うめぞーの山登りブログ

山登り大好きオヤジの回顧録です。

山と健康(熊野古道への誘い)

ドモヽ(*´ω`*))((*´ω`*)ノドモ
相変わらずの不定期開催うめぞーです。

最初に・・・高校生が多数犠牲になった雪崩事故・・・本当に切なく心からお悔やみ申し上げます。
お父上の悲痛な言葉が胸に刺さりました。
本当なら幸せな日々がこれからも続いていたはずなのに・・・心から気の毒で切ない思いになりました。
いろいろな疑問が残ります。なぜビーコンを持たせなかったのか?
なぜ新雪で雪崩注意報が出ていた中でラッセルさせたのか?
言いだしたらキリがありませんがこの事件でほかの生徒さんが登山を嫌いになったり山自体を嫌いになったらやりきれません。
どうか残された家族や助かった生徒さんの心が一日でも早く癒されて欲しいと切に願うのみです。
人は自分ひとりで生きているわけではありません。
我々もこの事件を肝に銘じて家で無事を祈る家族のためにも安全登山を心がけましょう。

さて、今回のタイトルですがもうほぼほぼ制覇したといってもいいくらい熊野古道に出かけていますがまだまだ行きたいところはたくさんあってその魅力にハマっています。
また、意外と思うかもしれませんが足腰を鍛えるのにちょうどいいプランを立てやすいのも魅力の一つです。
この前、八鬼山でお会いした団体さんは無理をせず、一つ一つをプランニングして行かれているそうです。
例えば足腰の弱い方は行程を寸断してトライすれば有名な中辺路でも走破できますし我々のようにひたすら歩くことが好きな人間なら長距離を無理なくプランニングすれば短時間で回ることもできます。
また、古道の魅力は史跡にもあり、石像や碑などを拝見しながらのどかな道を歩くのは格別です。
極端な話で言えば日帰りで行くこともできますし2~3泊でもすれば見所満載なルートをチョイスできます。
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(この図はざっくりですが熊野古道を表しています。主要なものだけでも6ルートあります。)

よくYAHOOなどの質問コーナーに初心者に最適なコースはどれがいいですか?などの質問が乗っています。
しかし、こればかりは安直にここがいいとは言いにくいのです。
有名どころでは滝尻~熊野本宮までの中辺路ですが距離があるので普通は3回くらいに分けます。
確かに牛馬王子に代表されるように見所は満載なのですが簡単ではありません。
結構、安直にこのルートを詳細なしで初心者向きだという方がいますが少し無責任です。
まず、古道の雰囲気に慣れて古道の魅力にハマってから中辺路に行って欲しいと思います。
でないと意外なキツさにもう行きたくないとなりかねません。
私がおすすめするのは馬越峠
もう何がいいかって近畿圏からのアクセスだけではなく名古屋方面からのアクセスがいいこと。
京都からでも車なら2時間半ほどでつきます。
距離が短いので危なくないこと。(道迷いの心配が皆無と言っていいほどです。)
その割には古道の良さがギュッと凝縮したような素敵な道であること。
足腰に余裕がある方なら天狗倉山という絶景ポイントまでルートが完備されていること。
少し馬越峠を紹介しましょう。
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馬越峠の有名な石畳の道です。こんな素敵な道がほぼ全てを占めています。)
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(夜泣き地蔵さまです。史跡もこのように桜地蔵さまなど結構あります。)
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馬越峠の途中にもこのような景色を楽しむことが出来る場所があります。)
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馬越峠です。休憩できるのでお昼を頂いたり小休憩して天狗倉山を目指してもいいでしょう。)
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(天狗倉山山頂から望む熊野灘です。これが見たくてここを訪れる方もいらっしゃいます。)

私の経験から申し上げるとまずは伊勢路から始めると無理なくプランニングでき、エスケープルートも結構確保できるので万が一、アクシデントがあった場合対応できると思います。

次にある程度慣れてきて熊野古道の魅力にハマったら中辺路にチャレンジしてみましょう。
ただし、全てを走破しようとすると40kmほどあるため普通は3回に分けます。
内訳としては滝尻~近露王子(約13km)近露王子~発心門王子(約20km)発心門王子~熊野本宮(約7km)となります。
滝尻から近露までのキツいポイントは高原霧の里から上田和茶屋跡までが結構な坂道とエスケープできないので注意が必要です。
もちろん高原霧の里あたりまででばてているようでは到底無理なので高原霧の里周辺で宿泊が可能かどうかは事前に調べてください。(江戸時代からの旅館は数件ありますが現在営業しておられないようです。)
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(このあたりでばてているようならこの写真の休憩所で宿泊可能な宿を紹介してもらいましょう。)

