は遠くの方に入道雲が沸き立ちみるみるうちに広がって気が付けば雨が降っているというのが一般的なパターンです。
これなら大体ですが自分のところに来るまで約10分は稼げますのでその間に避難できる場所まで移動し、無ければ出来るだけ低地に向かい(下山)樹林帯まで戻り金属類を体から離し雨具を身にまとい地面に寝そべると直撃をかなりの確率で防げますが完璧ではないので過信しないようにしてください。
次がなかなか難しいのですが山頂付近での雷との遭遇です。
これはもうほとんど運です。またこういう時の雷は予兆も少なく気が付けばすぐ近くに来ていたということはよくあります。
基本は樹林帯と同じく金属類は遠ざけ岩場などに身を隠し出来るだけ低い姿勢を取ることが肝要ですが運の要素がかなり高いため出来れば事前に山小屋に電話をしてこの一週間の天候や雷情報を集めた上で登山に踏み切るかどうかを決めたほうがいいと思います。
またスマートフォンなどのアプリで山の天気をリアルタイムで閲覧出来るサービス(有料含む)がありますのでそちらもあわせて活用するといいでしょう。

本当はまだまだ夏山のリスクを語るつもりでしたが眠たくなってきましたので今回はこの辺で・・・でわでは~~