ちなみに参考までに中辺路を走破するのなら事前に近畿圏なら20kmほどのアップダウンの多い道を歩いておきましょう。
オススメなのはダイトレで二上山大和葛城山を走破できれば(疲れずに)中辺路はまず問題ないでしょう。
次は近露~発心門の要注意ポイントです。
本当ならもう少し足を伸ばして緋桜王子あたりで宿泊すると次の日の難易度が下がるのですが宿泊施設が少ないのと結構どちらにしてもしんどいので皆様の判断にお任せします。
ここは小広王子を越えてしまうと発心門王子まで一切のエスケープルートがない山の中ということ。
また、今は解消されたかもしれませんが台風の影響でルートが少し長く遠回りになっているので気をつけなければなりません。
発心門~熊野本宮までは結構集落の中を通るのでそんなに苦労することはないでしょう。
注意としてはこのあたりは雨が多いため季節によっては低体温症になる可能性があります。
しっかりとした雨具は必須です。(ウェアも季節に合わせてチョイスしてください。)

中辺路がクリアできたら大雲取越にチャレンジしましょう。
ここも距離が長いのとアップダウンが結構あります。
また、スタートを大門坂から始めるのであれば難易度が上がります。
この道はもはやひとつの登山として考えたほうがいいくらいの標高差がありますので注意してください。
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(基本はこのような石畳の道が熊野古道の特徴と言えます。
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(今まで登った分を全て捨て去るくらいの勢いで下りていきます。)
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(大体が400m~800mを登ったり降りたりしますので足腰を鍛えておきましょう。)

基本ですが熊野古道は全て巡礼者が通った道なので峠が多く、山越えが当たり前のため平地はほとんどありません。
しかしながら古の道が幽玄という形容にふさわしい雰囲気を醸し出しているのでハマる方が結構多いのです。

ここまで来たらもうあなたも古道のとりこになっているはず。
しかも古道を歩ききるだけの体力も知恵もついているはずなのでいよいよ厳しい道にチャレンジしましょう。
まずは果梨峠、ここはもう本当に登山です。
海抜ほぼ0mから1174mの果梨峠は登山という名にふさわしい峠越えとなっており、八木尾バス停を終着にするなら難易度は下がりますが熊野本宮まで目指すのなら難易度はグッとあがります。
八木尾バス停からエスケープするなら事前にバスの時間は調べて遅れないように下山しましょう。
タクシーの電話番号を調べておくことをオススメします。
ここは世界遺産に指定されているだけあって絶景が広がり、魅力的な道ですがその分険しく距離もあるので十分なプランニングで挑みましょう。
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世界遺産の名に恥じない素敵な場所です。)
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(道は素敵ですがその分厳しく険しい箇所もあります。)

我々は果梨峠を越えて熊野本宮まで行きましたが峠だけを楽しむのも全然問題ないです。
修行や参詣を目的にしているわけではないので楽しみ方は人それぞれでいいと思います。
でも、折角なら昔の人がたどったであろう道をできるだけ忠実に史跡をたどりながら熊野本宮にたどり着くと感慨はひとしおのものがあります。

私の夢は熊野古道の各古道の始点から熊野本宮までを完全走破することです。
もちろん仕事をしていれば休みがないのでままなりません。
定年退職後の夢になりますがゆくゆくは四国のお遍路さんもぐるっと回りたいと思っています。
さて、本来ならここで締めの言葉で終わるところですが最後に大峰奥駆け道に触れておきましょう。
この道は熊野古道とは別格なので正直本当に登山が好きでトレーニングを怠っていない方にしかお勧めできませんがこの道も完全制覇することが私の夢です。
修行の山々を越えて熊野本宮を目指すため今までの古道と比べ物にならないくらいきついです。
なので大峰奥駆け道を特集したガイドブックもないほどです。
断片的に山上ヶ岳八経ヶ岳などを紹介した本はありますが完全制覇した本がないのはそれだけ簡単に紹介できるようなルートではないからです。
なので私も各ルート上にある山を熟知(よく歩き込んでから)挑もうと思っています。
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(弥山に向かう道にははしごもあります。)
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(弥山山頂から八経ヶ岳を望みます。)
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八経ヶ岳山頂です。修行の山だけあって各山には必ずと言っていいほどどこかに錫杖があります。)
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山上ヶ岳に向かう道も結構厳しいものがあります。)
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山上ヶ岳山頂付近から稲村ヶ岳を望みます。)

これからますます登山にはいい季節になっていきます。
もちろん今年も3000m級の山にも出かけますが熊野古道にも足繁く出かけたいと思います。
またみなさんにいろいろな情報をお届けできるよう歩きまくります。
みなさんも体調には気をつけて頑張って登ってください。
でわでは~~